二十四節気の啓蟄の意味2018年の日付と行事どんな虫が出て来るの?

二十四節気の啓蟄ってどんな意味?

2018年はいつ?期間は?

啓蟄の虫ってどんな虫?

どんな行事がある?

その疑問、解消します!

啓蟄の語源、

啓蟄が季語の有名な俳句、

啓蟄に行なう菰外し、

雛人形を啓蟄にしまう時の注意も含めて、わかりやすくお伝えします。

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二十四節気の啓蟄ってどんな意味?

啓蟄(けいちつ)という言葉、初めて見た時は読みにくい漢字ですよね。

わたしが初めて啓蟄を目にしたのは、母からの手紙でした。

手紙の一行目に、

啓蟄

と書いてあり、その後に「元気ですか」などと続いていたので、啓蟄って『拝啓』みたいな挨拶の意味なのかなと思ったものです。

それにしても、初読でサッパリ読めず、当てずっぽうもできませんでした(笑)。

啓蟄は二十四節気のひとつで「けいちつ」と読むことがわかったのは、このとき、漢和辞典で『啓』から調べたからです。

二十四節気とは?

二十四節気というのは、もともとは中国から伝わった太陰暦にちなむ季節の呼称の1つです。

二十四節気を簡単に言うと、太陽の動きに合わせて1年を24の区分に分けたもの

地球は太陽の周りを1年かけて360度回ります。

この1年の期間を90度ごとに4つの季節に分けて、さらにその季節を15度ずつ6つに区分し、細分化したものが二十四節気です。

二十四節気は太陽の動きに合わせて設定しているので、季節や気候にとても密接な関係を持っています。

よく知られているところでは、

  • 夏至(げし)・・・1年のうちで最も昼の時間が長くなる日
  • 冬至(とうじ)・・1年のうちで最も昼の時間が短くなる日
  • 春分の日・・・・・1年のうちで昼の長さと夜の長さが同じになる日
  • 秋分の日・・・・・1年のうちで昼の長さと夜の長さが同じになる日

といったものも二十四節気のひとつ。

二十四節気は季節に合わせて区分分けしているので、その節気の日が来ると、

暦の上では春ですね

などと言われます。

ですが、太陽の動きにあわせているとはいっても、前述のように二十四節気は古代の中国で生まれたものです。

古い時代の中国の気候と、その当時の『太陰暦(月の満ち欠けに基づいて一か月を定める仕組みの暦)』を元に作られています。

そのため、『太陽暦(地球が太陽の周りを回る周期を基にして作られた暦)』を使っている今の日本では、実際の季節より、二十四節気は少し早いのが現状です。

二十四節気の啓蟄の意味とは?

啓蟄は、だいたい毎年、新暦(太陽暦)で3月の5日頃にあたる日、もしくはその時期を指します。

時期としては、春分の15日前で、陰暦の2月はじめ頃です。

立春 - 雨水 - 啓蟄 - 春分

立春からは、暦の上では春。

啓蟄の次の節気は春分ですね。

暑さ寒さも彼岸まで

といわれる春分の手前にある啓蟄は、もう一息で春になる時候といったところです。

啓蟄の意味合いは、

寒い冬を土の中で越した虫たちが、春になって穴から出てくる様子

冬ごもりの虫などが陽気に誘われて土中から出てくるんですね。

文字の上でも、

  • 』・・・「開く」
  • 』・・・「かくれる。冬に、虫が土の中にこもる」

を表しています。

二つの字が合わさった啓蟄は、

土中で冬眠していた虫たちが、穴をひらいて地上に出てくる頃

と字のごとくですね。

ちなみに、啓蟄は驚蟄(けいちつ、きょうちつ)とも表記され、発祥の地の中国では、驚蟄が使われ続けています。

啓蟄の虫とはどんな虫?

昔の人は啓蟄の頃に鳴るカミナリのことを、その音に驚いて虫たちが土からはい出してくると考え、『虫出しのかみなり』と呼んでいました。

啓蟄で言う虫の中には、両生類のカエルや爬虫類のヘビも含まれています

カエルを漢字で書くと「」、ヘビは「」。

どちらも虫へんが付いていますよね。

これらをまとめると、啓蟄の意味は、

冬眠していた虫や蛇・蛙などが、春の暖かさに誘われて穴から出てくる頃

と言えます。

実際に虫が活動を始めるのは、日平均気温が10℃を超えるようになってから。

10℃を超える頃というと鹿児島では2月下旬、東京や大阪で3月下旬、札幌は5月上旬頃に当たります。

虫が冬眠から目覚めると、それを補食する小動物も冬眠から目覚め動き始めます。

啓蟄の俳句で有名なものは?

実際に虫が活動を始めるのはもっと暖かくなってからですが、その意味からも、啓蟄は春を表す季語として俳句でもよく使われます。

明治から昭和にかけて活躍した、俳人であり小説家でもある高浜虚子は、

犬耳を 立て土を嗅ぐ 啓蟄に

啓蟄の 蟻が早引く 地虫かな

別荘に 来て啓蟄の 虫を友
 
と詠んでいます。

いずれも春の息吹を感じさせる句ですね。

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啓蟄の日2018年はいつ?期間は?

2018年の啓蟄は3月6日です。

啓蟄は太陽の通り道である黄経が345度になった日をさします。

毎年同じ日にちが345度にあたる訳ではなく、年ごとに少しずつずれていき、4年に一度リセットされます。

前述のように、その日だけを啓蟄と呼ぶこともあれば、期間という考え方で、啓蟄の日から春分の日の前日頃までを啓蟄と考える場合もあります。

啓蟄を期間と考える場合は、2018年の春分の日は3月21日ですから、3月6~20日までが啓蟄の時期にあたりますね。

毎年変わる啓蟄の日を判断するには?

啓蟄は、太陽周期の関係で、太陽暦では3月5日か6日のどちらかとなります。

啓蟄の日は西暦を4で割ることで見分けることができます。

■ ~2019年までの啓蟄

  • 3月5日・・・西暦を4で割って余りが出ない、もしくは余りが1
  • 3月6日・・・西暦を4で割って余りが2、もしくは余りが3

 

■ 2020~2050年の啓蟄

  • 3月5日・・・西暦を4で割って余りが出ない、もしくは余りが1か2
  • 3月6日・・・西暦を4で割って余りが3

 
2018年をこの見分け方で計算すると、

2018 ÷ 4 = 504…余り 2

となるので、3月6日の年となります。

啓蟄の時期に行われる行事は?

春の訪れにはいろいろな行事が行われれます。

ですが、啓蟄の日に限定で行われる行事というものはありません。

啓蟄の時期に行われる各地の行事としては、

  • 桃の節句(4月に行われるところも)
  • 菰(こも)外し
  • お彼岸
  • 卒業式
  • いちご狩り

などがあります。

菰外し(こもはずし)とは?

松の木を守るために冬囲いで使用した菰(こも)を焼く風習はこの時期です。

菰というのは、わらで編んだ敷物状のゴザのようなものです。

『むしろ』といった方がわかりやすいでしょうか。

啓蟄の時期になると、各地で松の木に巻いた菰を取り剥がして焼く行事が多く見られます。

11月頃、松の木に巻いた菰を松の地上2メートルあたりの高さに巻きつけます。

これを菰巻き(こもまき)といいます。

菰巻きは江戸時代から伝わる害虫駆除の方法です。

本格的な冬が来る前に菰を松に巻きつけることで、暖かい場所を好む松の害虫が、寒い冬を越そうと菰に集まります。

そして、春先。

啓蟄の時期に菰を外して、菰を燃やすことで、中に入った害虫も駆除できると考えられていました。

冬の寒さをしのごうと、菰の中で越冬する害虫たちを「目覚める前に駆除する」という昔ながらの知恵ですね。

実際に松を害虫から守れるかというと、一概にはそうともいえなかったようですが、季節の風物詩として菰外しを行っているところも多くあるようです。

啓蟄の日に雛人形を片付ける?

啓蟄に雛人形を片付けるのが良い、という根拠があるわけではありません。

ただ、3月3日のひな祭りが終わったあと、二三日後に訪れる啓蟄はタイミング的に良いので、啓蟄の日に雛人形を片付けるというケースが広まったようです。

啓蟄の日に雛人形を片付けることに全く問題はありませんが、注意しなくてはいけないことがあります。

それは啓蟄の日の天気です。

雛人形は、湿気が少ない晴れた日に片付けるのが重要なポイント

湿気のある日にお雛様をしまうと、カビやシミなど、お人形が傷む原因になるからです。

毎年飾る大切な雛人形です。

啓蟄の日が雨の場合は、晴れた日に改めて行うことをおすすめします。

◇ 雛人形のしまい方について詳しくはこちら。
雛人形をしまう時期に最適な日はいつ?お雛様の片付けは大安がいい?

二十四節気の啓蟄の意味2018年の日付と行事どんな虫が出て来るの?まとめ

二十四節気は太陽の動きに合わせて1年を24の区分に分けたもの。

啓蟄はそのひとつです。

啓蟄の意味は、

『冬眠していた虫や蛇・蛙などが、春の暖かさに誘われて穴から出てくる頃』

なので、啓蟄は春を表す季語として俳句でもよく使われます。

啓蟄は、太陽周期の関係で、太陽暦では3月5日か6日のどちらかとなります。

その日だけを啓蟄と呼ぶこともあれば、期間という考え方で、啓蟄の日から春分の日の前日頃までを啓蟄と考える場合もあります。

啓蟄の時期に行われる各地の行事としては、

  • 桃の節句(4月に行われるところも)
  • 菰(こも)外し
  • お彼岸
  • 卒業式
  • いちご狩り

などがあります。
 
不思議なもので、啓蟄は一度覚えてしまうと忘れにくい漢字です。

啓蟄は春の訪れを告げる意味の言葉。

意味を知ってからは、啓蟄という言葉を見かけると頭の中に絵が浮かぶようになり、啓蟄の時期には庭の土など見入ってしまうようになりました(笑)。

春めく季節、啓蟄を境に、心ときめくような新しい出来事があるといいですね。

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