暖冬とはどんな意味?原因と暮らしの影響5つのデメリット!

暖冬とはどんな意味?

何が原因で暖冬になるの?

生活に及ぼす影響は?

どういうデメリットがあるの?

その疑問、解消します!

気象庁の暖冬の定義、

暖冬が発生する理由、

冬の寒さを感じないことがある要因、

地球温暖化の背景も含めて、わかりやすくお伝えします。

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そもそも暖冬とはどんな意味?

暖冬とは、12月から2月の平均気温が、平年より高いことを言います。

平年というのは30年間の統計です。

ということは、11月や12月の時点ではまだ暖冬とは決まっていないんですね。

暖冬と聞くと、冬の期間を通じて、温暖で穏やかな気候のように思えますが、これはあくまで、3ヶ月という期間の平均のお話。

実際、過去の気温の推移をグラフで見ると、高めの気温が続いたあとに、急に冷え込んで気温が下がり、厳しい寒さが続くこともよくあります。

天気予報などで、気象予報士が

「今年の冬は暖冬です」

と言っていても、

今後の気温の移り変わりによっては、寒冬になる可能性もあるわけです。

寒冬というのは、暖冬の反対語です。

気象庁の基準では12月から2月の平均気温と比較して、

高ければ「暖冬」

低ければ「寒冬」

としています。

この場合の平均気温というのは、「区分値」と呼ばれるある一定期間の30年間の資料で作成した値です。

10年毎に更新され、

現在の区分値は1981年から2010年までの30年間の資料で作られています。

ちなみに、10年毎の更新は西暦で1の位が1の年。

次回は、2021年に1991年から2020年の資料が使われることになります。

2020年までの間で、平年というと1981年から2010年までの平均値です。

気温を表現する時にはこの区分値を元に、

低い

平年並

高い

という3つの階級で表します。

当然ですが、この区分の具体的な値は、地域によって異なります。

なので、天気予報では、

「北日本は平年並、東日本と西日本では気温が高く、沖縄や奄美地方では暖冬になります」

という表現をしたりするのです。

平均値とどれぐらい気温差があると暖冬と言うのかというと、

  • 北日本・東日本・西日本……0.5℃以上の差
  • 南西諸島……0.3℃以上の差

がある場合とされています。

暖冬になる原因は?

地球温暖化の問題が提起され、確実に今後、地球規模で暖かくなることは避けられないと言われています。

地球温暖化も含めて、暖冬になる原因はいろいろありますが、

直接的な原因は、日本に冬型の気圧配置が短期間しか存在しないことにあります。

これは冬の時期、通常であれば日本列島上空に流れ込む北極圏やシベリアの寒気団が、例年のように発生しないことによるものです。

暖冬を引き起こす原因として代表的なものに、エルニーニョ現象というものがあります。

エルニーニョ現象とは?

エルニーニョ現象とは、東太平洋沖、つまり南米の近くにおける海水温が上昇することです。

海水温が上がると、太平洋上に暖かく湿った空気が生まれます。

この暖かく湿った空気が日本へ流れることで、冬でも暖かくなるというわけです。

エルニーニョはスペイン語で「男の子」を意味します。

もともとは、ペルー沖付近で、地元の漁師が12月のクリスマスの頃に海水の温度が上昇する現象を「エルニーニョ」と呼んでいました。

それがだんだん広範囲になり、各地で大雨や漁獲高の減少を伴う異常気象が報告され、

異常気象が起こる時には、東太平洋の赤道近くの海水温度が上がっていることから、この海水温が上昇する現象を「エルニーニョ現象」と呼ぶようになりました。

エルニーニョ現象で温かい空気が生まれると、影響を受けるのは日本だけではなく、世界各地の気候が影響を受けることになります。

ペルー近海の海水温が上昇する
     ↓
湿った空気で貿易風の力が弱くなる
     ↓
雨雲が遠くまで流れていかない
     ↓
大気の循環が変わってしまう

となるのです。

エルニーニョ現象が発生すると冷夏になるという話も耳にしたことがあるかもしれません。

日本列島全体を暖かく湿った空気が包み込むせいで、夏場は梅雨が長引いて、冷夏を引き起こしやすくなるのです。

そして冬は、冬の特徴である西高東低の気圧配置が崩れやすくなり、寒気の流れ込みが弱くなるため、暖冬になりやすいと言われています。

世界中で問題になっている地球温暖化には、エルニーニョ現象が深く関係していると考えられています。

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暖冬の影響によるデメリットとは?

「暖冬は寒さが和らぐから楽だ」

というイメージがあるかもですが、

暖冬はわたしたちの生活のさまざまなところに影響を及ぼします。

暖冬のデメリット1. 農作物への影響

暖冬になると、経済面に大きな影響が出ます

たとえば、農作物

本来なら冬の寒さの中で育つ農作物が、大豊作になり、価格が暴落することがあります。

「寒さに適応しながらゆっくり育つものが出荷前に大きくなりすぎた」

「例年にない陽気で熟してしまい出荷できない」

農家にとっては収入に影響しますし、

消費者にとっては、価格の高騰に悩まされることになります。

また、永年作物の果樹などは、

『冬は休眠して暖かくなると芽吹く』

というサイクルで季節を過ごすのですが、

暖冬だとこのサイクルのバランスが乱れてしまいます。

そうなると、味が薄かったり、糖度がのらなかったり、色が薄くて見た目が悪くなるなどで品質が劣化。

これもまた、農家にとっても消費者にとっても打撃となります。

暖冬のデメリット2. レジャー産業への影響

暖冬の年は気温が下がらないので、降雪量が少なくなります。

雪が降らないと、スキーやスノボなどを楽しむ冬のレジャー観光施設に影響が出ます。

しかも、気温が高いと、雪が水分を多く含んでしまうので、せっかく雪が降っても、サラサラのパウダースノーではなく、湿り気の多いベタ雪になってしまうことも。

スキーヤーやスノーボーダーにとっては避けたい雪質です。

ゲレンデが売り物の観光地では、雪が降らないとか、雪質が悪いとかで観光客の足が遠のくと、観光地自体が大きなダメージを受けることになります

暖冬のデメリット3. 流通業への影響

暖冬になると、デパートなどでは冬物の服が売れずに、利益が上がらないなどの影響が出ます。

寒さがあるからこそ、暖かいものを求める需要が出るわけで、

暖冬で暖かいと、暖房器具の売れ行きも悪くなります。

卸売・小売業のみならず、製造業や運送業にとっても、暖冬になると冬に発生する経済効果が発揮されないのです。

暖冬のデメリット4. 水不足への影響

暖冬で降雪量が減ると、ダムに雪解け水の流入が少なくなります。

結果として、水不足を招くことがあります。

暖冬のデメリット5. 自律神経への影響

暖冬というのは、ずっと穏やかな天気が続くというわけではなく、気温のアップダウンもあります。

平年より高い気温の日もあれば、いきなり、気温が下がって冷え込む日もあります。

寒暖差が激しいと、自律神経のバランスが乱れやすくなるので注意が必要です。

自律神経とは、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経のこと。

体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。

その2つのバランスをそこなうのが自律神経の乱れです。

もともと冬場は身体の抵抗力が落ちやすい時期。

年末年始の忙しさや風邪・インフルエンザの流行も重なるので、暖冬のときほど、体調管理に気をつけてくださいね。

暖冬とはどんな意味?原因と暮らしの影響5つのデメリット! まとめ

暖冬とは、12月から2月の平均気温が、平年より高いことを言います。

気象庁の基準では12月から2月の平均気温と比較して、

高ければ「暖冬」

低ければ「寒冬」

としています。

暖冬になる原因はいろいろありますが、

直接的な原因は、日本に冬型の気圧配置が短期間しか存在しないことにあります。

暖冬を引き起こす原因として代表的なものに、エルニーニョ現象というものがあります。

エルニーニョ現象とは、東太平洋沖、南米の近くにおける海水温が上昇することです。

暖冬になると、経済面や身体面に大きな影響が出ます。

暖冬の影響によるデメリットには以下のようなものがあります。

1. 農作物への影響

2. レジャー産業への影響

3. 流通業への影響

4. 水不足への影響

5. 自律神経への影響

地球温暖化の問題が提起され、今後、地球規模で暖かくなることは避けられないと言われています。

温暖化による気候変動は、わたしたちが経験したことのないものに変わりつつあります。

「今年は暖冬だから過ごしやすい」

という考えだけではなく、

暖冬の仕組みや、普段の暮らしに影響する事柄にも注目することが大切ですね。

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