春眠暁を覚えずの意味と由来は?使い方のポイントと例文もご紹介!

春眠暁を覚えずの意味と由来は?使い方のポイントと例文もご紹介!

「春眠暁を覚えず」とはどんな意味?

使われる時の一般的な意味合いは?

使い方の注意点やポイントは?

その疑問、解消します!

由来となった春暁の現代語訳、

二人の著名人による名訳、

「春眠暁を覚えず」を日常で使う時の例文も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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春眠暁を覚えずの意味は?

ものごころついた頃からの二度寝中毒です^^;

冬は冬で寒くて布団から出られないんですが、

春の陽気を感じる頃になると、

暖かな日だまりに包まれているようで

それはそれで布団から出られず・・・

ついつい二度寝に誘われ、

そのとき決まって頭に浮かぶのが

春眠暁を覚えず

です。

読み方は

しゅんみん あかつきを おぼえず

学校で習いましたよね。

授業で習ったこの言葉が浮かぶときって、

「春はたっぷり寝ても眠い」

「春先は眠たくて朝寝坊しやすい」

「春の陽気が心地よくてなかなか起きられない」

といった感じのときが多いのではないでしょうか。

よく、春の寝坊の言い訳で使ってしまいがちな『春眠暁を覚えず』ですが、

本来の意味はどのようなものなのでしょう。

春眠暁を覚えずの意味とは?

「春眠」や「暁」といった言葉自体、

ふだん使わない言葉なので、意味がわかりにくいですよね。

『春眠暁を覚えず』は、

春の眠りは暖かくて心地よく、朝が来たことにも気づかず、つい寝過ごしてしまう

という意味です。

春眠暁を覚えずの「春眠」とは?

春眠」は文字通り、春の眠りのこと。

春の夜や明け方の、心地よい眠りのことをいいます。

春眠暁を覚えずの「暁」とは?

」とは夜明けや明け方のことです。

春眠暁を覚えずの「覚えず」とは?

覚えず」というのは、「気づかなかった」という意味です。

春眠暁を覚えずの由来は?

『春眠暁を覚えず』というフレーズは、中国の詩人である孟浩然(もう こうねん・もう こうぜん)の『春暁』という詩が由来です。

春暁は「しゅんぎょう」と読みます。

漢詩『春暁』の全文をご紹介しますね。

春眠不覚暁(しゅんみんあかつきをおぼえず)

処処聞啼鳥(しょしょていちょうをきく)

夜来風雨声(やらいふううのこえ)

花落知多少(はなおつることしんぬたしょうぞ)

「春眠暁を覚えず」には、そのあとに続きがあったのですね。

春暁の現代語訳は?

春眠暁を覚えずの意味と由来は?使い方のポイントと例文もご紹介!この『春暁』の解釈にはいくつか説があるのですが、

一般的な説をわかりやすく現代語訳にしてみますね。

春眠不覚暁

春の眠りは心地よく、夜が明けるのも気づかないほど

処処聞啼鳥

あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてくる

夜来風雨声

昨夜は風の音や雨の音がしていた

花落知多少

どれほどの花が散ったことだろう

孟浩然(689-740)は盛唐時代の代表的な詩人です。

暖かい春は心地よく眠れるので、なかなか起きられないというのは、現代にも通じますね。

布団の中で、散った花の心配をするなんて、風情のある暮らしですよね。

実は、作者の孟浩然は科挙(中国の官吏登用試験)に合格できず、

一生を自由人のようにぶらぶら過ごした人物だったとか。

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『春暁』については、日本の歌人で国語学者でもあった土岐善麿(とき ぜんまろ)氏と小説家の井伏鱒二(いぶせ ますじ)氏の訳が知られています。

土岐善麿氏の訳詩

春あけぼののうす眠り 

枕にかよう鳥の声

風まじりなるよべの雨 

花散りけんか庭もせに

「庭もせに」というのは、「庭も狭しとばかりに」という意味です。

井伏鱒二の訳詩(井伏鱒二著「厄除け詩集」より)

春の寝覚めのうつつで聞けば 

鳥の鳴く音で目が覚めました

夜の嵐に雨まじり

散った木の花いかほどばかり

こうした訳を比べると、

『春眠不覚暁(しゅんみんあかつきをおぼえず)』が持つ、

春ならではのアンニュイな感じがより伝わってきます。

土岐善麿氏の訳詩と井伏鱒二の訳詩、

どちらも、春の心地よい朝寝坊を文学的に表していますね。

春眠暁を覚えずの使い方は?

春眠暁を覚えずの意味と由来は?使い方のポイントと例文もご紹介!
『春眠暁を覚えず』を使う時期は「」です。

読んで字のごとくですね。

『春眠暁を覚えず』は、春の心地よい眠りや寝坊を表す言葉なので、夏や秋、冬には使いません。

よく、仕事中や授業中などでウトウトしてしまった時に使われるのを見聞きしますが、これはNG。

先述のように、春眠「暁」を覚えず、の「暁(あかつき)」とは夜明けや明け方のことです。

なので、、もしくは朝に起こった出来事に使います。

 

『春眠暁を覚えず』の使い方のポイント

  • に使う
  • 、もしくは 朝の出来事 に使う

 

では、『春眠暁を覚えず』はどういった使い方をするのか、例文でお伝えしていきますね。

『春眠暁を覚えず』を使った例文

「近ごろ全く早起きできない。まさに『春眠暁を覚えず』を地で行く日々だ」

「大学の入学式は寝坊で欠席。おふくろに『春眠暁を覚えず』って言ったら一発くらったよ」

「春になると決まってだるくなるせいか、今朝も『春眠暁を覚えず』を布団で唱えて二度寝してしまった」

「『春眠暁を覚えず』というが、兄は子供の頃から目覚まし要らずで6時には起きている」

「寝過ごしてバイトに遅刻、『春眠暁を覚えず』で許してくれないかな」

「桜も満開で、まさに『春眠暁を覚えず』を体感しているよ」

「『春眠暁を覚えず』は自然な現象、万国共通なんだって」

「このところ『春眠暁を覚えず』で毎日遅刻ギリギリ、新入社員に示しがつかない」

春眠暁を覚えずの意味と由来は?使い方のポイントと例文もご紹介! まとめ

『春眠暁を覚えず』は、

「春の眠りは暖かくて心地よく、朝が来たことにも気づかず、つい寝過ごしてしまう」

という意味です。

『春眠暁を覚えず』というフレーズは、中国の詩人である孟浩然(もう こうねん・もう こうぜん)の『春暁』という詩が由来です。

日常で『春眠暁を覚えず』を使う時の使い方のポイントは以下の2点です。

  • に使う
  • 、もしくは朝の出来事に使う

動物たちが冬眠から覚める春の陽気に、

わたしたちが眠くなるのは、自律神経も関係していると言われています。

『春眠暁を覚えず』を心ゆくまで楽しめるような、時間の余裕がほしいものです。

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