おでんの名前の由来や意味は?関西で関東煮というのはなぜ?違いは?

おでんという名前の由来は?

どんな意味がある?

なぜ関西では関東煮と呼ぶの?

おでんと関東煮の違いは?

その疑問、解消します!

おでんと田楽の関係、

おでんの変遷の歴史、

おでんと関東煮の味の比較、

それぞれ独自の具材も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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おでんの名前の由来は?

去年オープンしたおでんやさんが超人気で、なかなか予約が取れません。

予約が取れないとなると無性に執着してしまい、

「おでん、おでん、おでん」

とおでんのことばかり考えていました。

ようやく希望の日時に予約がとれて、

「やったー!おでんの予約が取れたよ」

と友人にLINEをしたのですが、

こうして文字にすると、ひらがな3文字の『おでん』ってちょっと不思議な言葉ですよね。

「おでんは大根が一番好き」

「おでんの卵は外せないな」

「寒くなるとコンビニおでんにハマっちゃって」

『おでん』というくくりの中に、人それぞれがイメージする味や具材があります。

おでんを漢字で書くと『御田(おでん)』。

『御田』の「田」の字は『田楽(でんがく)』を表しています

『田楽』は、古くから日本各地で食べられてきた料理のひとつで、串にさしたお豆腐やこんにゃくなどに味噌をつけて焼いたものです。

豆腐の味噌田楽

『田楽』は『田楽焼き』とか『味噌田楽』とも呼ばれています。

おでんという言葉の由来が『田楽』にあるなんて、ちょっと意外な気がしますね。

おでんの名前の意味とは?

おでんの名前の由来となった『田楽』は、平安時代の風習「田楽舞い」からきていると言われています。

当時、農村では米や作物の豊作を祈って「田楽舞い」と呼ばれる踊りを踊る風習がありました。

踊りの演者は白い袴をはき、一本の長い棒の上に乗って飛び跳ねるように舞うのですが、

この白い衣装と小道具の棒が、四角く切った豆腐に竹串が刺さった様子に似ていることから、『田楽』と呼ばれるようになったと考えられています。

平安時代の『田楽』の味付けは塩でしたが、室町時代の頃から味噌をつけて焼く『味噌田楽』となり、

素材も豆腐やこんにゃくだけではなく、野菜を素材にしたものや川魚を使ったものなどバリエーションが増えてきました。

江戸時代になると、『田楽』は焼くのではなく、こんにゃくなどをお湯や昆布だしの中で煮込み、甘味噌をつけて食べる『煮込み田楽』となりました。

一本ずつ焼いてゆくのは作業効率が悪い上、大量に作るなら、大鍋にお湯を沸かして串を打った具材を入れて茹でるほうが楽ですよね。

この煮込み田楽が今のおでんの始まりとも言われています。

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このあたりから、具材を焼いて甘味噌をつけるものを『田楽』、

具材を煮たものは親しみと敬意をこめて『御田(おでん)』と、区別して呼ばれるようになりました。

『御田』の「御」の字は接頭語の「お」

「お昼」とか「お話」、「おからだ」や「お坊さん」など、言葉を丁寧にする時のアタマにつける「お」です。

『御田』の「田」の字は『田楽』の略を意味しています。

江戸時代の後期になると、おでんは味噌を使って煮込まれていました。

わたしたちに馴染みのあるしょうゆ味のだし汁で煮込むおでんは、野田や銚子など関東近郊で醤油づくりが盛んになった江戸末期から。

「焼く『田楽』」が「茹でる『おでん』」となり、「味をつけた醤油味の煮汁で直接煮るおでん」に変化していったわけです。

煮込むだけで簡単に作れるおでんは具材(おでんだね)も増えて、汁気も味わうようになり、関西にも広まっていきました。

おでんを関西で関東煮というのはなぜ?

関西では「おでん」を『関東煮(かんとだき)』といいます。

なぜ「おでん」のことを、関西では『関東煮』と呼ぶようになったのでしょう?

その理由は諸説ありますが、

一番有力なのは、おでんは東京で誕生したので、関西に伝わったときに「関東から伝わった煮物」という意味で『関東煮』と呼ばれるようになった、という説です。

「かんとうに」ではなくて「かんとだき」。

早口の大阪人は関東を「かんと」というんですね。

煮物のことを「たきあわせ」といいますが、関西では「煮る」ことを「炊く(たく)」といいます。

それで『関東煮』と書いて「かんとだき」。

「煮」を「だき」と呼ぶのは関東人としてはちょっと慣れないですが、Wikipedia によれば「関東炊き」という別表記もあるようです。

関西にはもともと「焼く『田楽』」と「茹でる『おでん』」があったので、関東から伝わった醤油ベースで煮る「おでん」を『関東煮(かんとだき)』と呼んで区別をしたとも言われています。

おでんと関東煮の違いは?

関東の『おでん』と関西の『関東煮』。

最も大きな違いは、味付けです。

濃い目のだし汁にしっかりと味を染み込ませる『おでん』に対し、『関東煮』は関西の定番である薄口しょうゆを使った甘めの味付けです。

関東風の濃いしょうゆ味は関西では好まれず、昆布だしや薄口醤油を使った関西風の味付けにアレンジされ、徐々に薄口しょうゆの関西風おでんになっていったようです。

それにつれて、関西独自の「さえずり」と呼ばれるクジラの舌や、「コロ」と呼ばれるクジラの皮、牛すじ、タコ足などの具材も入れるようになりました。

関西で具材に使われないのが「はんぺん」や「ちくわぶ」です。

学生時代、兵庫出身の友人が

「おでんの『ちくわぶ』ってなに?」

というので驚いたことがありましたが、

その時に、関西ではおでんにクジラが入っていると知って二度びっくりでした。

おでんの名前の由来や意味は?関西で関東煮というのはなぜ?違いは? まとめ

おでんという言葉の由来は『田楽』にあります。

おでんを漢字で書くと『御田(おでん)』。

『御田』の「御」は言葉を丁寧にするときの接頭語、「田」は田楽の略を意味しています。

関西では『おでん』を『関東煮(かんとだき)』といいます。

「関東から伝わった煮物」

という意味で、『おでん』が『関東煮』と呼ばれるようになった、と考えられています。

関東の『おでん』と関西の『関東煮』の最も大きな違いは味付けですが、それぞれ独自の具材も入っています。

最近は、具材に下ごしらえしたトマトなどの変わり種もあります。

いつの時代も手軽に食べられる料理として人気の『おでん』&『関東煮』、具材やだし汁の違いに注目して食べるのも楽しいですね。

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