うなぎの蒲焼が関東と関西で焼き方が違う理由!蒸す蒸さない、どっち?

うなぎの蒲焼に関東と関西に違いがあるのは焼き方だけじゃない!背開きが主流になった理由、腹開きが広まった理由を解説。地域によってうなぎの調理方法に違いがある由来は大きく4つ。関東・関西の境界線となっているのはうなぎの産地で有名なあのあたりです。

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うなぎの蒲焼は関東と関西で違います

うなぎの蒲焼きには、関東風の背開きして蒸してから焼くスタイルと、関西風の腹開きして蒸さずに直に焼くスタイルがあります。

関東風と関西風のうなぎの蒲焼では、「さばき方」と「焼き方」が異なるんですね。

〈関東のうなぎの蒲焼の特徴〉

関東では、うなぎを背開きにして白焼きした後、蒸してから焼きます。

そのため、ふわっと柔らかいのが特徴。

〈関西のうなぎの蒲焼の特徴〉

関西では、小ぶりのうなぎを選ぶことが多いようです。

腹から開いて蒸さずに焼くため、脂の乗ったパリッとした香ばしさを楽しめます。

〈うなぎの背開き腹開きの境界はどこ?〉

明確な基準はありませんが、関東風と関西風の境界は浜松近辺だと言われています。

浜松あたりでは関西風のお店と関東風のお店が混在しており、諏訪湖周辺の諏訪市では関東風と関西風が混在。

岡谷市では関西風が主流のようです。

うなぎで有名な浜松が、関東風と関西風の料理方法の境目にいるというのも面白いですね。

 

うなぎの焼き方が関東と関西で違う理由

うなぎをさばくとき、地方によってさばき方が違うというのは有名な話ですよね。

 
・関東 = 背開き

・関西 = 腹開き
 

関東ではうなぎをさばくとき背中側から包丁を入れ、関西では腹から包丁を入れるというものです。

このうなぎのさばき方の違いには諸説あります。

代表的なものを4つほどご紹介しますね。

〈1. 江戸は武士、京は商人説〉

関東、江戸には武士が多く、彼等の最大の屈辱は「切腹」。

武士道を重んじた江戸の人々は、うなぎでさえ「腹を切る」ことをよしとせず、背中側からさばく文化が根付いたという説があります。

一方の関西。

江戸時代に関西最大の都市、大阪といえば商人の町でした。

商人たちは武士道よりも人と人の付き合いを大事にします。

人付き合いを重要視する商人たちの『腹を割って話す』という思いから、うなぎの腹開きが一般化したと言われています。

〈2. 関西の料理人は腕が立つ説〉

腹から開くと、開いた皮の部分が内側へ丸まり硬くなるといったことが起こります。

それを防ぐためには相当な腕が必要で、腹開きが主流の関西の料理人のほうが、包丁さばきに長けていたという説があります。

つまり、江戸では料理人の腕が追いつかなかったため背開きが主流となったというんですね。

〈3. 江戸の背開きは効率重視のため説〉

江戸の街には各国から集まった単身男性が多く、外食のニーズは高かったのですが、飲食店自体も熟練した調理人が不足していました。

そのため、効率を上げるために江戸では背開きにしたのではという説があります。

うなぎは肋骨がなく、腹開きは料理人の包丁の技術が要求されます。

腹開きに比べると、背開きは背びれを取りやすく、うなぎがおとなしくなるのでさばきやすいため簡単にできます。

江戸では簡単に出来る方の背開きが普及したということです。

〈4. 背開きは身崩れしにくいから説〉

包丁さばきの技術云々ではなく、背開きのほうが腹側から包丁を入れた時と比較して身崩れしにくいからだという説もあります。

背中側からうなぎをさばくことは、料理の仕方としてもメリットがあるということですね。

 

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うなぎを蒸す関東と蒸さない関西のまんまめし

天然うなぎには養殖ウナギと違って川魚特有の泥臭さを感じる風味があります。

江戸時代の頃は天然うなぎを調理していたため、いかに柔らかく美味しく、そして早く提供するかが工夫されていたんですね。

〈うなぎは蒸すのが関東〉

関東でうなぎの蒲焼を作る時は、うなぎを背開きにした後、まず白焼き(素焼き)にします。

それから、蒸して身を柔らかくしてから、たれに絡めて焼き上げます。

白焼きした後にしっかり強火で蒸すことで、余分な脂が落ちて、比較的サッパリとした味わいに仕上がります。

関東では主にうな重として、ご飯の上にのせて食べています。

蒸してから焼くことで余分な脂を落とし、身を柔らかにすることで、 ご飯に合うように進化させたのではないでしょうか。

〈うなぎは蒸さないのが関西〉

関西ではうなぎは 腹側から開き、関西のように白焼きや蒸し上げるなどはしないで、早めの段階からたれを絡めて焼き上げます。

蒸す工程が無い分、焼くのに時間がかかりますが、焦げやすいので何度もひっくり返しながら焼き上げていきます。

蒸さずに脂が多いまま焼き上げると、より香ばしく焼け、皮目もパリッとした食感に仕上がります。

関西ではうな丼のことを「まむし」といいます。

まむしというのは、蒸さずに焼いた地焼のうなぎをご飯の上にのせ、さらにそのうなぎの上にご飯をかぶせるもの。

こうすることで地焼の堅めのうなぎも程よく蒸されたうな丼になるのです。

語源には諸説ありますが、ご飯で蒸すから「まんまむし」、うなぎの上にご飯をまぶす「まぶし」が「まむし」に転じたもの、などとされています。
 
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まとめ

うなぎの蒲焼は、お店によってうなぎの質、蒸の時間、焼き方、タレの甘辛などいろいろ工夫しているので味も様々ですよね。

住んでいる地域が違うと、うなぎの常識も変わってきます。

うなぎの産地として有名な浜松が関東風の西の境界と言われ、関東風と関西風のどちらも食べられているようです。

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