乾杯でグラスをぶつけるのはマナー違反?
グラスは合わせる合わせない?
グラスをカチンと当てる意味とは?
その疑問、解消します!
社会人なら押さえておきたい乾杯マナー、
フォーマルとカジュアルで使い分けるポイント、
由来も含めてわかりやすくお伝えします。
乾杯でグラスをぶつけるのはマナー違反?
お祝いの席から普段の食事まで、乾杯をする機会って多いですよね。
乾杯でグラスをカチンと合わせる習慣が日本で始まったのは明治の終わり頃。
日露戦争の頃で、イギリス海軍との会食の席からというのが始まりのようです。
ジュースで乾杯、ビールで乾杯、ワインで乾杯、などなど、子供から大人まで、お馴染みの乾杯。
この乾杯のとき、あなたはグラスとグラスをカチンとぶつける派?
それとも、ぶつけない派?
グラス同士を合わせるか、合わせないかというのは、乾杯のマナーとしては重要なポイントです。
結論から言えば、乾杯でグラスをぶつけるのはマナー違反ではありません。
ですが、グラス同士をあてるのにはTPOに応じたマナーがあります。
グラスを合わせない場合と、合わせる場合・合わせてもかまわない場合があるので、シチュエーション別にご説明しますね。
乾杯でグラスを合わせない場合とは?
乾杯でグラスをぶつけ合うのはマナー違反ではありませんが、適さない場面があります。
フォーマルシーンではグラスをあわせない
基本的に、フォーマルシーンではグラスを合わせません。
結婚式などの正式な席では、乾杯の前に「ご起立を」というアナウンスがあり、会食の席では座ったままで乾杯が行われます。
立位・座位、どちらの状況でも、フォーマルシーンではグラスを合わせず、乾杯を行います。
1. 乾杯の唱和とともに、グラスを目の高さに上げる
2. 周囲の人と目礼を交わす
3. 一口飲む
4. 唱和した人に目礼する
5. 周囲の人に目礼する
6. 静かにグラスを置いて拍手する
正式な乾杯マナーを覚えておくと、のちのちも役に立ちます。
この機会に覚えておくといいですね。
フォーマルシーンでグラスを当てない理由
グラスとグラスを合わせないのは、繊細なグラスを傷つけないための配慮です。
高価なワイングラスやシャンパングラスは極端に薄いものもあり、不用意にぶつけてしまうと、すぐにヒビが入ってしまうことも。
結婚式などのおめでたい席で、「割れる」「ヒビが入る」などはあってはいけませんよね。
これは高級な酒器を使うお店や、おもてなしの席にもあてはまります。
なので、高価な器を使うパーティーの席などでは、グラス同士をぶつけあわせることはNGです。
目の高さまでグラスを上げ、周囲の人とアイコンタクトや会釈をする程度に乾杯するのがマナーです。
グラスをぶつけることが乾杯ではないので、くれぐれも他の人にグラスを合わせにいかないように。
乾杯でグラスをぶつける場合は?
正式な場ではグラスを合わせない(ぶつけない)のがマナーですが、ビアジョッキのように頑丈な酒器のときは、臨機応変に周りに合わせましょう。
カジュアルレストランや、親しい仲間内でのホームパーティーなどではグラスを合わせる方が気分的にも盛り上がることもあります。
グラスを力いっぱいぶつけるのではなく、グラスを合わせる程度にとどめます。
多くの人が参加する懇親会や打ち上げの場でグラスを合わせたい時も、酒器を丁寧に扱うという配慮は忘れないでくださいね。
また、ホームパーティで、ホストが高価なグラスを用意していた場合は、特に注意が必要です。
親しき仲にも礼儀あり、グラスを当てる当てない、周りの雰囲気に合わせるようにしましょう。
そもそも乾杯は、喜びや楽しさを表現したり、親交を深めたりするために行うもの。
なので、ぶつけても安心な酒器に限ってグラスを合わせるのが大人のマナーと言えます。
では、グラスとグラスをカチンと合わせるのはなぜなのでしょうか。
そのあたりの理由を押さえておくと理解しやすくなるので、カンタンにお伝えしますね。
グラスでカチンと乾杯する意味と由来
乾杯の時にグラスとグラスをカチンと当てるようになった由来は諸説あります。
代表的なものを3つご紹介します。
1. 毒殺を防ぐため
2. 景気づけのため
3. 悪魔払いのため
■ 1. 毒殺を防ぐため
広く知られているのは、毒殺を避けるために行われるようになったという説です。
中世ヨーロッパでは権力争いで暗殺が横行し、毒殺もよく用いられていました。
毒殺の方法のひとつに、毒物を飲み物に混ぜて飲ませるというものがありました。
そのため、グラスとグラスをぶつけて互いの酒を交ぜてから飲むようになったのです。
つまり、グラスをぶつける行為は毒が入っていないという証。
お互いの信頼の表れというわけですね。
■ 2. 景気づけのため
イギリスでは、軍隊が戦争の出陣時の景気づけにグラス同士をぶつけ合ったのが始まりと言われています。
■ 3. 悪魔払いのため
グラスとグラスをぶつける時に生じる「カチン」という音が悪魔を祓うとされ、古代ギリシアでは悪魔払いに使われたと言われています。
乾杯でグラスをぶつけるのはマナー違反?合わせない場合の意味とは? まとめ
乾杯はフォーマルな席から日常まで、身近にあるコミュニケーションのひとつ。
乾杯のしかたはTPOによって違います。
基本的にフォーマルな場ではグラス同士をぶつけるのはNG。
ですが、フォーマルとはいえ、みんなグラスを合わせようとしてきた場合は、自分だけ合わせないのはさすがにその場に合ったマナーとはいえません。
その場にマッチしたやり方で、乾杯の気持ちを表すことが大切です。
カジュアルな場では、グラスを合わせるのはOK。
本来の乾杯はグラスをぶつけ合うことに意味がありましたが、現代の乾杯は酒器や器が繊細になり、ぶつけ合うことが「マナー違反」と見られる可能性があります。
ぶつけても安心な酒器に限って、グラスを合わせるのが大人のマナーとも言えます。
そうしたマナーを踏まえた上で、臨機応変な対処ができるといいですね。