護摩供・護摩供養のやり方、
護摩木に書く願い事の祈願例を幅広く紹介。
良縁の願い方も悪縁の切り方も護摩の意味や由来を知ると納得。
お寺や神社に行ったなら参拝だけじゃもったいない!
あなたの願い事、しっかり護摩木に書いて護摩供の炎で叶えてもらいましょう!
護摩供・護摩供養とは護摩供の読み方
お寺や神社に初詣や参拝に行った時、「護摩木(ごまき)」を書いてますか?
もしかしたら、「護摩供」や「護摩行」というものがあることすら知らないかもしれませんね。
参拝客の殆どは、お賽銭と祈願だけで参拝を終わらせてしまいます。
でも、これってすっごくもったいない!
お寺や神社に行くと、お供えするローソクや線香と一緒に「護摩木」が置かれているところがあります。
願いを叶えたいなら、護摩木に自分の祈願したいことを書いて叶えてもらいましょう!
護摩木を焚き上げる護摩供の意味
■ 護摩供・護摩供養(ごまく・ごまくよう)とは
護摩供は「ごまく」と読みます。
護摩供は「護摩供養(ごまくよう)」とも言います。
護摩供とは、御本尊さまの前に壇を設け火を焚き、大日如来や不動明王や火の神などさまざまな神仏の降臨を念じて、我々人間の願いをささげる祈りの儀礼です。
護摩木という特別につくられた薪に「願い」を記し、その薪を焚いて神仏に祈ります。
よく「お火焚き」や「火祭り」という呼び方で行われている行事は、この護摩供のこと。
基本的にはお寺の行事ですが、明治以前の神仏習合の名残で神社でも行っているところがあります。
■ 護摩とは
「護摩」というのは、サンスクリット語で「物を焼く」という意味。
物を焼く時、炎が上がりますね。
燃え上がる炎は「天の口」とされ、神仏の智慧の象徴と言われています。
神仏はその天の口から供物を食します。
その炎の源になるのが護摩木といわれる木です。
■ 護摩木とは
燃え上がる炎「天の口」が食するのが供物で、この供物が納めた護摩木。
護摩木は供物として焼かれるのです。
護摩木には願い事を書く護摩木と、供養のための護摩木があります。
お寺や神社によっては、護摩木の中でも願い事を書く祈願の護摩木と先祖の供養などを書く供養の護摩木の2種類に分けて焚き上げるところもあります。
焚き上げる護摩木の煙が天に届くことで、天は食をいただくことができ、代わりに人に福を与えるとされています。
護摩供の歴史は古く、約3000年ほど前からインドで行なわれていた呪術の修法で、ペルシア密教が起源と言われています。
今は主に天台宗や真言宗などの、密教系の仏教宗派が護摩行(護摩供)という修行の一環として行っています。
宗派によってやり方はそれぞれ違いますが、主に寺院内の護摩堂というお堂の中に護摩壇を用意し、そこに護摩木を投げ入れて、焚き続けます。
■ 護摩行とは
護摩行というのは、護摩供を行者の修行で昼夜通して何日も護摩を焚き続けること。
護摩の炎の前は何百度にも上がりとても熱く、火に当たる事がなくても熱風で火傷をする事もあります。
修行を積む事で護摩の炎の前にいることが出来るようになります。
野球選手の護摩行、ネットやテレビで見たことがありませんか?
真っ赤な炎で精神が鍛えられ、その経験が自信につながるようです。
護摩の炎には、神仏が宿り炎が神仏や龍神の姿を表すこともしばしばあると言われています。
護摩供・護摩供養で祈願する願い事
護摩木に書いた願い事は、
「心の迷い」
「煩悩」
を意味しており、
燃え上がる炎は
「神仏の悟りの智慧(ちえ)」
を表しているとも言われます。
勢いよく護摩木を燃やすことで、
「神仏の悟りの智慧の炎で、私たちの煩悩(護摩木)を焼き滅ぼす」
とされています。
護摩供は、ただ護摩木を火の中に投げ入れるだけではありません。
真言を唱えたり、炎に五穀・五香などを投じ、香油を注ぎ供養するなど色々な儀式の中で行います。
そうして、人間の怒りや愚かさという心の迷いによる煩悩を神仏の智慧の炎で焼きつくし、人々の願いが清浄な願いとして高まり成就することを祈るのです。
護摩供・護摩供養はお寺や神社によって護摩木の仕様が違います。
そのやり方も、納める時に気を入れるため息を吹きかけたり、おでこに当てたりと色々あります。
護摩供の願い事
護摩供は願いに応じて、大きく4つの目的に分類されます。
■ 息災(災いを除く)
地震、雷、火事、台風などの災害がないように、あるいは個人的な苦難、危険がないように祈る。
■増益(幸せを増す)
利益や幸福を求めるための祈願。
■降伏(悪を屈服させる)
魔物や怨敵を調伏したり折伏したりするために行う祈願。
■敬愛(増益から一族の平安を願う)
和合や親睦をはかるための祈願。
護摩供の願いはひとつだけ?
護摩供の祈願は、1つに限りません。
お願いごとというのは自分のことだけでなく、家族のことや友人、仕事のこともありますよね。
一つの護摩木に書く願いごとは一つ。
ですが、願いの数だけそれぞれ護摩木に書けば良いのです。
10の願いがあるなら10本の護摩木に書くということです。
護摩供に使う護摩木の書き方と祈願例
叶えたい願い事はあるけど、どんなふうに護摩木に書けばいいのでしょうか?
基本的な書き方をご紹介します。
基本的な護摩木の書き方
願い事、名前、数え年を順に書きます。
※納め先によって異なることがあるので確認してくださいね。
■ 数え年とは?
数え年っていうのは、生まれた年を一歳として、お正月を迎える毎に1つずつ歳を加える年齢の数え方です。
・元旦からその年の誕生日前日まで → 満年齢+2才
・誕生日当日から12月31日まで → 満年齢+1才
◇ 数え年について詳しくはこちら。
・満年齢と数え年の違いは年齢の数え方に早生まれの由来とは
■ 護摩木に書く願い事は四字熟語?
護摩木に書く願い事は四字熟語でなくてもかまいません。
自分の言葉で願いごとを書けば大丈夫。
あまり堅苦しく考えないでくださいね。
しっかり心をこめるのが大事です。
「○○さんの病気が治りますように」
などというように、文章でも全然OKですよ。
■ 護摩木に書くのはあなたの名前
氏名の欄に書くのは、護摩木を書いて奉納する本人の名前です。
つまりあなたの名前。
家族や友人など、他人のことを祈る場合もあなたの名前を書きます。
たとえば。
日本の安泰や繁栄を祈願するなら、
「日本国安泰繁栄」
と書いて、奉納するあなたの名前を書きます。
〈護摩木に書く祈願の文例〉
あなたの願い事が縁結びなら
「恋愛成就」
「素敵な出会いがありますように」
などいかがでしょうか。
一方、縁結びとは真逆の「悪縁切り」というのもあります。
酒・タバコ・ギャンブルなどの楽しみも度が過ぎると周囲にも迷惑をかけてしまいますね。
自分のために、もしくは大切な人のために悪縁切りをするなら、
「禁煙成就」
「賭事封じ」
もしかしたら、あなたにとって悪いやつと別れたいという状況もあるかもしれません。
「〇〇との縁が切れますように」
もアリですよ。
では、よくある文例をご紹介していきますね。
よく使われる伝統的な祈願例
◆ 災いを除去して福と幸せを呼び寄せる/除災招福
・除災招福
・心願成就
・災難消滅
・障害打破
・厄難消滅
・運気改善
・開運除災
・鎮宅除災
・火難除け
・方除け
・因縁解脱
・土地供養
・厄除開運
・火難消除
・諸難削除
◆ 健康に暮らしたい
・福寿円満
・延寿福来
・身体健康
・身体健勝
・身体健全
・心身健康
・心身健全
・無病息災
・当病平癒……病名がはっきりしている場合は明確に書く。(例:ガン → ガン平癒)
・病気平癒
・手術成功
・喘息封じ
・かんの虫封じ(乳児の夜泣き・かんしゃくに)
・ガン封じ
・息災延命
・厄難消除
・除災余楽
・除災招福
◆ 家庭は円満に
・良縁成就
・夫婦円満
・夫婦和合
・子宝成就
・安産成就
・家内安全
・家内開運
・家内円満
・家運隆盛
・家運隆昌
・先祖供養
・子孫繁栄
◆ 仕事・商いの成功
・商売繁盛
・社運隆盛
・社運隆昌
・社内安全
・社員健康
・工事安全
・業運繁栄
・事業繁栄
・家業繁栄
・業績向上
・成績向上
・五穀豊穣
・大漁満足
・豊作祈願
◆ 合格祈願
・受験合格
・入試合格
・入社合格
・就職成就
・進学成就
◆ 能力向上
・学業優秀
・諸芸上達……明確に書く場合は「○○上達」(例:「英語上達」「野球上達」「料理上達」)
・学業向上
・学業増進
・技能増進
◆ 安全祈願
・交通安全
・旅行安全
・道中安全
・作業安全
・身上安全
・世界平和
◆ 恋愛
・恋愛成就
・恋愛円満
・縁談成就
・良縁成就(男女間のみならず、仕事や学校など人間関係全般にも)
◆ その他
・金運招来
・諸縁吉祥……吉祥は「めでたいこと(繁栄・幸運)・よい前兆」の意。
・円満吉祥
・福徳円満……幸福や財産に恵まれて満ち足りていること
護摩供と護摩供養の読み方と護摩木の書き方お願い事の祈願例 まとめ
願いごとが人それぞれ違うように、護摩木の書き方にルールはありません。
例文などの形にとらわれないで、自分の言葉で心を込めて願いごとを書けば大丈夫。
「この願いを叶えたい!」
というあなたの想いが大切です。
大祭などで行われる護摩供は誰でも参加できます。
お近くで機会が有ったら、ぜひ護摩供を体験してみてくださいね。
◇ 記事中でご紹介した関連記事
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