一本締め一丁締め三本締め違い合いの手挨拶例と手締め由来意味

一本締め・一丁締め・三本締め、 「手締め」の指名にどうする?手締めのやり方・違い・合いの手・挨拶例文・作法・注意点を伝授。事前準備でバッチリ決めよう!手締めには幾つかのやり方があります。状況によって使い分けてくださいね。

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手締めの由来と意味NG作法とは

「それでは皆さま、お手を拝借」
「いよおおおっ」
パパパン、パパパン、パパパンパン
パパパン、パパパン、パパパンパン
パパパン、パパパン、パパパンパン

ある程度人数が集まった宴会や結婚披露宴・お祝い会といったおめでたい行事では、お開きの前に手拍子をする「手締め」を行うことがよくありますよね。

いきなり司会や幹事から手締めの指名を受けた時に、華麗に手締めに入れるようやり方を覚えておきましょう。
由来と意味を知っておくと、状況によって臨機応変に使い分けることができますよ。

〈手締めの由来と意味〉

手締めの主旨は、

「行事が無事終了した事を祝い、協力して下さった方々に感謝する」

ことです。

手締めの語源は「手打ちによって締める」。
従って、「手打ち」とも表現されます。

同じ手を打つアクションでも拍手は、賞賛や喜びを表すことで 万国共通ですが、「決着・けじめ」などの意味で手を打つ手締めは日本の神話にルーツがあります。

「手を打つ」という記述が登場する最古の文献は、古事記の「国譲り神
話」。

天照大神から出雲の国を譲るように言われた大国主命(おおくにぬしのみこと)が、長男の事大主神(ことしろのみこと)に返答を求めたところ、柏手を打って承知したという神話があります。

そこから、柏手を打つことが物事が落着することになります。
やがて「柏手を打つ」→「手を打つ」→「手締め」と変化していき、手締めは
決着/承知=物事がうまくまとまった」という意味で使われるようになりました。

江戸時代に入ると、落語の真打(落語家の最高位)や襲名(先人と同じ名前を意図的に継ぐこと)披露で手締めが行われます。

手締めの習慣が日本全国に広がるキッカケになったのは1878年(明治11年)の東京取引証券所の開所。
大発会や大納会でも手締めが行われるようになり、手締は日本全国に知れ渡りました。

手締めのルーツは日本最古の歴史書、古事記の事大主神。
歴史で暗記しましたが、確か712年に記されたものとされてます。
「手を打つ」は現代用語でも決着の意味です。

 
〈※来賓の手締めはNG!〉

そもそもの手締めの意味は、
“行事を取り仕切った者が行事が無事に終了したことを協力者に感謝すること”です。

なので、あなたが来賓の場合は、仮に音頭を取ることをふられたとしても、断るのが筋、断るのが礼儀です。

幹事や司会者は知らずにお願いしてくるかもしれません。
その場合は固辞するのではなく、

「社内の○○さんが適任でしょう」

と、代わりの人間を推してサラリと交わしましょう。

一本締め一丁締めの違い手締めのやり方いよーっ

〈手締めの種類〉

手締めには大きく分けて3つの種類があります。 

・一本締め

・三本締め

・一丁締め

一本締めを3回繰り返すのが三本締め。
一丁締めは東京を中心に関東圏で行われるので、
「関東一本締め」などとも呼ばれる簡易的な手締めのことです。
 

〈一本締めのやり方〉

3回・3回・3回・1回手を打つのが一本締めです。

新年会や忘年会、結婚式などでよく行われます。
宴会の中締めなどでよく行われます。

 
・一般的な流れ

1. 「お手を拝借」

と声かけをしたら、手を前方に開いて構える。

2. 出席者も構えたところで、

「いよーぉ」と発声して、
「パパパン、パパパン、パパパンパン」

3. 手締めが終わったら、

「ありがとうございました」

と唱和していただいたお礼を言い、拍手で終了。

 
〈手拍子の意味〉

「いよーぉ」の掛け声の後、
「パパパン」「パパパン」「パパパン」「パン」と手を打ちながらの「三・三・三・一」のリズム。
リズムで分けると「3回×3回+1回」、三が三つあるので合計九。
「九=苦」になるのです。

ただ、これに最後の一(1回)を点で重ねると、漢字の丸(まる)という字になりますね。

これには、苦労して頑張った結果、すべてが丸く収まるということにつながるという意味があるといわれています。
「その場を丸く収める」「丸く収まりました」ということを表しているんですね。

ちなみに、最初の声がけ、「いよーぉ」は「祝おう」から転じた言葉です。
なので、「よーっ」ではなく「いよーぉ」でいきましょう!
 

〈一丁締めのやり方(関東一本締め)〉

1回手を打つのが一丁締め。
簡略化された手締めですので、こじんまりとした宴席に向いています。
関東一本締めとも呼ばれます。

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「いよーぉ」「パン」

と一本締めの最初と最後だけであっけなく終ります。
大きな声や音が出せない場所では、指だけで打つ一丁締めにすることもあります。

 
・一般的な流れ

1. 「お手を拝借」

と声かけをしたら、手を前方に開いて構える。

 
2. 出席者も構えたところで、

「いよーぉ」と発声して、
「パン」

3. 手締めが終わったら、

「ありがとうございました」

と唱和していただいたお礼を言い、拍手で終了。

 
一丁締めは一本締めの変形で、近頃では東京の代表的なスタイルとされています。
短気な江戸っ子が、三本締めの略式である一本締めからさらに最後に手を打つ”パン”だけを取り出したものだとも言われています。

対して関西地方、特に京都などにおいては一丁締めはほぼ見られず、三本締めが手締めとして最もよく行われています。

全国的に一丁締めと一本締めは混同されているようですが、正しくは上記の通りになります。

 

〈手締めをするときの注意点と作法〉

一本締めと一丁締めを混同されている方、本当に多いです。
そこで、せっかくの締めがバラバラになってしまわないように挨拶の際には、

「私が、『いよーお!』と声をかけますので、”パパパン パパパン パパパン パン”、でお願いいたします。」

と一言付け加えましょう。

そうすることで、一体感のある締めになることでしょう。

三本締め合いの手と挨拶例

三本締めとは、その名が示す通り、一本締めを三回行うこと。
お祝いやおめでたい席のときに向いています。
結婚式や新年会、還暦のお祝いや盛大な宴席に向いています。

 
・一般的な流れ

1. 「お手を拝借」

と声かけをしたら、手を前方に開いて構える。

2. 出席者も構えたところで、、

「いよーぉ」と発声して、
「パパパン、パパパン、パパパンパン」

「いよっ!」
「パパパン、パパパン、パパパンパン」

「もう一丁!!」
「パパパン、パパパン、パパパンパン」

3. 手締めが終わったら、

「ありがとうございました」

と唱和していただいたお礼を言い、拍手で終了。

 
三本締めの場合、1回目が終わったら「いよっ!」、2回目が終わったら「もう一丁!!」などの掛け声を入れるとリズムがとりやすくなります。

三本締めの一本目は主催者に、二本目は来賓・来客に、三本目はこの行事に、それぞれ向けられたものという説があります。
三本目については「その場に参加できなかった人に向けて」とも言われています。

一本締めでも述べましたが、
三拍を三回繰り返してもう一拍つけることにより、「苦労して頑張った結果、これまでの全てが丸く収まる」という意味があります。
これを三回繰り返すのは、一層のありがたみが含まれています。

 

〈三本締め手締め前の挨拶例〉

ここまで一本締め、三本締め、一丁締めを説明してきましたが、実際に手締めを行うときは簡単な挨拶が必要ですね。

会の締めを頼まれる場合、その会の司会や幹事から指名があるのが普通です。その指名を受けて前に出たら、まず簡単な挨拶を行いましょう。
具体的に挨拶のフレーズをお伝えします。

 
・挨拶の流れ

1.自己紹介(「ただいま、ご紹介に預かりました○○です」程度)。
2.会の趣旨に沿った簡単な挨拶。
3.○本締めを行うことの説明。

■手締め前の挨拶スピーチ例その1

「ただいまご指名に預かりました(a.部署名)の(b.名前)と申します。
皆さまの益々のご発展と、ご健康を祈念いたしまして(c.)本締めを行います。ご唱和ください」


a.会社名や肩書など(ごく親しい仲間内なら省略)。
b.自分の名前(仲間内なら「不肖○○が」などといいます)。
c.一本、三本など手締めの種類。

 
■手締め前の挨拶スピーチ例その1

「ご指名に預かりました、(a.部署名)の(b.名前)です。
僭越ながら、(c.)締めにて締めくくらさせていただきます。
皆様ご起立お願い申し上げます。
本日お集まりの皆様のご健康と、我が社のますますの発展を祈念いたしまして、お手を拝借いたします」

まとめ

全国各地には大阪の「手打ち」をはじめ、福岡証券取引所の大発会、大納会でも行われる博多手一本、仙台伊達家の正式な手締めである伊達家戦勝三本締めなどがあります。
神社、消防、業界などでも独特の手締めがあり、実に多様な手締めのスタイルがありますが、今は東京流の早いリズムの手締めが全国標準になっています。

宴会を締めくくるための手締め。
もし自分が任されるかも?と思ったら、事前に練習をしておけば、宴会の席で指名されてもスマートに決められますね。

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