雛人形をしまうのはいつがいいの?
お雛様をしまう時期の意味と由来は?
雛人形の片付けは大安がいいの?
その疑問、解消します!
ひな祭り後すぐに片付ける理由、
雛人形をしまう日を選ぶ時のポイント、
六曜のお日柄の考え方も含めて、
わかりやすくお伝えします。
雛人形をしまうのはいつがいいの?
楽しく過ごした桃の節句、
ひな祭りが終わると、気になるのがお雛様をしまう時期です。
子供の頃、雛人形が大好きで、ずっと飾っておいてほしいと母に頼んだところ、
「いつまでもお雛様を飾っておくと、お嫁に行けなくなるのよ」
と言われ、子供心に何か不吉なことを聞いてしまった感があったのを覚えています(笑)。
大人になった今も、ひな祭りシーズンになると、
「雛人形はしまうのが遅くなると娘の婚期が遅れる」
というのは、あちらこちらで耳にします。
娘のためを思えば早々にしまってあげたいところですが、クリスマスツリーと一緒で、飾り付けは楽しいのですが、片付けるとなると億劫になってしまいがち。
ついつい先延ばしにしたくなりますが、お雛様をしまうのに最適な時期はあるのでしょうか。
雛人形の片付けはいつするべき?
雛人形の片付けはいつするべきか?
基本は桃の節句、3月3日(地域によっては4月)のひな祭りが終わったらすぐに片付けます。
地域によってはひな祭りを3日がかりの祭事とするところもあります。
- 3月2日:宵節句
- 3月3日:本節句
- 3月4日:送り節句
その場合は、3月4日が過ぎてからということになりますね。
一般的にはひな祭りが終わったあと、一週間から10日くらいを目安に片付ける家庭が多いようです。
雛人形の片付けるなら天気の良い日に
実は、片付ける時に最も注意してほしいのはお天気です。
1年に一度しか飾らない雛人形は、お雛様の保存なども考えると、湿気の少ない良く晴れた日にしまうのがベスト。
雛人形の素材には絹(きぬ)を使用していることが多く、この絹は湿度にとても弱い性質を持っています。
雨の日などにしまうと、収納箱に湿気も一緒に閉じ込めてしまうので、カビの原因となってしまいます。
湿気の少ない晴れた日の日中に、時間に余裕を持って丁寧に片付けるのがおすすめです。
お雛様をしまう時期の意味と由来は?
雛人形は、急いで片付けなければならないという決まりはありません。
ですが、『ひな祭りが終わったらすぐに片付ける』ことが良いとされるには理由があります。
もともと雛人形には「身代わり人形」という意味合いもあります。
「雛人形が身代わりになってくれて、我が子に災いがふりかかりませんように」
と言う願いが託され、仲良く寄り添う一対のお雛様には、
「我が子も将来このような幸せが訪れますように」
と祈願し、お飾りをするものになってきたという由来があります。
つまり、雛人形は娘さんの代わりに厄を背負ってくれているのです。
お雛様をいつまでも身近に置いておくと、せっかく雛人形が引き受けてくれた災厄が戻ってきてしまうという考え方があります。
そのため、ひな祭りが終わったら、なるべく早めに雛人形を片付けることが良いとされています。
◇ 雛人形の由来について詳しくはこちら。
・ひな祭り由来と起源に見る桃の節句との違い江戸時代の五節句
一方、「季節を意識する」という考え方もあります。
お天気や仕事など、いろいろな都合で雛人形の片付けが先延ばしになることもあるかと思いますが、ひな祭りは「桃の節句」と呼ばれるように、季節の変わり目を意味する行事でもあります。
『節句』とは、「季節の節目となる日」のことを言います。
季節の変わり目の『節句』という本来の意味で考えると、次の季節が来る前には雛人形を片付けておくという習わしです。
地域によっては「啓蟄(けいちつ)の日」に、お雛様をしまうしきたりがあるところもあります。
啓蟄というのは二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで季節を表す言葉です。
毎年3月6日ごろに訪れる日のことを言います。
啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、
『大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃』
という日。
冬ごもりしていた虫たちが目覚める春の日、ということであれば、この啓蟄の日にお雛様をしまうのも、良いタイミングといえますね。
雛人形をしまうのが遅れると婚期が遅れる?
冒頭でも触れた、
「雛人形はしまうのが遅くなると娘の婚期が遅れる」
というのは迷信とも言われますが、由縁があります。
女の子の健やかな成長を祈る桃の節句が終わってもお雛様を片付けていないということは、
『その家の娘は片付けの手伝いも出来ない』
というように見られるのです。
また、行事が終わったら早々に雛人形をしまうことは、ものを大事にするというふうに捉えられます。
『ものを大事にする習慣が身についていれば、結婚しても良い家庭を築くことができる』
と見られるというわけです。
なので、雛人形をいつまでも出しておくような家庭の娘はなかなか嫁に行けない、とされて、
『雛人形を片付けるのが1日遅れるごとに、婚期が1年遅れる』
とも言われます。
1日遅れて1年じゃ、重い腰を上げてでも片付けなければ、娘に申し訳がたちませんね(笑)。
どうしても、すぐに片付けられない場合は、雛人形を後向きにすると良いという話を聞いたことがあります。
お雛様を後向きにすることで、雛人形たちを『眠っている』状態にすることができるとか。
平飾りならともかく、段飾りの数が多い場合、雛人形をひとつひとつ後ろ向きにする手間を考えると、一気に片付けに入るほうが良いような気もします。
雛人形の片付けは大安がいいの?
雛人形を飾る日もしまう日も「大安(たいあん)」を選ぶケースは多いようです。
大安とは、歴注(暦に記される吉兆や運勢)の中の六曜の一つ。
カレンダーや手帳などに『先勝』『友引』『先負』『仏滅』『大安』『赤口』と記載されているのが六曜です。「大安」は大いに安しという意味で、何をするにも吉となるという、とても運勢が良い日です。
大安でなくても、六曜にはそれぞれ、「吉」とされる時間があります。
六曜は最初に『先勝』、そして『友引』『先負』『仏滅』『大安』、最後に『赤口』といった順番で繰り返される6日間の周期です。
六曜の吉とされる時間帯を選んで、お雛様をしまうのもおすすめです。
ついついお雛様を片付ける日を先延ばしにしまうよりは、あらかじめ『お日柄の良い日』を選んで、エイヤッと片付けるのも良いかもしれませんね。
- 先勝:午前中は凶、午後は吉
- 友引:朝は吉、昼は凶、夕は大吉。ただし葬式を忌む。
- 先負:午前中は凶、午後は吉
- 仏滅:何事も遠慮する日
- 大安:何事においても吉
- 赤口:万事に用いない悪日、ただし法事、正午だけは良い
ちなみに「仏滅」は避けられがちですが、『物滅』として『物が一旦滅び、新たに物事が始まる』とされ、『物事を始めるには大安よりも良い日』という解釈もあります。
なので、仏滅は
「雛人形の片付けを始めるには良い日」
という捉え方もできますね。
六曜は6日周期で回ってくるものです。
大安だから良くて仏滅だからダメ、とこだわらずに、自分の都合の良い日を選ぶ方が、気持ち的にも余裕をもって片付けられます。
お雛様を出して飾る時はお日柄も考慮した方が気分がいいですが、片付ける時は、天候と時間に余裕がある日を優先にするほうが良いですね。
雛人形をしまう時期に最適な日はいつ?お雛様の片付けは大安がいい?まとめ
お雛様は、ひな祭りが終わったら出来るだけ早く片付けます。
一般的にはひな祭りが終わったあと、一週間から10日くらいを目安に雛人形を片付ける家庭が多いようです。
啓蟄や大安の日を選んで片付けるケースもありますが、他の六曜にも吉とされる日はあります。
ですが、片付ける時はお日柄よりも、天候を第一に考えるのがポイント。
雨の日などにお雛様をしまうと、収納箱に湿気も一緒に閉じ込めてしまうので、カビの原因となってしまいます。
1年に一度しか飾らない雛人形、湿気の少ない晴れた日の日中に、時間に余裕を持って丁寧に片付けるのがおすすめです。
来年もまた、楽しいひな祭りが迎えられるように、天気の良い日に心を込めてお雛様をしまえるといいですね。
◇ 雛人形をしまう前の注意事項はこちらをご参考に。
・雛人形の片付け方しまう前の注意点としまい方の手順 お雛様の収納方法
◇ 記事中でご紹介した関連記事
・ひな祭り由来と起源に見る桃の節句との違い江戸時代の五節句