お正月おせちの黒豆といる赤いやつチョロギ!名前の由来と効能、意外な花言葉とレシピをご紹介。脳を活性化する漢方薬チョロギ。フランス料理ではなぜか日本を意味するチョロギ、薬効たっぷり美味しさいっぱい可愛いチョロギをもっと身近な食材にしよう!
おせち黒豆の赤いやつチョロギとは何なの由来
チョロギ。
聞いただけで「あー!アレねっ」とわかりますか?
おせち料理の黒豆に入っている赤いアレ。
巻き貝のような形をした酸っぱいヤツです。
というと、「何それ?」という声も。
どうやらおせち料理に入っている家と、入らない家があるようです。
子供の頃から、おせちに入ってるチョロギが大好きで家族の分まで食べてました。
食感もさることながら、形状というかルックスに魅せられてチョロギ愛は高まるばかり。
我が家ではチョロギはおせちにかかせませんし、お正月以外でも食します。
さて、このチョロギ、古くから伝わる薬膳食材だということを大人になってから知ったのでした。
〈チョロギとは何ぞ?言葉の意味〉
普段食べるチョロギは、シソ科の多年草の植物の根にできる「塊茎」と呼ばれる部分です。
巻き貝にも似たユニークなルックスがここに出来るんですね。
中国が原産で、日本には江戸時代に伝わってきました。
おせち入っているのは梅酢や着色料で赤く色付けされたもので、本来は白色をしています。
チョロギの漢字表記はたくさんあります。
その形が石蚕(いさご)というトビケラ類の幼虫のお腹を連想させることから、漢字では「草石蚕」と書かれたり、音から「丁呂木」「丁梠木」と書かれたりもします。
お祝い事の際に食べる場合には、縁起をかついで「長老木」「長老喜」「長老貴」「千代呂木」などと書かれることもあります。
お品書きなどでは「長老喜」を当てているのをよく見ます。
〈チョロギの由来と効能〉
チョロギという名前自体は、原産地中国の「朝露葱」を日本語読みにしたものではないかと言われていますが、韓国語で「ミミズ」の意味だった「チョロイン」だという説も。
ミ、ミミズって。。。
チョロギは中国では昔からよく食べられている食材で、長寿に効果があるといわれています。
中国漢方の世界では、強壮作用・鎮咳作用にも効果が有るとされています。
また、チョロギには脳細胞を活発にする成分が含まれているので痴呆の予防や脳梗塞の予防になるということで古くから漢方薬として重宝されてきました。
一方、チョレギにはオリゴ糖が多く含まれているため、腸内の善玉菌を増やす働きもあります。
お正月の食べすぎ、飲みすぎにはピッタリです。
ボケ防止&お腹に良い、であればますます食べたくなるところですが、チョレギは身体を冷やすとも言われています。
ほどほどに、というところですね。
チョロギ地域と花言葉とフランス料理
チョロギは我が家ではおせちの定番でしたが、大人になってお正月シーズンにチョロギが話題になると、
「見たことあるけど、うちのおせちに入っていなかった」
「全く知らない」
などなどチョロギ好きの私としては意外なお話になりました。
日本では東北地方を中心に栽培されています。
京都など西の各地でも栽培されているようなので、チョロギがおせちに入っているかどうかは、地域性というよりはそのおうちがチョロギを知っているかいないかの違いなのかもしれません。
〈チョロギの花〉
チョロギは春に植え付けをして、 晩秋、上の葉が枯れてきた頃に収穫します。
姿形はほかのシソ科植物と似ていて、草丈は50~60センチ。
夏から初秋にかけて開花します。
薄い赤紫色、薄い青ピンク、というか淡い紅紫といった感じの花が咲きます。
可憐な花の色とは裏腹に暑さに強く、寒さにも強い植物です。
チョロギを食用にするには、晩秋の11月頃。
上の葉が枯れてきた頃に収穫します。
チョロギは観賞用のハーブとしても栽培されています。
シンプルで可憐な花が可愛いのはもちろんですがタフなので扱いやすいです。
畑がなくても、大きめのプランターで育てることができますよ。
苗(種芋)はネット通販でも販売されています。
〈チョロギの花言葉とフランス料理〉
チョロギの花言葉は「楽しい人生」「驚き」。
「長老喜」で「楽しい人生」、なんて可愛いヤツ、チョロギ。
ちなみに英名はチャイニーズ・アンティチョーク(Chinese artichoke) 。
チョロギは中国からヨーロッパにも伝わり、フランスでも食用で使われています。
“フランスでjaponaise(ジャポネーズ、日本風)と名前に付く料理には、なぜか必ず付け合せにチョロギを盛り付ける”(ウイキペディア/チョロギ)とありますが、、日仏料理協会サイトの『フランス食の辞典』によると、japonaise(ジャポネーズ/日本風)は、主にチョロギを使った料理を示す用語なのだとか。
どこでどうなってチョロギが日本とリンクしたのかはわかりませんでしたが、もしかしたらチョロギのあの不可思議なルックスが不思議の国ニッポンを連想させたのかも。
フランスのみならず、欧州ではチョロギは中華食材ではなく、日本の食材というイメージが広くいきわたっていると聞いたこともあります。
チョロギ基本の塩漬けとチョロギのレシピ
秋が終わる頃、収穫されるチョロギ。
見かけたら是非、購入してみてください。
チョロギは塩漬けをしておくととても使い勝手の良い保存食になります。
多めに買えるようなら、塩漬けをお勧めします。
ひとつひとつ丁寧に洗い、アク抜きをして料理に使います。
火を入れなければゆり根に似たシャキシャキした食感、火を入れるとホクホクした食感を楽しめますよ。
【チョロギ基本の塩漬け】
・チョロギを綺麗に洗う。
・溝に詰まった泥は楊枝などで洗い落とし水にさらしてアクを抜く。
・塩をふり2~3日ほど漬け込む。
※すぐ使う場合は7%で2~3日塩漬したものを3時間で塩抜きして使用する。
※長期保存の場合は15~20%で塩漬したものを1昼夜塩抜きして使用する。
基本の塩漬けが出来上がったら、早速梅酢漬けにトライしてみましょう。
とても簡単です。
砂糖などの甘味料を使わないほうがキレイに仕上がります。
〈チョロギの梅酢漬け〉
■材料
・チョロギの塩漬け 好きなだけ。
・梅酢(しそ梅酢) 適量
1.塩漬けしたチョロギをサッと洗い、水に2~3時間ほど晒し塩分を抜く。
2.チョロギの水気を拭き取り、梅酢(しそ梅酢)の煮汁に漬ける。
※砂糖などの甘味料や、だし類を加えると味に透明感がなくなる。
※漬け容器は密閉できるビニール袋を使うと梅酢の量が少なくて済む。
※重しはしなくてもよい(チョロギの形が崩れる)。
※赤色をきれいに出したいときは、ビーツの煮汁を加え着色する。
3.気がついた時に混ぜたり位置を変えて2~3日で完成。
保存にも便利なチョロギの塩漬けですが、切らしている時や面倒な時もあります。
そんな時に下漬け(塩漬け)入らずで仕込める簡単味噌漬けをご紹介します。
手軽にできて塩加減や甘みも加減できるので重宝しますよ。
箸休めにもなりますね。
〈チョロギのみそ漬け/下漬け(塩漬け)不要〉
■材料
・チョロギ200g
・味噌大さじ 3
・みりん大さじ 1
・鷹の爪 1~2本
1.チョロギを綺麗に洗う。
2.密閉できるビニール袋に全ての調味料を加えて良く揉み混ぜる。
※調味料はお好みによって加減してください。
※ヨーグルトがあれば、大さじ1くらい加えると味にコクがでます。
3.調味料にチョロギを加え冷蔵庫に入れる。
4.1週間ほどしたら食べごろ。
チョロギの梅酢漬けと味噌漬けをご紹介しました。
この漬かったチョロギをお好みの厚さにカットして、炒め物の具材にするとアクセントになって美味しいのです。
スパゲティや焼きそばの具材に使うのもいいですよ。
では、漬かったチョロギで出来る簡単サラダをご紹介しますね。
〈チョロギの簡単サラダ〉
大根や水菜をメインに、三つ葉や玉ねぎ、せりなど冷蔵庫にあるものなんでもOK。
ボリュームをアップしたいときはツナ缶を加えてください。
仕上げに細かく刻んだチョロギを散らせばできあがりです。
ドレッシングの相性は和風か中華風が合います。
大人は和風ならワサビ、中華風なら辛子かマスタードを添えるとアクセントになりますよ。
■材料(4人分くらい)
・大根 20cmくらいを
・水菜 好きなだけ
・三つ葉、玉ねぎ、ツナ缶 あれば。
・ゆずやレモン あれば。
・ちょろぎ 適量
〈チョロギのレシピ他には?〉
生のチョロギを一番簡単に食べるなら、素揚げがおすすめです。
ホクホク&シャキシャキ、塩をふるだけで立派なおつまみに。
塩以外にも、カレー粉やコンソメをまぶしてもgood。
■材料
・ちょろぎ 適量
・揚げ油 適宜
・塩(カレー粉やコンソメ)
そのほかの調理法としては、天ぷらも人気です。
ユリ根のようにホクホクとした食感と衣がマッチしてとてもおいしいです。
我が家では串かつも人気です。
肉や魚介の間に挟みます。
酢漬け・炒め物・揚げ物とチョロギ料理のレパートリーは無限ですね。
どんどん料理に取り入れてみると、とてもおせちの黒豆と共にいるチョロギとは思えなくなりますよ。
まとめ
お正月以外の時期に見かける事はあまりないチョロギ。
一般的にはまだまだ、おせちの印象が強いですね。
フランス料理では、チョロギをサラダの素材や料理の付け合わせに使ったり、クリーム煮やバターソテーなど、日本よりも遥かに活用されています。
チョロギの料理法、自由な視点で考えると身近な常備菜として楽しめる可能性がいっぱい。
大好きな可愛いチョロギが広まっていくこと、心から願っています!