初詣や年始挨拶で着物を着るなら何を選べばいいの?
着物初心者がお正月に着るべき着物の種類や色は?
その疑問、解消します!
知っておきたい着物の格、
着付け道具と小物のチェックリスト、
初詣に着物を着るときの注意点も含めて、
わかりやすくお伝えします。
新年の初詣に着物で行くなら種類と色は?
母と祖母が大の着物好きで着物が身近な家で育ちました。
ですが、
若い頃は着物の着付けが面倒くさくて、
あまり袖を通す機会はないまま。
ところが、30代のあるお正月のこと。
初詣で素敵な小紋を着た同世代の女性を見かけ、
「あんな風に着物を着こなしたい!」
と思ったのがキッカケで着物にドップリはまりました。
実家には着物がたくさんあったので、
自分で買うというのはずっとあとのことでしたが、
着物には着物を着るとわかる、着物ならではの良さがあります。
着物には色々な種類があり、TPO(ティーピーオー)に合わせて種類を選びます。
TPOに合わせて着物を選ぶのは、馴染みがないと難しいですよね。
ちなみに、TPOとは
・Time(時間)
・Place(場所)
・Occasion(場合)
の頭文字をとったもので、
「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」
を意味する和製英語です。
着物は素材や柄ゆき、そして紋の数などでTPOが変わります。
まずは、素材である生地と、その仕立てを押さえておきましょう。
着物の生地と仕立て
着物は季節によって生地の素材や仕立て方が異なります。
■ 10~5月
袷(あわせ):裏地をつけて仕立てた着物
■ 6月と9月
単衣(ひとえ):裏地をつけずに仕立てた着物
■ 7月~8月
薄物(うすもの):透ける素材で盛夏に着る着物/薄い夏物や浴衣
今は昔に比べて空調設備が発達し、あまり「決まりごと」に拘らなくても良いようになりました。
袷にするのか、単衣にするのか、薄物にするのか。
たとえば、洋服で夏の盛りにタートルネックのセーターは暑いし、おかしいですよね。
昔の「決まりごと」にとらわれず、気候にあったものを洋服感覚で選択して、自由に着るのが良いと思います。
今回はお正月の着物。
寒い季節の真っ只中なので、裏地のついた着物「袷(あわせ)」です。
お正月に合う着物の柄と色合い
四季の風情を味わえるのが着物の醍醐味のひとつです。
季節に応じて着物の柄と色合いを変えるのも楽しんでほしいところです。
お正月に着る着物の色は、暖色系がおすすめです。
温かみのある色で冬の寒さを忘れさせてくれるような、
- オレンジ
- ローズカラー
- アイボリー
- 濃茶
- スカーレット
などです。
新年にふさわしく華やかで温かみのある色合いです。
柄は、新春を喜ぶような、
- 梅
- 椿
- 水仙
などが合いますよ。
初詣の着物の格は?
着物の「格」って聞いたことありますか?
この「格」っていうのが、着物のハードルを上げている原因のひとつでもあるんですが、
基本の決まりごとでもあるので簡単にお伝えしますね。
「格」とは、着物のフォーマル度のこと。
格が高い着物はフォーマルな席(結婚式や式事)で着るというイメージです。
フォーマル度が高い順に、正装・礼装・おしゃれ着・普段着といった格づけがあります。
振り袖
振り袖と聞くと、
「袖の長い着物で、振袖は未婚女性が着るもの」
というのが一般的なイメージですよね。
このあたりは常識的に知られているところです。
成人式で振袖を着る人が多いので、
今どきの女性にとっては振袖が1番身近な着物かもしれません。
振袖は未婚女性の第一礼装という位置づけです。
つまり、未婚の女性が着る和装の中で一番格の高い装いということ。
成人式や披露宴などで着るフォーマルな和装の振り袖は、着物の中でも最も華やかな印象がありますね。
振袖は「着付け」が必要なので、ドレスより手間ひまがかかります。
その分、着ていくことでお祝いの気持ちを最大限に表せることもあり、参列者や同行者にも喜ばれます。
ちなみに、振り袖はその名の通り「袖を振る」ことに由来しており、他の着物と比べて袖の長いのが特徴です。
昔の人はこの袖を使って、相手への自分の気持ちを伝えていたそうです。
「彼をフる」
「彼女にフられた」
という「振った・振られた」という言葉は、この振袖に由来しています。
ここで未婚と既婚という区別がある着物が出てきました。
振り袖が未婚女性のフォーマルなら「黒留袖」は既婚女性のフォーマルです。
留め袖
留め袖には黒留袖と色留袖があり、黒留袖の方がより正式です。
「黒留袖」は既婚女性、ミセスの礼装。
「色留袖」は、披露宴からディナーパーティーまで幅広く活用され、未婚女性も着られます。
お茶会や入学式や七五三などで、未婚・既婚に関係なく着ることのできる訪問着としても一般的です。
留め袖はカジュアルな場でも着こなせるところが魅力です。
小紋
小紋は外出時に気軽に着ることができる、洋服で言うとワンピースといった感じです。
結婚式や改まった席以外ならカジュアル着として普段着にも街着にもなり、多くのシーンで活躍します。
お稽古や観劇、同窓会や友人との食事会などいろんなシーンで楽しめます。
ちょっとしたパーティやおでかけに気軽に着て行ける着物ですので、1枚あるととっても便利。
全体に繰り返し模様が入っている着物で、デザインや色彩のバリエーションもたくさんあります。
コーディネートの自由さも魅力のひとつで、最近では小紋を普段から楽しむ女性も増えています。
新年の初詣の着物は何を着ていけばいい?
振り袖に留め袖、小紋と、種類が豊富で悩んでしまいますね。
「新しい年のスタートは華やかにしたい!」
「お正月ムードを盛り上げたい!」
なら迷わず振袖や色留袖のフォーマルな着物に挑戦してみては?
電車の移動があったり、混雑が予想される場所へ行くような場合は、
小紋のように動きやすい着物をおすすめします。
初詣に小紋はふさわしいのかどうかと悩む人もいるようですが、
小紋は全く問題ありません。
実際、初詣に行くと小紋を着ている人もたくさんいます。
初詣は参拝に行列したり、
行き帰りにお茶や外食したりなどすることも多いので、
小回りの効く小紋を選ぶ人が多いようです。
着物に必要な小物は?
着物を着る機会が少ないと、着物に必要な小物まで気がまわらないこともあります。
着物に必要な小物をお伝えしておきますね。
レンタルを利用するときも、柄や色だけでなく、小物もチェックしておきましょう。
着付け当日に「アレが足りない!」とならないために、チェック形式にしておきました。
着付けに必要な道具と小物チェックリスト
□ 肌着
いちばん下に着る下着。
□ 長襦袢(ながじゅばん)
肌着と着物のあいだに着る下着のようなもの。
着物を着せやすく、保温などの効果がある。
□ 腰紐(こしひも)
着くずれを防ぐために腰に締める下締めの紐。
4~5本あると安心です。
□ 伊達締め(だてじめ)
腰紐の上に締め、長襦袢と着物に1本ずつ使用。
計2本。
□ 帯板(おびいた)
帯を締めていく際に間に入れる。
シワを防ぎ帯を美しくみせる重要なアイテム。
□ コーリンベルト
衿元をきれいに仕上げるために、あると便利な小物。
□ 帯枕
帯結びのデザインをつくるさいの土台。
形を整える重要なアイテム。
□ 帯揚げ(おびあげ)
帯枕を包み、帯に固定するために用いる。
□ 帯締め(おびじめ)
装飾を兼ねて、帯の上に締める紐。
初詣に着物を着るときの注意点は?
今年の初詣は小紋に椿柄の名古屋帯で行きました。
私の経験からいうと、初詣なら礼装でのぞまなくてもいいと思います。
ただ上述のように、新年のスタートを華やかにしたい場合や、
お正月気分を盛り上げるのであれば話は別。
振り袖や留め袖が良いですね。
1月は寒いです。
特に着物は襟ぐりが開くので防寒対策に気をつけてくださいね。
帯付き(着物と帯だけ)ではマジに寒いので、道行やコートを用意しましょう。
私は襟ぐりの広いばばシャツと、足元の防寒対策にレッグウォーマーを愛用しています。
寒さによっては厚めの腹巻きもします。
中で着込んでも着物は洋服に比べるとほとんど目立ちません^^
下着も防寒用にネルの肌着、暖かい足袋などが売られています。
こちらはポカポカと暖めてくれる発熱素材を使ったインナーです。
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新年初詣の着物の種類と色で失敗しない選び方!小紋はどうなの? まとめ
着物は「着てみたい」思ったときが着時、着る時です。
新しい年の始まりは季節感を取り入れて、
明るい色を着物の色柄や帯に取り入れるのがポイント。
そして、着物を着るときに大事なのは、
周りとの調和がとれているか、
そして自分が自信を持って着られるかどうか。
「その日の自分には何がフイットするのかな?」
行き先の雰囲気や同行者の様子も考えあわせて、
笑顔で初詣に出かけてくださいね。
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