スルメとアタリメ、違いは?スルメの意味、アタリメとは?縁起がよくて美味しいスルメ・アタリメの戻し方と人気レシピもご紹介。お正月のお供えや結納品、おやつに酒の肴、戻せば食材の一品と大活躍のスルメ・アタリメは高タンパク低カロリー、糖質ダイエットにも最適!
お正月にスルメをお供えする意味とは
子供の頃、お正月の鏡餅に、スルメを飾っているのを見て不思議に思っていました。
大人になると、スルメが結納品のお品としても使われることを知り、なんとなく、
「スルメって縁起が良いものなんだな」
と思っていたところ。
この夏、いただきものでスルメの美味しさにハマってしまい、すっかりスルメフリークになりました。
美味しい上に縁起が良いなら言うことなしじゃないかと、スルメについてアレコレ調べてみましたよ。
〈お正月のスルメ鏡餅との関係〉
子供の頃、実家ではお正月の鏡餅にスルメを敷いていました。
今は橙(もしくはみかん)をのせるだけの簡略化したものにしていますが、地方によってはスルメを餅と餅の間に挟むところもあるようです。
スルメは日持ちが良いことから、
「良いことが続く」
「幸せがずっと続く」
という、末永く続く幸せを願う意味があります。
また、昔はお金のことを「お足」といったことから、足が沢山あるスルメは縁起物とされていました。
〈結納の縁起物スルメ〉
するめは「寿留女」とも書き、長寿・良縁・良妻を表すのだとか。
女性の健康や、子だくさんを願う象徴でもあるんですね。
噛めば噛むほど味がでるスルメは、
「味のある仲のいい夫婦になって欲しい」
という気持ちの表れとして結納品の一つになっています。
また、保存がきくことから、
「深いご縁が幾久しく続きますように」
との思いも込められているんですよ。
スルメとアタリメは縁起担ぎ
スルメ好きが高じてイカをいろいろ調べてみると、なんとイカの種類は全世界で500種、日本近海で約130種が生息していました。
アオリイカ、コウイカ、ヤリイカ、ケンサキイカ、ホタルイカくらいまではあげられるけど凄い数の種類ですね。
日本は全生産量の6割を消費しており当然世界第一位。マグロ、エビと並んで最重要水産資源になっています。
〈スルメとは〉
スルメっていうのはイカの内臓を取り除いて素干しや機械乾燥などで乾燥させた加工食品のことです。
スルメイカで作ったものだけではなく、ヤリイカ、ケンサキイカを使ってもスルメと呼びます。
スルメは干したイカの総称になっているんですね。
乾物のスルメは古くから日本のみならず、朝鮮半島、中国南部および東南アジアにおいて用いられている保存食です。
この頃はスーパーでスルメを買おうとして、
「あ、安いな」
と手に取ると国産じゃないことがあります。
ベトナムやタイからの輸入品も増加しているようです。
〈スルメことアタリメはおやつにうってつけ〉
肴は炙ったイカで良い。
さっとあぶってお酒のおつまみに食べることが多いアタリメ。
栄養成分はほとんどタンパク質で、脂質も炭水化物もあまり含まれていません。
ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富で、間食がやめられない人にはうってつけのおやつです。
一見、固くて消化が悪そうですが、実は消化率は90%と、とても消化の良い食品なんですよ。
何度も噛まなくてはならないスルメ・アタリメ。
それが脳の刺激になったり顎を鍛えたりと、健康にもよい効果をもたらすと言われています。
〈スルメとアタリメはどう違う〉
スルメってアタリメとも呼ばれますよね。
割いたものがアタリメだとか、炙ったものがアタリメだとか思っている人も多いようですが、
スルメとアタリメはまったく同じものです。
日本には「忌み言葉」といって、縁起が悪い言葉の場合に言い換える習慣があります。
縁起をかついで、使うのを避ける言葉のことです。
商売繁昌を願う商家や興行界では、「スルメ」の「スル」が財産をすり減らす・使い果たす意味の「する」に結びつくため縁起が良くないと嫌いました。
スルメの「スル」が「無くす」ことに通ずると考えたんですね。
そこで、江戸時代中期頃から、スルメの「スル」という部分を縁起の良い「当る」(「芝居が大当たりする」等)に言い換えて「アタリメ」と呼ぶようになったといわれています。
ちなみに、同様の言葉に「すり鉢」があります。
こちらも「する」を嫌って「あたり鉢」と言ったりします。
〈スルメアタリメ縁起物〉
スルメが縁起物であるとする理由は諸説有ります。
室町時代の頃、お金を「お足」といいました。
このことから、足の多いスルメは縁起が良いとする説もあります。
上述したように、スルメが日持ちの良い食品であることから「末永く幸せが続く」という説もありますし、どちらにしてもスルメは縁起物なわけですね。
スルメことアタリメのカロリーとレシピ
スルメことアタリメの栄養価はとても優れものです。
■アタリメ100gあたりの栄養価
・エネルギー 334kcal
・タンパク質 69.2g
・脂質 4.3g
・カリウム 1100mg
・カルシウム 43㎎
・マグネシウム 170㎎
・亜鉛 5.4 mg
・ビタミンB6 3.3㎎
・ビタミンB12 12.3μg
・銅 0.99 mg
・タウリン 933 mg
ビタミンB群やビタミンE、ミネラル含有量も高いですね。
中でもビタミンB6はタンパク質により吸収率が良くなるため、ビタミン6を効率よく摂取できる食品とも言えます。
栄養ドリンクなどで最近話題のタウリンは、身体の細胞を正常な状態に保つ作用があるとされています。
ところで、スルメはそのまま食べる他にも、昔から煮物に用いる、昆布や数の子などと一緒に漬け込む松前漬けなどの料理方法があります。
スルメにハマリ、ひたすらスルメを食べ続けた恩恵でしょうか、ある時、スルメを食べやすくする裏技を見つけました!
一枚もの(一杯)でなければ使えない裏技ですが、ご紹介しますね。
〈スルメを食べやすくする裏技〉
スルメを割くとき、「縦」に割くのです。
これだけのことですが、だいぶソフトに感じられますよ。
市販のカットされているものは「横」に割かれていますからその逆です。
縦は割きにくいのでキッチンバサミを使います。
炙って食べる場合は炙ってからカットします。
スルメの胴体を耳を上にしてキッチンバサミで縦にハサミを入れていきます。
短冊のようなイメージで1センチ幅くらいでカットします。
あとはそれをお好みの長さで横にカットします。
そうすると、ポキッポキッと簡単に折れて食べやすくなります。
これはイカの筋繊維が横方向に走っているから。
横に割けば手でも割きやすいのですが、繊維がつながってしまいます。
なので、よく噛まないと飲み込めなくなるのです。
縦だと割きにくいですが(キッチンバサミを使うと簡単)、繊維が寸断されるため、あまり噛まずとも飲み込みやすくなるというわけです。
歯の弱い方にもおすすめです。
是非、試してみてください。
〈スルメの戻し方〉
乾燥食材のスルメですから、乾燥シイタケのように水で戻してから料理に使うことができます。
中国では、かんすいを溶かした水にひと晩つけるそうですが、重曹で代用できます。
重曹を溶かした水にスルメを漬けておくとアルカリ分がスルメのたんぱく質を軟らかくし、生のイカのように復元するんです。
ただ浸すだけなので、とても簡単ですよ。
■材料
・重曹 大さじ1
・水 1リットル
・スルメイカ
○大さじ1杯の重曹を1リットルの水に溶かしたものの中にスルメを浸す。
漬ける時間はお好みですが、数時間から一晩で戻ります。
スルメの乾燥具合や温度にもよりますが、身が薄めのものであれば5~6時間で生のイカのようにプリプリ。
※お湯だと旨味が逃げます。必ず水を使いましょう。
※戻した水は苦くなるのでだし汁には使えません。
では、戻したスルメを使った我が家の人気レシピをご紹介しますね。
〈戻したスルメのレシピ/バター醤油炒め〉
■材料
・スルメイカ・・1~2杯
・バター・・10~20g
・醤油・・適量
・コショウ・・適量
絶対おいしい鉄板メニューです。
バターは焦げるので中火で炒めるのがコツ。
醤油は仕上げに加えます。
〈戻したスルメのレシピ/ふっくらスルメの浸け焼き〉
■ 材料(漬け汁は作りやすい分量の目安です)
・スルメイカ・・1~2杯
・しょうゆ・・50cc
・みりん・・50cc
・酒・・50cc
・生姜(すりおろす)・・適量
蓋のある容器、もしくは密閉できるビニールに調味液を作り、戻したスルメを浸す。
半日ほど置く。
魚焼きグリル、フライパン、オーブントースターなどで焼く。
マヨ+七味(あるいは一味)を付けて食すと美味!
〈戻したスルメのレシピ/スルメと小松菜のバジル炒め〉
■材料
・スルメイカ・・1~2杯
・小松菜・・1束(250g)
・ニンニク(薄切りでもみじん切りでも)・・1かけ
・オリーブオイルかサラダ油・・適量
・オイスターソース・・大さじ1
・乾燥バジル・・小さじ1~1.5
・塩・・適量
ただ炒めるだけですが、イカとバジルの相性が抜群です。
以上3点、お酒のアテにもなるようなレシピを紹介しました。
戻したスルメは火を入れて普通のイカと同じように使います。
ゆがいてサラダに入れたり、揚げ物にしたり、とても便利な食材になりますよ。
まとめ
縁起もののスルメことアタリメはタウリンが豊富に含まれ高タンパク低エネルギー。
良質のタンパク源です。
低カロリーの上に胃の中でふくれますので腹持ちもよく、ダイエット志向の現代人には最適な食材です。
栄養豊富で健康にもよいアタリメ、工夫次第で立派な食材になりますよ。
ハッピーに当たるようにもっと食べましょう!