日焼け止めのノンケミカルの意味は?
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤はどう違うの?
それぞれのメリットとデメリットは?
成分の違い、
日常やレジャーなど使用目的による使い分け方、
見落としがちなノンケミカルの注意点も含めて、わかりやすくお伝えします。
日焼け止めのノンケミカルの意味は?
紫外線対策に日焼け止めは欠かせないアイテムのひとつですね。
日焼け止めを選ぶ時、パッケージを見るといろんな情報が記載されています。
- SPF50+
- ウオータープルーフ
- 敏感肌用
などといった記載の他に、
- 「紫外線吸収剤不使用」
- 「ノンケミカル」
- 「ケミカルフリー」
- 「紫外線吸収剤フリー」
といった表記があるのを目にします。
日焼け止めの紫外線吸収剤不使用ノンケミカルとは?
日焼け止めで言う「紫外線吸収剤不使用」・「ノンケミカル」・「ケミカルフリー」・「紫外線吸収剤フリー」は、いずれも同じ意味で、『紫外線散乱剤』の成分だけを使ったもののことを指します。
紫外線をカットする日焼け止めの成分は、大きく分けて2種類あります。
- 紫外線散乱剤を使ったもの
- 紫外線吸収剤を使ったもの
ケミカルというのは、英語で「化学」の意味です。
ケミカル処方は、化学反応を起こす成分のことを示しています。
日焼け止めに当てはめると、成分に『紫外線吸収剤』を使用しているものということになります。
日焼け止めの紫外線吸収剤とは?
紫外線吸収剤は、紫外線を化学的にエネルギーに変えて放出することで、紫外線が肌の内部に侵入するのを防ぐものです。
皮膚の表面で紫外線エネルギーを吸収して、『化学反応』を起こすことで、熱や赤外線に変えて、体外へ放出させるのです。
簡単に言うと、紫外線吸収剤を使った日焼け止めは、
「化学反応で紫外線ダメージを防いでいる」
ということになります。
なので、紫外線防御力の高い、高SPF値の製品には必ず必要となる成分です。
日焼け止めの紫外線吸収剤の成分は?
日焼け止めの紫外線吸収剤の代表的な成分には以下のようなものがあります。
- ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
- メトキシケイヒ酸オクチル
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
- オクチルトリアゾン
- パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
日焼け止めの紫外線吸収剤のメリットは?
紫外線吸収剤の最大のメリットは、紫外線を防ぐ力が強いということ。
また、無色透明の紫外線吸収剤は、どんな製品にも配合しやすいのが特徴です。
白浮きすることもなく、塗り心地もなめらかで、着け心地も良いのも紫外線吸収剤のメリットとなります。
一般的に、紫外線吸収剤の日焼け止めは、ノンケミカルに比べると、汗で流れにくいのも特徴です。
日焼け止めの紫外線吸収剤のデメリットは?
敏感肌の人が紫外線吸収剤入りの日焼け止めを使用すると、肌荒れなどのダメージを受けることがあります。
紫外線吸収剤は、化学反応によって、紫外線を放出させる仕組みです。
防御力が高い分、この化学反応が肌にとって負担になるのも事実です。
紫外線吸収剤は有機化合物であるため、人によっては刺激を感じることがあるのです。
敏感肌の場合、痒みや肌のピリピリを感じることもあります。
紫外線吸収剤が化学変化で別の物質になったときの安全性や、環境への影響を懸念する考え方もあります。
また、化学反応で紫外線を放出させる仕組み上、化学変化が起こるにつれて紫外線吸収剤の分子が壊れるため、紫外線を防ぐ力が弱くなります。
そのため、紫外線吸収剤入の日焼け止めは、こまめに塗り直す必要があります。
日焼け止めのノンケミカル紫外線散乱剤とは?
日焼け止めのパッケージに記載されているノンケミカルは、紫外線散乱剤を使用しているものでしたね。
紫外線散乱剤は、文字通り、肌の表面で、紫外線を散乱・反射させるものです。
紫外線を跳ね返すことで、紫外線が肌に当たるのを防ぐ仕組みです。
日焼け止めの紫外線散乱剤の成分は?
日焼け止めの紫外線吸収剤の代表的な成分には以下のようなものがあります。
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛
- マイカ
他にもありますが、一般的によく使われている代表的なものを取り上げました。
日焼け止めの紫外線散乱剤のメリットは?
紫外線散乱剤の一番のメリットはノンケミカルであること。
化学反応を起こす成分の有機化合物ではないので、肌への負担が少ないことにあります。
紫外線散乱剤を含む粒子が肌をコーティングして、紫外線を跳ね返してくれるため、敏感肌にとっては、やさしい使用感となります。
日焼け止めの紫外線散乱剤のデメリットは?
一般的な紫外線散乱剤のデメリットは、使用感の悪さです。
白浮きやベタベタがあり、紫外線吸収剤に比べると、つけ心地がよくありません。
最近は、紫外線散乱剤の粒子をナノ化することで白浮きを改善した商品も出てきていますが、その一方で、粒子のサイズが小さくなったことによる人体への影響はまだ不透明です。
また、前述の紫外線散乱剤の成分である酸化チタンや酸化亜鉛は、光触媒作用があります。
光触媒作用というのは、紫外線が当たることで活性酸素が発生し、菌や有機物を分解する化学変化のことです。
そのため、光触媒作用が、肌への刺激を及ぼす場合があるともいわれています。
紫外線吸収剤の日焼け止めに比べると、汗で流れやすいのも特徴です。
そのため、水に濡れるような場所、海やプールでのレジャー、汗をかくようなスポーツには不向きです。
■ 紫外線散乱剤の注意点
ノンケミカルは、あくまで化学反応を起こす成分が入っていないことを指します。
商品パッケージや商品本体を見ると、確かに紫外線吸収剤は使用していないものの、石油系界面活性剤などの添加物が配合されていることも多くあります。
石油系界面活性剤は、油分と水分を中和させるために必要な成分ですが、安全性に気を配る考え方から、界面活性剤を嫌う人も少なくありません。
他にも、防腐剤のパラベンや、人工香料、人工着色料、アルコールなどが肌に刺激を与えることもあります。
低刺激だからとノンケミカルの日焼け止めを選んでいても、このような成分が多く配合されていると、低刺激とは言えない側面もあるので注意が必要ですね。
こちらは、全成分天然由来のノンケミカルタイプ。
酸化チタンと酸化亜鉛はコーティングされている上、白浮きもべたつきもないので、ふだんの化粧下地にもおすすめです。
日焼け止めには紫外線吸収剤と紫外線散乱剤はどちらがいいの?
一般的には、日焼けをしっかり防止したい場合は、紫外線吸収剤配合のものを、肌への負担を軽くしたい場合は紫外線散乱剤配合のものを使用するとよいとされています。
- 日焼けをしっかり防止したい:紫外線吸収剤配合の日焼け止め
- 日焼け止めの肌負担を軽くしたい:紫外線散乱剤配合の日焼け止め
海や山、屋外でのレジャーシーンでは紫外線吸収剤配合の日焼け止め、日常使いならノンケミカルタイプの紫外線散乱剤配合の日焼け止め、というように、目的に合わせて日焼け止めを使い分けるのもおすすめです。
最近では研究が進み、日焼け止めのテクノロジーも発達しています。
紫外線吸収剤をマイクロカプセルで包み込むことで、紫外線吸収剤が肌に触れないようになっている安全性の高い商品が開発されています。
肌への負担が大きく、敏感肌の人には向かないと言われていた紫外線吸収剤も、直接肌に触れさせないで、紫外線をカットできるようになったのです。
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日焼け止めの紫外線吸収剤と紫外線散乱剤ノンケミカルの意味と違いは?まとめ
日焼け止めで言う「紫外線吸収剤不使用」・「ノンケミカル」・「ケミカルフリー」・「紫外線吸収剤フリー」は、いずれも同じ意味で、『紫外線散乱剤』の成分だけを使ったもののことを指します。
紫外線散乱剤は、紫外線を跳ね返すことで、紫外線が肌に当たるのを防ぐ仕組みになっています。
『紫外線吸収剤』は、紫外線を化学的にエネルギーに変えて放出することで、紫外線が肌の内部に侵入するのを防ぐものです。
紫外線散乱剤と紫外線吸収剤にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
肌質は十人十色、人それぞれです。
また、昨年と今年では、肌環境が変わったりもします。
そのため、ノンケミカルで肌荒れする場合もあれば、普通の日焼け止めで全く平気な場合もあるものです。
使用シーンや場所、そして使いやすさや使い心地を考慮しつつ、自分の肌に合ったものを選ぶことが大切ですね。