しらすとちりめんじゃこの違いは?
しらすと小女子は同じもの?
釜揚げしらすとたたみいわしはどう違う?
その疑問、解消します!
見た目がよく似たしらすと小女子の親魚、
名前の由来、
しらすに含まれる栄養、
おいしいしらすの見分け方も含めて、わかりやすくお伝えします。
しらすとはどんな魚?
スーパーやデパートの魚売り場で見かける乾燥した白くてちっちゃい小魚。
なんて呼んでます?
しらす?しらす干し?ちりめん?ちりめんじゃこ?小女子?
パッケージを見ると、お店によって表記はまちまち、中には、「カタクチイワシ」となっているものもあります。
わたしがいつも買っているお店では「しらす」と書かれています。
しらすとは?
しらすは漢字で書くと「白子」。
呼んで字のごとくで、しらすとは体が透明な白い稚魚の総称です。
カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・イカナゴ・ウナギ・アユ・ニシンなど体に色素がない魚の稚魚を指しますが、一般的には、イワシの稚魚を指すことが多いです。
稚魚っていうのは子どもです。
主に、しらすといえばイワシの子どもを指すということですね。
しらすの原料は?
イワシの種類は何種類もありますが、お店によって、どのイワシの稚魚を製品の原料にしているかは違いがあります。
しらすの原料に使われる代表的なカタクチイワシは成熟が早く、孵化(不可)すると1年以内に成魚の大きさまで成長して、産卵可能な状態になります。
その一方で寿命は短く、2~3年程度とされています。
卵は3日間で孵化して、黒潮の流れに乗って北上しながら成長します。
1日当たりの成長度は0.7ミリ。
約1か月でしらすの原料となる25ミリ前後に成長します。
一般的には小さい方が高級とされ、値段も高くなります。
しらすの味は?
しらすの味はアッサリ淡白。
そのままでもおいしいしらすですが、脂が少なく癖がないので、料理との相性も良いです。
大根おろしに添えていただいたり、お茶漬けに使ったりと素材を活かすのも良いですが、我が家ではオリーブオイルと絡めてスパゲティーの材料にすると、とても喜ばれています。
しらすの旬は?
しらすは鮮度が良ければ生でも食べられますが、とても傷みやすいので、一般的には加工されて流通しています。
カタクチイワシは一年中産卵をしますが、とくに春と秋が産卵のピーク。
マイワシの産卵期は冬から春にかけて、ウルメイワシは4~6月。
静岡、愛知、兵庫が3大産地とされています。
関東だと江ノ島が有名ですね。
生しらすは水揚げされている地域以外ではなかなか手に入らない貴重な食材です。
直売所などで見つけたら、是非、お試しあれ。
ただし、すぐに食べないとあっという間に鮮度が落ちて劣化していきます。
時間が経つほど、エグミが出てきます。
その場で食べられる食堂があれば、そこで食べるのがおすすめです。
しらすの栄養は?
しらすは魚をまるごといただくので、身体によいということはわかりますね。
しかも、低カロリーで優秀な健康食品です。
シラスのカロリーは100gあたり206kcal。
しらすには、歯や骨の形成に必要な「カルシウム」や「ビタミンD」、脳の病気を予防する「ビタミンB12」、脳血栓・心筋梗塞を予防する「セレン」など多くの栄養成分が含まれています。
こうなごとしらすの違いは?
しらすとよく比べられる小さい魚に小女子(こうなご)があります。
小女子は地方によっての通称で、学名は「玉筋魚・春知魚(イカナゴ)」といいます。
小女子はイカナゴの稚魚です。
成魚は体長15~25cmほどで、小女子と見なされるのは5cmに満たないもの。
名前の由来は、体が小さくて女の子のように可愛いことから、「小女子」と呼ぶようになったと言われています。
漢字にすると「小さな女子(おなご)」。
「小女子」と呼んでいるのは愛知県が主で、他の地域では「かなぎ」「いかなご」と呼んでいるところが多いようです。
兵庫県および瀬戸内名物の『くぎ煮』という佃煮は小女子の代表料理です。
小女子の味は?
しらすに比べると脂も強く、しっかり魚の味がします。
昔から強い旨味がある小魚として、根強い人気があります。
三陸地方ではイカナゴを「めろうど」と呼び、めろうどの干物が特産品として有名です。
ちなみに、めろうどには、「女朗人」の漢字をあてるとか。
小女子(こうなご)と女朗人(めろうど)って、ある意味すごいネーミングです^^;
春頃に出荷される小女子は、昔から春の風物詩となっています。
しらすとちりめんじゃこと釜揚げとたたみいわしの違いは?
店頭に並ぶしらすは、塩ゆでして加工されたものです。
加工されたしらすは水分の含有量で名称が変わります。
水分含有量の多い順に、
- 釜揚げしらす(水分含有量85%程度)
- しらす干し(水分含有量50~60%程度)
- ちりめんじゃこ(水分含有量25~35%程度)
- たたみいわし(水分含有量15%程度)
となります。
釜揚げしらす
釜揚げしらすは、しらすを塩ゆでにして、湯切りした程度で製品としたものです。
水分含有量は85%程度になります。
釜揚げの多くは、しらすの旬の時期以外はあまり流通しないので、見かけたら、ぜひいただいてみてください。
あつあつのごはんのせて食べると、他のおかずは目に入らなくなります^^
ごはんと同じくらいの量でも、ぺろりといけちゃいますよ。
しらす干し
しらす干しは、釜揚げしらすを乾燥させ、水分を50~60%程度にしたものです。
ちりめんじゃこ
ちりめんじゃこは、しらす干しをさらに乾燥させ、水分を25~35%程度にしたもの。
■ 名前の由来
小さな魚を平らに広げて干している様子が、細かなしわを持つ絹織物のちりめんのように見えることから「ちりめんじゃこ」と呼ぶようになったといわれています。
「じゃこ」は「雑魚(ざこ:小さいさかな。小魚)」がなまったものです。
たたみいわし
たたみいわしは、しらすを板状に広げて並べ、海苔のような形状に乾燥させたもの。
生のまま、あるいは一度ゆでてから、葭簀(よしず)や ハガキ大ほどの大きさの木枠にしらすを均等に入れて、水を切ってから天日干しします。
水分含有量は15%前後です。
海苔をあぶるようにサッと焼いて、そのままいただきます。
潮の風味や魚の旨味をダイレクトに感じられるので、酒の肴としても、好まれていますね。
■ 名前の由来
シラスを乾燥させる際、かっては、畳に使われるイ草の上に干していたことから、「たたみいわし」と呼ばれるようになったといいます。
しらすとちりめんじゃことこうなごと釜揚げとたたみいわしの違いは?まとめ
しらすはイワシの子ども。
小女子はイカナゴの子ども。
しらすの種類には以下のようなものがあります。
- 釜揚げしらす(水分含有量85%程度)
- しらす干し(水分含有量50~60%程度)
- ちりめんじゃこ(水分含有量25~35%程度)
- たたみいわし(水分含有量15%程度)
釜揚げしらすやしらす干しは、大きさが20~30ミリ前後で形が揃い、体色が白くて、表面に光沢があるなどの条件を備えたものが上質とされています。
頭から尻尾まで全部食べられるしらすや小女子は、いろんな味わい方ができる健康食材です。
健康のためにも毎日の食卓に取り入れてみてくださいね。