サマータイムとはどんな意味?
簡単に言うとどういうこと?
何のためにあるの?
メリットとデメリットは?
その疑問、解消します!
デイライト・セービング・タイムと呼ばれる理由、
サマータイムに期待できる効果、導入時の影響も含めて、わかりやすくお伝えします。
サマータイムの意味を簡単に教えて!
サマータイム。
ジャズのスタンダード・ナンバーじゃなくて、制度の方のサマータイムについてです^^
サマータイムはアメリカやヨーロッパでは珍しい制度じゃありませんが、日本では馴染みがないもの。
実際、日本ではサマータイムという制度自体を取り入れていないんですから当たり前ですよね。
サマータイムを簡単に言うと、時計の針を1時間進めること。
1時間時計の針が早まるので、たとえば午前11時は午後12時になります。
「日照時間が長い夏に1時間進めた時刻を使用して、太陽が出ている時間を有効に利用しよう」
というのがサマータイム制度の主旨です。
サマータイムを導入している国では、平日の明るい時間にスポーツやレジャーを楽しんだり、日光浴をする人も多く見られます。
サマータイムは、緯度が高くて、夏の日照時間が長い欧米諸国などで多く導入されており、現在約70カ国で取り入れられています。
海外旅行のパンフレットなどで、「サマータイム」と書かれているのを見かけたことがあるかもしれません。
同じ米国の中でも、赤道に近いハワイ州にはサマータイムはなく、地域で異なります。
参考までに、サマータイム制度について、2007年に環境省・経済産業省がまとめた資料から、サマータイムの定義を引用しておきますね。
サマータイムは夏時間制度とも呼ばれ、昼間の明るい時間が長い期間(例えば4月~10月)、全国の時刻を標準
時より1時間進める制度。この制度を導入することにより、起床・就寝時間、労働時間もこれまでどおりでありながら、
明るい夕方の時間が1時間増えるためその時間を有効に活用できる。
また、地球温暖化対策の観点からは、夕方の照明や朝の冷房用電力等が節約されることにより、電力消費を削減することができる。
サマータイムはいつ始まったの?
サマータイムは今から100年ほど前、1916年にヨーロッパの国々で始まった制度です。
ドイツで1916年4月30日から10月1日まで、同じくイギリスが1916年5月21日から10月1日まで採用したのが始まりです。
当時は第1次世界大戦中で、戦争に使う燃料を確保する狙いもあったといわれています。
いわゆる省エネですね。
日本では、占領軍の施政下にあった1948年(昭和23年)から 1951年(昭和26年)の間、実施されたことがあります。
デイライト・セービング・タイム
日本では「夏時間」とも呼ばれるサマータイムですが、アメリカやカナダ、オーストラリアでは「Daylight Saving Time(デイライト・セービング・タイム)」とも呼ばれています。
「Daylight Saving Time」を直訳すると、「日光節約時間」
太陽光(Daylight)を有効活用(Saving)する時間制度(Time)という意味です。
デイライト・セービング・タイム には、
「明るい時間帯をもっと有効に活用して、電気の消費量を減らそう!地球に優しい活動に貢献しているよ!」
という意味合いがこめられています。
サマータイムと呼ばず、デイライト・セービング・タイムと言うのは、
「日照時間が長くなる時期に時間をずらすことで、自然光の使用率を高めて、電力の節約をしているんだ!」
というアピールでもあります。
サマータイムのメリット
サマータイムのメリットには以下のようなものがあります。
- 省エネルギー(節電効果)
- 経済の活性化
- 暑さ対策
ひとつひとつ見ていきますね。
省エネルギー
「夜が明けるのが早い夏の間は、早めに仕事を始めて早めに仕事を終えて、電気の無駄遣いを防ごう」
サマータイムのある国々が、なぜこの制度を導入しているかというと、1番の理由は省エネにあります。
強制的に1時間時計を早めると、夕方以降の明るい時間が1時間増えますよね。
1時間繰り上げることによって、企業や家庭の電気、空調費用などのエネルギーが節約できるので、結果として、省エネが促進されるというものです。
経済の活性化
通常、午前9時から午後5時までが勤務時間の会社では、サマータイムになると、実質午前8時から午後4時までの就業となります。
明るい時間に退社することになるわけで、そうなると、仕事のあとで、太陽の下での活動時間が長くなります。
余暇を楽しもうという人が増えると、消費が増える。
サマータイムには経済の活性化が見込まれるという考え方です。
暑さ対策
夏場は、1時間早くなることで人々の活動が涼しいうちに始められるというメリットがあります。
暑さ対策としてのサマータイムです。
また、暑い時間帯の活動時間をずらすことで、熱中症にかかるリスクも減らすことができます。
サマータイムのデメリット
日本でなかなかサマータイムの導入がされないのは、デメリットも多いからです。
- 時間設定にかかるコスト
- 体調管理のリスク
- 残業増加の懸念
どのような問題があるのか、ひとつひとつお伝えしますね。
時間設定にかかるコスト
1番のデメリットは、
「1時間という時間設定を変えるための労力が大きすぎる」
ということにあります。
個人で考えれば、家中の時計を調節するだけで済みますが、家庭内において時計を単に進めるという単純なモノばかりではありません。
航空会社や電車のダイヤ改正、金融システム、入出金や送金・振り込みのスタンプ、などなどetc.
大きな会社や工場では、サマータイムへの時刻設定で生じるコストやトラブルの発生に非常に不安を感じるという声が多くあります。
そしてそれを担うエンジニアの労力といったら・・・
現代のテクノロジーの恩恵を受けているわたしたちが、国をあげて時間設定を変えるということは、とてつもない負担が強いられるものなのです。
体調管理のリスク
時計の針を早めたり遅くすることは、体内時計を狂わせてしまうことになります。
社会生活のスケジュールに身体がついていかなくなるんですね。
日本睡眠学会の『サマータイム制度に関する特別委員会』がまとめた資料によると、イギリスではサマータイム制度の導入で「朝には眠気、ぼんやり感、集中困難などの気分変調」が見られたという報告があります。
また、眠りの質の低下については、サマータイムの導入により「睡眠効率が10%低下する」というフィンランドの研究(2006年)も報告されました。
サマータイムにするにあたって行う時間操作が、眠りの質を下げているのです。
睡眠時間の減少が身体に及ぼす影響は、心臓発作などの発症率が高くなる、集中力が途切れ仕事や学業に支障が出るなどが挙げられます。
大人にとって負担があるということは、小さな体の子どもならなおのこと。
健康に影響が及ぶデメリットは、忘れてはいけませんね。
残業増加の懸念
「外が明るければサービス残業が増える」
どの職種にもあてはまることではありませんが、定時になっても外が明るいと、仕事を続ける人が増えて、結果的に残業時間が増えてしまうということはなきにしもあらずです。
普段から仕事が多い会社なら、
「残業できる時間が増えた!」
と考えてしまうワーカーホリックもいそうですよね^^;
サマータイムとはどんな意味か簡単に教えて!メリットとデメリットは? まとめ
サマータイムを簡単に言うと、時計の針を1時間進めること。
「日照時間が長い夏に1時間進めた時刻を使用して、太陽が出ている時間を有効に利用しよう」
というのがサマータイム制度の主旨です。
サマータイムは日本では「夏時間」、アメリカやカナダ、オーストラリアでは「Daylight Saving Time(デイライト・セービング・タイム)」とも呼ばれています。
サマータイムのメリットは、
- 省エネルギー(節電効果)
- 経済の活性化
- 暑さ対策
サマータイムのデメリットは、
- 時間設定にかかるコスト
- 体調管理のリスク
- 残業増加の懸念
サマータイムは欧州各国では一般的ですが、アジアでは日本の他、中国や韓国でも現在は採用していません。
サマータイムは時計を1時間進めるというシンプルな制度ですが、メリットとデメリットがあり、毎年、導入や撤廃をする国があります。
日本も折々でサマータイム導入の話題が登場しますが、サマータイムは国民全体の日常生活に影響を生じるもの。
サマータイムの導入を検討するのであれば、時間をかけて、賛成と反対、それぞれの意見を交わす議論の機会を多く設けてほしいと思います。