冬の朝に起きられないのはなぜ?
寒さが理由じゃない?
部屋が暖かくても布団から出られない意外な原因とは?
その疑問、解消します!
夏に比べて目覚めが悪い理由、
日照時間と体温時計やセロトニンとの関係、
眠りのメカニズムも含めて、
わかりやすくお伝えします。
冬の朝に起きられないのはなぜ?
冬の寝起きはつらいもの。
実際、目が覚めても身体が言うことを聞かず、
つい二度寝、三度寝…。
「冬は寒くて起きられない」
っていうのは、よく言われますが、
寒さの問題であれば、
暖房がシッカリ効いた暖かい部屋ならスッキリ目覚めるのか、
というと、そうでもないんですよね。
冬になると起きられないのは、快適な空調のホテルや旅館に宿泊しても変わりません。
なんだか、自分という人間はものすごいナマケモノなのか、
はたまたダラシのない性格なのか、
それとも何かの病気の予兆なのかと不安になるレベルで、
このあいだ、定期検診で行ったドクターに勇気を出して聞いてみました。
わたしのように、
「こんなに起きられないのは、どこか身体がおかしいんじゃないか?」
と悩む人は結構多いそうです。
ドクターいわく、
「冬に起きられないのは全然おかしくないよ、むしろ自然なこと」
え、自然?
自然なことだと言われても、
だからといって、毎日眠りを貪るわけにはいかないんですが、
「人間の眠りというのは、寒い冬になると長くなる傾向にあるから、心配いらない」
と言うのです。
で、やはり寒いせいだけで起きられないわけではなく、
冬という季節ならではの原因を、わかりやすくきちんと理由をあげて説明してくれたので、
家に帰ってから調べたことと合わせて、お伝えしますね。
冬になると布団から出られない意外な原因とは?
冷え込む冬の朝。
なかなか布団から出られないのは、
寒い室内よりも、布団の中の方が暖かくて気持ちいいからだけじゃありません。
もちろん気温の問題もありますが、
それよりも、
冬という季節の特徴が身体に影響を及ぼしています。
冬は体内時計が狂いやすい
寒い冬の季節に早起きができないのは、
体内時計を上手くリセットできないことが原因のひとつです。
人には、概日リズム(がいじつリズム)というものがあります。
概日リズムとは体内に組み込まれた24時間のリズムのこと。
概日(circadian)とは、
「おおむね(circa)一日(dies)」
という意味です。
これを人の『体内時計』と呼びます。
体内時計は、体温や睡眠・覚醒の周期、ホルモンバランスなどを調整してくれるものです。
わたしたちは通常、朝起きて昼活動し夜眠るという、
地球の自転周期に合った約24時間のリズムで生活しています。
体内時計は体内でキープされるものですが、
光や温度、食事など外界からの刺激によって変動があります。
時差ボケやシフトワークなどで、
身体のリズムが崩れることを感じるのはそのせいです。
人は強い光を浴びるとその刺激で目が覚めますが、
冬は夏に比べて太陽の光が弱いため、
身体に「朝だ」という刺激が伝わりにくいのです。
また、冬は日照時間も短いため、
この体内時計の調整がうまくいかないことが多くなるわけです。
曇りの日にこれと同じような経験をしたことないでしょうか。
曇り空で薄暗いと、晴れの日に比べるとどうも眠たい、朝寝坊しがちになるという感じです。
日光をうまく浴びられないということは、体内のリズムを調整しにくくなり、朝起きられないということにつながるんですね。
ちなみに、夜遅くまでスマホやパソコンを見ているときのブルーライトや、
深夜のコンビニの明かりなどを浴びると、
自然な眠気を催さなくなると言われるのも、
光が体内時計に影響するからです。
冬のセロトニン不足
『セロトニン』は別名「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内物質です。
気持ちを安定させる効果があり、
うつ病の原因は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの不足であるといわれています。
人間は太陽の光を浴びることによって
セロトニンと『メラトニン』というホルモンが体内で合成され分泌されます。
メラトニンは、睡眠の質を安定させるホルモンです。
セロトニンとメラトニンのふたつのホルモンは相互関係にあり、
日中のセロトニンの分泌によって、
明け方にかけて分泌されるメラトニンの量が決まってきます。
ということは、
日中にセロトニンを多く分泌できないと、
夜の睡眠の質が悪くなってしまうわけです。
そうなると、
十分な睡眠がとれていない
↓
眠気や疲れが取れにくくなる
↓
朝がつらい状態になる
というサイクルが出来てしまいます。
太陽の光を浴びる機会が少なくなる日照時間の短い冬は、
体内時計の乱れだけではなくセロトニン不足も引き起こすので、
結果、朝、起きられないということになるんですね。
冬の冷えからくる血行不良
人の身体には、体温が下がると眠くなり、上がると目覚めてくるという仕組みがあります。
眠くなると手足が温かくなるのはよく知られていますが、
これは手足の末端の血流を良くして体温を逃がし、
体の中心部の体温を下げるためです。
眠るときは体温を約1℃程度、徐々に下げながら眠りにつくと深い睡眠が得られると考えられています。
ですが、気温の低い冬は末端部の血行が悪くなり、
手足が冷えた状態だとうまく体温を逃がすことができず、
眠りが浅くなってしまうのです。
十分な睡眠がとれていないことで、朝になっても目覚めにくくなるのです。
冬の朝に起きられないのはなぜ?布団から出られない意外な原因とは? まとめ
冬の朝、なかなか布団から出られずに起きられないのは、冬ならではの季節の特徴にあります。
- 体温時計の乱れ
- セロトニン不足
- 冷えによる血行不良
冬は日照時間が短いので体温時計が乱れやすく、
太陽を浴びる機会が少ないことで、睡眠ホルモンのメラトニンに影響するセロトニン不足になり、
寒さで手足が冷えることから、体温調整がうまくいかずに眠りが浅くなってしまうのです。
朝、起きられないことには冬の寒さも原因していますが、
日照時間や冷えが大きな要因となっています。
冬に起きられない身体のメカニズムがわかると、
スッキリ起きるための対策も考えやすくなりますね。
◇ 寒い冬の朝でも起きられる具体的な方法はこちらにまとめています。
・寒い眠い起きられない!冬の朝スパッと起きる5つのコツと方法とは?