なぜ春になるとツバメは日本にやってくるの?冬の間はどこにいる?

なぜ春になるとツバメは日本にやってくるの?冬の間はどこにいる?

なぜツバメは春になると日本にやってくるの?

冬の間はどこにいる?

どれくらいの距離を飛んでくる?

その疑問、解消します!

日本で子育てする理由、

人間が目に付きやすい場所にツバメが巣を作る意味、

ツバメが飛ぶ速さも含めて、

わかりやすくお伝えします。

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なぜツバメは春になると日本にやってくるの?

春の訪れを告げる鳥、ツバメ

子どもの頃、いとこの家には毎年春になるとツバメがやってきていました。

そのつばめが玄関先に作った巣で、可愛いヒナ鳥を育てているのを見て、とてもうらやましく思ったのを覚えています。

昔からツバメが巣を作る家は

居心地のいい家

とか、

繁盛する家

と言われています。

◇ 家にまつわるツバメの言い伝えはこちらにまとめています。
ツバメが巣を作ると縁起が良いのはなぜ?全国の言い伝えもご紹介!

わたしたちには馴染みのあるツバメは「幸せを運んでくる」とも言われる渡り鳥です。

渡り鳥というのは、 繁殖する地域と非繁殖期を過ごす地域とが離れていて、毎年決まった季節にその間を往復して移動する鳥のことをいいます。

いとこの家で可愛いヒナを観察しながら、子ども心に、

「なぜ暖かい南の国で巣作りをしないんだろう?」

と不思議でしたが、

ツバメが日本を選んで飛んでくるのにはちゃんと理由がありました。

ツバメが日本にくるのはなぜ?

ツバメのエサは生きた昆虫や幼虫です。

ツバメは巣作りが終わると、そこに卵を生みます。

巣の中でツバメは毎日1個ずつ卵を産み(だいたい5個~6個)、卵を産み終わった日から、親鳥は卵の上に座って温めます。

そうして生まれたヒナを育てるのですが、

まず第一に、十分なエサがないと子育てもままなりませんよね。

なぜ春になるとツバメは日本にやってくるの?冬の間はどこにいる?
日本は田舎はもちろんですが、都会の街なかでも公園が多く、「腐葉土(ふようど)」がたくさんあります。

腐葉土というのは、落ち葉が堆積し腐った土のこと。

自然の中で作られた土です。

腐葉土があるということは、ツバメのエサとなる虫が沢山いるということ

エサの確保には申し分ないですね。

特に、日本の春は南北に桜前線が走ります。

桜が散った後は虫の誕生ラッシュ、

豊富なエサがある日本の春の環境は、子育てをしたいツバメにはうってつけです。

また、天敵の存在も巣作りの大切な問題です。

暖かい国であれば、ツバメのエサになる昆虫や幼虫も豊富ですが、

ヘビなど、ツバメの天敵になるような野生動物も多く、ヒナが襲われたりします。

ツバメが人通りのある場所に巣を作るのは、天敵が近寄りにくいためと考えられています。

日本では、ツバメの天敵の代表格はカラスですが、

巣が人通りのある場所や人間の目に付きやすい場所にあるのは、ツバメのカラス対策で、

人間にカラスを追い払ってもらうためだと言われています。

民家に巣を作れば、雨風もしのげます。

ツバメにとって、エサが豊富で、なおかつ民家の軒下などに巣作りができる日本の環境は、子育てにピッタリ、最適な場所というわけです。

近年は、地球温暖化の影響からか、年々ツバメの飛来日が早まっていることや、全国的に飛来するツバメの数が減少していることが懸念されています。

昔とは住宅の構造が違って、ツバメが巣を作りにくくなっていることも要因としては考えられます。

いずれの原因にしろ、ツバメのエサとなる虫が生きていける環境を守ることが大切ですね。

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ツバメは冬のあいだはどこにいる?

なぜ春になるとツバメは日本にやってくるの?冬の間はどこにいる?
春になるとあらわれるツバメ、

では、寒い冬の間はどこにいるのでしょう?

ツバメは日本が冬の間は暖かい南国で過ごし、

春になると日本に戻ってきます。

春先から夏の初めにかけて巣作りをしてヒナを育て、

秋になるとまた南に飛んでいきます。

ツバメは、日本が冬の間はマレーシア、台湾、フィリピン、ベトナム、インドネシアなどの南の国で過ごしています

東南アジアの島々以外にも、オーストラリア北部で過ごすツバメもいます。

餌を求めること・暖かく住みやすい環境を求めることから、ツバメは寒い冬が訪れる前に暖かい地域に移動するのです。

暖かい南の国ではツバメは集団で暮らしています。

日本が冬を迎えている間、

ツバメは暖かくてエサがとれる環境の南の国にいるので、

冬にツバメを見かけることは少なくなるわけですね。

そうして春になると、あの小さな体でおよそ4000kmの距離を、海を超えて日本にやってきます。

ツバメの全長は約17cmですが、平均時速40~50kmの速度で飛びます。

時速40~50kmで飛ぶということは、

10分は1時間の6分の1なので、

40~50kmの6分の1で

1時間に6.7km~8.3kmの距離を飛ぶということです。

結構、速いですよね。

日本から台湾、フィリピンまでの距離は2000~3000㎞ほども離れています。

いくらツバメが速いと言っても、かなりの距離、

恐るべき身体能力です。

ツバメが日本に来る時は、遠い南の国々から日中に太陽の位置を目じるしにして方向を定めて、

途中の島々で体を休めながら、一日に50~300kmの距離を飛び続けます。

ちなみに、平均時速40~50kmの速度で飛ぶツバメは、エサを捕まえたり、外敵から逃げる時の最大速度は時速200㎞にも及ぶとか。

時速200㎞といえば目の当たりにすると一瞬、

バドミントンのスマッシュが時速200㎞、

テニスの大坂なおみ選手のサーブが時速200㎞超えということで驚かれているので、

ツバメの最大速度が時速200㎞というのは、いかに驚異的な数字かがわかりますね。

ツバメは、鳥の中でも飛行する能力を極限まで進化させてきた鳥といえます。

日本以外でもツバメは子育てするの?

ツバメは世界中に分布しています。

日本で子育てをするツバメは主にフィリピンの方から来ている考えられていますが、

ツバメが子育てをする場所は、日本以外にもあります。

アジアの国々の中だと、韓国や台湾、中国などがあります。

ヨーロッパでもツバメは子育てをしていて、そこで子育てをするツバメはアフリカの南の方で冬を越します。

ツバメが渡ってくる時は、オスの方が先に渡ってきて、巣作りの場所を探し、

その後メスが来て、オスとメスが協力しあって巣を作り、一緒に子育てを始めます。

ツバメはオスも卵を抱きますし、オスもヒナにエサを運びます。

ツバメのオスはまさにイクメン、うらやましい夫婦共同体ですね^^

なぜ春になるとツバメは日本にやってくるの?冬の間はどこにいる? まとめ

ツバメは春の訪れを告げる渡り鳥。

ツバメが巣を作る家は

『居心地のいい家』

『繁盛する家』

と言われています。

ツバメにとって、エサが豊富で、なおかつ民家の軒下などに巣作りができる日本の環境は、子育てにピッタリ、最適な場所です。

ツバメは春先から夏の初めにかけて巣作りをしてヒナを育て、

秋になると南に飛んでいきます。

日本が冬の間、ツバメはマレーシア、台湾、フィリピン、ベトナム、インドネシアなどの南の国で過ごしています。

ツバメは世界中に分布しており、夫婦共同で子育てをします。

昔から人間と共存してきたツバメ、

春の風物詩として、ツバメの子育てを観察できるような環境自然を守りたいですね。

◇ 記事中でご紹介したツバメの話題はこちら。
ツバメが巣を作ると縁起が良いのはなぜ?全国の言い伝えもご紹介!

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