つばめが巣を作る家は縁起がいいって本当?
それともただの迷信?
昔から言い伝えられている理由は?
その疑問、解消します!
ツバメが福を招くと言われる由来、
ツバメの独特な性質、
全国のツバメの巣作りにまつわる言い伝えも含めて、
わかりやすくお伝えします。
ツバメが巣を作ると縁起が良い理由
日本では古くから
「ツバメが家に巣を作ると縁起が良い」
と言われ、
家の軒先などに、ツバメが巣作りをすることを歓迎するおうちが多くあります。
わたしのいとこの家も毎年ツバメがやってきます。
「ピィーピィー」
と鳴く可愛いヒナと、
せっせとエサを運んで世話をする親鳥の様子を見るのが楽しみなんですが、
そのツバメたちが落とす『フン』を掃除するのは、見てるととても大変そう。
いとこは、
「これもまた、『ウン(運)』がつくってことで良いんだよ」
と、面倒にも思わないようで、
ダンボールを使ったお手製の『フンよけ』を作って、
イヤな顔ひとつせず、
むしろ嬉々としてツバメたちのフンのお掃除をしています。
家にツバメが巣を作ると縁起が良いと言われる由縁は、
もちろんウンがつくからではなく(笑)、
ツバメの独特な性質にあります。
ツバメが歓迎される理由
昔からツバメは日本人にとって馴染みの深い鳥でした。
ツバメは渡り鳥です
渡り鳥というのは、 繁殖する地域と非繁殖期を過ごす地域とが離れていて、毎年決まった季節にその間を往復して移動する鳥のことをいいます。
ツバメのように、遠い国から子育てのために日本にやってきて、また元の国に戻っていくことを「渡り」といい、
この渡りをする鳥たちのことを、「渡り鳥」というのです。
◇ ツバメが日本に来る理由については、こちらをどうぞ。
・なぜ春になるとツバメは日本にやってくるの?冬の間はどこにいる?
農家にとってツバメは、農作物の生育に大切な時期にやってくる渡り鳥。
ツバメのエサは、ガ、ウンカ、ユスリカ、シロアリなど、人間や作物に大敵の害虫です。
害虫を食べて駆除してくれるツバメは農家にとって大助かりなのです。
作物は順調に育ち、害虫の影響が人や家に及ぶこともなくなります。
たくさん作物が採れるということは、「裕福に暮らせる」ことにつながりますよね。
こういったことから、ツバメは農家の人たちには特に大切にされ、縁起の良い鳥として言い伝えられてきたという背景があります。
古くからツバメは、「福を呼ぶ」、「幸運を運んでくる」と大事にされ、人々から幸福のシンボルのような扱いをされてきた歴史があります。
ツバメが巣を作るのは幸運の印?
渡り鳥であるツバメは、安心して子育てをするために、一定の条件を満たした住みやすい場所を選んで巣を作ります。
温度、湿度、風通しなどの環境が良く、居心地が良いと思う場所に巣を作るわけですから、
巣に選ばれた家自体が、安全で快適な住まいだということです。
渡り鳥の本能で、いろいろな環境を察知して巣作りの場所を決めているのかもしれませんね。
ツバメが子育ての場所として選ぶ安全で快適な住まいなら、邪気(悪い気・マイナスのエネルギー)など溜まることもなく自然と幸運に恵まれるのではないでしょうか。
「ツバメが家に巣を作ると縁起が良い」
というのは、
「ツバメが家に巣を作るのは幸運の印」
とも言えますね。
ツバメの巣にまつわる言い伝え
ツバメは家の軒先など、人通りの多いところに巣を作ります。
以前、コンビニの入り口のところにツバメの巣があるのを見かけ、
「こんなところに!」
と驚きながらも、
ヒナが顔を出して、その可愛らしさにほっこりしたことがあります。
実は、
ツバメが人通りのある場所に巣を作るのは、天敵が近寄りにくいためと考えられています。
日本では、ツバメの天敵の代表格はカラスですが、
巣が人通りのある場所や人間の目に付きやすい場所にあるのは、ツバメのカラス対策で、
人間にカラスを追い払ってもらうためだとも言われています。
ツバメは天敵から身を守る力に乏しいので、
人間の力を借りて敵から身を守り、子育てにいそしむというわけです。
「人通りが多い = 繁盛する」
ということにつながるので、
とりわけツバメが巣を作った場所が店や商家の場合には、
『ツバメが巣を作ると商売が繁盛する』
と言われ、ツバメの巣は大切にされてきました。
ツバメに優しいあのコンビニも、商売繁盛していることを祈ります^^
ツバメの巣作りを縁起物とする考え方は、
上述の
「ツバメが家に巣を作ると縁起が良い」
の他にも以下のようなものがあります。
「ツバメが巣をかける家は栄える」
「ツバメが巣をかける家は吉事がある」
「ツバメが屋内や座敷などに巣を作るのは最高に良いこと」
「ツバメの巣が多いほど繁盛する」
「ツバメが三度巣をかけると千万長者になる」
「ツバメが家の軒に巣をかけると豊作。かけぬと不作」
「ツバメは衰える家には巣を作らない」
「ツバメが巣をかける家は子宝に恵まれる」
「ツバメが巣を作る家は病人が出ない」
「ツバメが巣をかける家の病人は治る」
「ツバメは火事を出す家には巣を作らない」
「ツバメが巣を作った家では火事が起きない」
などなど、
日本全国でツバメの巣作りに関する言い伝えは数多くあります。
ツバメと火事を絡めたものについては、
「ツバメが巣を作らなくなったら火事に気をつけろ」
といましめる地方もあり、
「火」と結びつけた言い伝えが多いのは、ツバメの喉が赤いからだという説もあります。
また、冒頭で少し触れましたが、
つばめはフンをたくさん落としていくことから、
「ツバメが家に巣を作ると『ウン(運)』がつく」
というのは広く言われているようです。
ツバメが巣を作る家について、全国各地でいろいろな言い伝えがありますが、総じて、『運が良くなる』というもの。
ツバメが家に巣を作ったら、ちょっとした運がつくかもなので、
宝くじを買ってみたり、なにかにチャレンジしてみるのもいいですね。
ツバメが巣を作ると縁起が良いのはなぜ?全国の言い伝えもご紹介! まとめ
「ツバメが家に巣を作ると縁起が良い」
と言われるのには、ツバメの独特な性質にあります。
渡り鳥のツバメが日本にやってくるのは、農作物の生育に大切な時期。
人間や作物に大敵の害虫が、ツバメのエサになることから、
古くから、ツバメは福を呼ぶ、幸運を運んでくる鳥として大事にされてきました。
そんなツバメが子育てのために巣作りをするのは、温度、湿度、風通しなどの環境が良く、居心地が良いと思う場所で、
なおかつ家の軒先など、人通りの多いところ。
幸福のシンボルともいえるツバメが子育てに選んだ場所には良いパワーがあり、おのずと縁起の良い出来事も起きるのではないでしょうか。
巣作りのためにツバメが選ぶ家は、風水的にも良いと言われています。
フンの掃除は面倒にも思えますが、もし家にツバメがやってきたら、ツバメの巣の縁起にあやかりたいですね。
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