冬の雀がかわいいのはなぜ?ふくらすずめが縁起物とされる理由とは?

冬の雀がかわいいのはなぜ?ふくらすずめが縁起物とされる理由とは?

冬の雀がまるまるとしてかわいいのはなぜ?

ふくらすずめと呼ばれる由来は?

縁起物とされる理由は?

その疑問、解消します!

雀の冬の過ごし方、

ふくら雀の当て字、

俳句の季語で使う寒雀との違い、

和服の帯の結び方で使われる意味も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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冬の雀がかわいいのはなぜ?

朝晩の冷え込みが厳しくなる日が続き、

「うーっ、寒いっ」

思わず口にして肩をすくめながら何気に空を見上げたところ、

電線にかわいいふくらすずめが!

その愛らしい姿に思わずほっこり、

寒さでカチカチになっていた体も一気にゆるみました。

ふくらすずめとは、こんな雀。

冬の雀

丸くてふっくらして、可愛らしいですよね。

冬にまんまるにふくらんだ雀は「ふくらすずめ」と呼ばれ、古くから親しまれています。

どうして雀がふくらむのかというと、寒さから体を守るため。

ふくらすずめは自分で羽毛をふくらませて、中に空気の層を作ることで、

冷たい冬の外気から温かさを保っているのです。

いってみれば、雀の防寒対策ですね。

実は、これは雀に限ったことではありません。

冬の寒い時期になると、鳥類は羽毛をふくらませ逆立てることで空気の層を作り、体温の低下を防ぐのです。

雀はもともと集団で行動する鳥で、

冬の時期を迎えても渡り鳥のように移動することなく、

今まで住んできた場所と同じ場所で暮らします。

気温が下がる冬になるとさらに集団で行動するようになり、

暖を取るために雀同士でくっついたりして、冬をしのぎます。

ふだんは地面で草の実など探していますが、

雪が降る季節は木の上にいることも多いです。

木の上や電線でモフモフのまんまる雀を見かけると、

あまりの可愛らしさについ見入ってしまうのですが、

雀にとって冬は辛い季節。

寒さのみならず、冬眠をしない雀にとっては食料探しも大変です。

雀は雑食性なのでなんでも食べますが、

冬に雀が庭やベランダまでやってくるのは、

寒さが厳しい自然界で食べ物にありつけていないからかも。

人に懐くような鳥ではありませんが、

米粒などをまいてやると喜んで食べ、また訪れることも珍しくありません。

俳句の季語で使うふくら雀

俳句で「ふくら雀」と言えば冬の季語

寒雀(かんすずめ)という冬の季語もありますが、

ふくら雀はその語感から、同じ冬の雀でありながら「寒雀」とは違って、

可愛らしさ、けなげさ、やわらかさ、といったイメージがあります。

ふくら雀のほうが、寒雀より優しい眼差しが感じられる気がします。

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ふくら雀が縁起物とされる理由とは?

寒さから体を守るため全身の羽毛をふくらませて、ふっくらとして見える雀を「ふくらすずめ」と呼びますが、

そのまるまるとした姿から、

ふくらすずめは豊かさや繁栄を象徴する縁起物

とされてきました。

ふくらすずめを縁起の良い当て字にした『福来雀』や『福良雀』といった書き方もあります。


福来雀』: 福が来る

福良雀』: 良い福をもたらす

いずれも、「富と繁栄の意味」が込められています。

雀は元々、『厄をついばむ』とされ、

一族繁栄・家内安全の象徴とされてきました。

「寿徳」「福徳」「財徳」が備わるといわれ、

雀自体が縁起の良いものとされてきましたが、

特に冬の雀はふっくらしたその姿から、

昔の人も豊かな印象を受けていたようです。

縁起の良いふくらすずめには、こんないわれもあります。

お百姓さんにとって、田んぼのお米を食べてしまう雀は迷惑で疎ましい存在でした。

ですが、豊作の年には、お百姓さんも雀が食べる程度のお米に目くじらを立てることもありません。

雀も心置きなく米をついばんで、ふっくらと太ることができたことから、

ふくらすずめがみられる=豊作の年

ということで、

ふくらすずめが豊かさの象徴となったということです。

ふくらすずめには、

食べるものに困らないように

豊かに暮らせるように

という願いも込められているわけです。

ふくら雀の帯の意味は?

ふくらすずめが縁起が良いということから、

和服の世界では『ふくら雀』という帯の結び方があります。

帯 ふくら結び

ふっくらした帯の形が可愛らしいですね。

ふくら雀の帯結びは明治に始まったと言われ、

振袖や訪問着の時に用いられる若い人向きの帯結びで、丸帯や袋帯で結びます。

成人のお祝いで結ぶときは、

豊かさの象徴である「ふくら雀」を帯結びとして娘の背中に背負わせて、

娘が食べるものに困らず、豊かな一生を送れますように

との願いをこめる意味があります。

ふくら雀は振袖の帯結びとしても、お見合いや結納などで結ばれることの多い伝統的な帯結び。

縁起を重んじるお祝い事に相応しい帯結びとされているからでしょうか、

雅子さま、紀子さまの結納の際は、ふくら雀を結んでいました。

また、染織や工芸の世界でも、図案化された丸い雀が季節を問わない吉祥文様(きっしょうもんよう)として用いられています。

吉祥文様とは、縁起がいいとされる動植物や物品などを描いた図柄のことです。

冬の雀がかわいいのはなぜ?ふくらすずめが縁起物とされる理由とは? まとめ

冬にまんまるにふくらんだ雀は「ふくらすずめ」と呼ばれ、古くから親しまれています。

寒さから体を守るため、全身の羽毛をふくらませて、ふっくらして見えるのですが、

そのまるまるとした姿から、

『ふくらすずめは豊かさや繁栄を象徴する縁起物』

とされ、

『福来雀』や『福良雀』といった書き方もします。

また、

『ふくらすずめがみられる=豊作の年』

ということから、

ふくらすずめが豊かさの象徴となったといういわれもあります。

和服の世界ではお祝い事に相応しい帯結びとして『ふくら雀』という結び方があります。

冬の雀がまるまるとふっくらするのは彼らの生きるための知恵ですが、

寒い時期の身近な縁起物として、ゆっくり愛でるゆとりも持ちたいですね。

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