四万六千日とはどんな意味?由来と歴史 ほおずき市との関係もご紹介

四万六千日とはどんな意味?

由来や歴史は?

ほおずき市との関係は?

四万六千という数はどこから?

その疑問、解消します!

観音さま信仰、

縁日や功徳の意味、

功徳日の成り立ち、

四万六千日にほおずき市が開催される起源も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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四万六千日とはどんな意味?

四万六千日(しまんろくせんにち)と聞くと、

落語好きなら、

四万六千日、お暑い盛りでございます

先代・桂文楽師匠の声で落語『舟徳』の決め台詞が脳内再生され、

照り付けるような真夏の陽射しが浮かぶ人もいるのでは。

『舟徳』は四万六千日の日に浅草寺にお参りに向かうふたりの客人が、

にわか船頭の「徳さん」の舟でさんざんな目にあう話です。

四万六千日とは、お寺の縁日の一つで

その日にお参りすると四万六千日お参りしただけのご利益が得られるという功徳日(くどくにち)のこと

縁日とは特定の神仏に縁のある日のことで、

この日にその神仏にお参りをすると、

普段以上のご利益があると信じられています。

功徳日というのは、

寺社に参詣すると特に大きな功徳(ご利益)を得られるとされる日のことです。

功徳は、善い行いを心掛けることによって神仏から幸運を授かることを指しており、

つまりはご利益のことを意味しています

一日のお参りが四万六千日分のお参りに!

四万六千日を年数で計算してみると、

46000÷365=126.02739726

なんと約126年分お参りすることになり、

人の一生分をはるかに超えていますよね^^;

四万六千日は言ってみれば、

お参りのウルトラボーナス日です。

あまりにもありがたいので、

四万六千日のことを『四万六千日様』と、

殿様のように「様」をつけて呼ぶこともあります。

落語の『舟徳』に出てくる浅草寺の四万六千日は、

7月10日にあたります。

四万六千日の由来と歴史

四万六千日は、『観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)』の縁日です。

一般的には「観音さま」と呼ばれていますね。

観世音菩薩は『観自在菩薩(かんじざいぼさつ)』、

『救世菩薩(くせぼさつ・ぐせぼさつ)』

など多数の別名があります。

観世音菩薩は世間の人々の救いを求める声を聞くとただちに救済する求道者で、

救う相手の姿に応じてさまざまに姿を変えるといわれています。

そのため古来から、

人々を災難から救う慈悲深い仏様

として信仰を集めてきました。

平安時代の頃から、

毎月「18日」がこの観世音菩薩の縁日として決められてきました。

室町時代(1336年~1573年)の末期になると、

18日の他にも、

『功徳日』あるいは『欲日』、

地方によっては『およく』と呼ばれる縁日が新たに追加されていきました。

「この日にお参りすると100日お参りしただけの功徳(ご利益)が得られる」

「この日にお参りすると1,000日お参りしただけの功徳(ご利益)が得られる」

現在、観世音菩薩の功徳日として決められている功徳日は下記のとおりです。

功徳日

  • 1月1日……(百日)
  • 2月最終日……(九十日)
  • 3月4日……(百日)
  • 4月18日……(百日)
  • 5月18日……(百日)
  • 6月18日……(四百日)
  • 7月10日……(四万六千日
  • 8月24日……(四千日)
  • 9月20日……(三百日)
  • 10月19日……(四百日)
  • 11月7日……(六千日)
  • 12月19日……(四千日)

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四万六千日以外は特別な呼び方はないようですが、

この7月10日には浅草寺の他にも、

観音信仰をつかさどる寺社では功徳日として、

多数の参拝客が訪れています。

四万六千日が定着したのは江戸時代(1603年~1868年)です。

人々は年に一度の大ご利益にあやかろうと、

我こそ先にと浅草寺に参拝しようとしました。

そのため7月10日の前日から境内が参拝客で賑わうようになったことから、

9日と10日の両日を四万六千日の縁日とし、

その日にちが現在に至っています。

四万六千日の数の由来は?

四万六千日の数の由来には諸説あります。

一升枡に入る米粒の数が46,000粒なので、『一升』を『一生』にかけた

一生(=一升)分の御利益がいただけるというわけですね。

46,000日(約126年)が人間の寿命の限界だから

確かにそうですが、

昔の人が46,000日をどうして人間の寿命と考えたかはおおいに疑問です。

他にもさまざまな説がありますが、

いずれも定かではありません。

四万六千日とほおずき市の関係

東京浅草寺の四万六千日、

7月9日と10日にはほおずき市が開催されます。

その歴史は古く、

ほおずき市は江戸時代(1603年~1868年)の明和年間(1764年~1772年)の頃に始まったといわれています。

当時、四万六千日の縁日は浅草寺にならって他の寺社でも行なわれるようになっていましたが、

最初にほおずきの市が立ったのは、

現在の東京都港区芝にある愛宕神社でした。

ほおずきには古くから、

ほおずきの実を水で鵜呑みすれば、大人は癪を切り、子供は虫気を去る

という民間信仰があり、

として利用されてきた歴史をもちます。

「鵜呑み」とは丸呑みのこと。

「癪」は治りにくい持病、

「虫気」はお腹の中にいると考えられていた虫による腹痛のことです。

ほおずきは薬草として、

「ほおずきを丸呑みすれば大人は病気が治り、子どもは腹痛を起こさなくなる」

と用いられてきたんですね。

また、ほおずきの薬効としては、

利尿・鎮痛・解熱・鎮咳などもうたわれていたため、

見た目の可愛らしさも含めて薬としても珍重される植物でした。

ほおずき市が立てばほおずきを求める客で賑わい、

その人出が参拝客にもつながります。

愛宕神社の盛況なほおずき市の影響を受けて、

やがて四万六千日の本家本元である浅草寺にも、

ほおずき市が立つようになりました。

7月10日といえば、ちょうどお盆の頃。

お盆の飾りにほおずきを用いる家も多いですよね。

赤い提灯(ちょうちん)がぶら下がったような姿が可愛らしいほおずきは、

漢字で書くと、

「酸漿」「鬼灯」

となります。

難しい「酸漿」の字体は中国名での漢字をそのままあてています。

もうひとつの「鬼灯」は、

お盆にご先祖様が帰ってくる時に掲げておく提灯代わりとして飾られたことが由来となっています。

四万六千日とはどんな意味?由来と歴史 ほおずき市との関係もご紹介 まとめ

四万六千日とは、お寺の縁日の一つで

その日にお参りすると四万六千日お参りしただけのご利益が得られるという功徳日(くどくにち)のこと。

東京都台東区にある浅草寺、

東京都文京区にある護国寺では、

7月9日と10日が四万六千日の日です。

浅草寺と護国寺ではほおずき市も開催されます。

四万六千日に合わせて催されるほおずき市は東京の夏の風物詩。

一日の参拝で一生分の功徳を積んで、

ほおずき市を覗いてみるのも楽しいですね。

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