日焼け止めクリームを購入する時、悩むのがSPFとPAの数値。どの日焼け止めを選べば良いか、紫外線対策の目的や場面別で解説。2つの効果的な日焼け止めの塗り方、化粧の時の塗る順番、SPF値から肌の負担を少なくする紫外線防止のポイントをご紹介!
日焼け止めクリームのSPFとPAどうしてる?
美肌&美肌のためのみならず、健康のために紫外線対策をする人が増えています。
外で過ごすのが気持ちいい季節になってくると、とりあえずの対策として日焼け止めクリームを利用する場合も多いかと思います。
また、特に女性にとって日焼けはお肌の天敵。
環境によっては一年を通して、日焼け止めを手放せない方も多いです。
ところで、この日焼け止めクリーム、購入しようと商品を選ぶ際に、「SPF」と「PA」っていう表示を目にしますよね。
「数値が高い方が効果的?」
よくわからないまま、表示してある数値がとにかく高いものを選んじゃってませんか?
数の多い方が効果がある思ってしまうのは、人間の心理として仕方のないところ。
そして、せっかく購入した日焼け止めクリームを塗ってみると、
「肌が乾燥する」
「時間が経つとかゆくなる」
「吹き出物が出てしまう」
などなど、購入した日焼け止めクリームによる肌トラブルで困ってしまうケースもよく聞きます。
実際、あまりにも沢山の種類がある日焼け止めクリーム。
環境やあなたの状況、使いたい場面に適正なものを選んでこそ、日焼け止めの効果は発揮されます。
正しい知識を知ることで、効果的な日焼け対策をすることができます。
順番に見ていきましょう!
〈そもそも日焼け止めクリームとは?〉
まずは肝心の日焼け止めクリームについてです。
日焼け止めクリームっていうのはご存知のように紫外線を防ぐクリームのことです。
紫外線の予防対策として使用される日焼け止めは、主に、肌に大きな影響を及ぼすUVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)を防ぐ目的で使われます。
人間の肌は、UVAとUVB長時間当たることによって、赤みや腫れ、酷い場合には水膨れが生じることもあります。
◇紫外線について詳しくはこちら。
紫外線の何が悪いの?紫外線の正体と良いところ悪いところ教えます!
日焼け止めのSPFとPAの意味とは?SPFとPAの違い
ドラッグストアや化粧品売場で日焼け止めクリームを探していると、「SPF20」「SPF50」とか「PA++」「pa+++」といった表示を見かけますよね。
このSPFとPAは紫外線を防ぐ指標、目印のことです。
地表に届く紫外線には、UVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の2種類があります。
SPFはUVBから肌を守る効果の目安、
PAはUVAから肌を守る効果の目安です。
地表に届く紫外線の内の約95%がUVAです。
UVAのエネルギー自体は弱いものなんですが、その浸透力には驚くべきものがあります。
雲やガラス、衣服までも通り抜け、肌の奥底の真皮まで届いてダメージを与えるのです。
UVAは老化を引き起こし、皮膚がんや白内障などの病気も誘発します。
一方のUVBは波長が短く、強力なエネルギーを持ちます。
肌の表面にダメージを与え、日焼けの原因となります。
日焼けっていうのは、要は火傷です。
サンバーンと言われる急性症状になるとひどい場合は水膨れになってしまいます。
UVBが、どれだけ肌に悪いかわかりますよね。
このUVAとUVBを防ぐ目印になるのがPAとSPFとなるわけです。
〈日焼け止めのSPFの正体とは?〉
SPFはUVBから肌を守る効果の目安でしたね。
SPFとは、英語の 「Sun Protection Factor」 の略です。
「紫外線防御指数」とも言います。
SPFは、紫外線を浴びた際に皮膚が赤くなるまでの時間を何倍に長く出来るかを表したもので、もう少しくだいて言うと、
「何も塗らなかった時と比べてどのくらいの間、紫外線による影響を先延ばしに出来るか」
という値のことです。
UVBによって人間の肌が影響を受け始めるまでにかかる時間は、約20分と言われています。
SPFの値は、この時間をどれだけ伸ばせるかという数字なんですね。
例えば、「SPF30」という表示があったとしましょう。
SPFが30なら、
20分×30=600分=10時間
つまり、
10時間は日焼けを食い止めることができる、というわけです。
同様に、
SPF50の場合は、
20分×50=1000分=16時間40分
数字上、16時間40分までは日焼けを抑制できると考えます。
〈日焼け止めのPAの正体とは?〉
PAはUVAから肌を守る効果の目安です。
PAとは、英語の 「Protection Grade of UVA」 の略語です。
意味は、UVA(紫外線A波)からの防護グレード(階級)といったところ。
UVAから肌を防御して、肌が黒くなるのを防ぐわけです。
PAは「+」の数で表され、「PA値」は最大4つまでレベルがあります。
「+」の数が多いほど防止効果があります。
■ PA値の4段階
「PA+」
「PA++」
「PA+++」
「PA++++」
日焼け止め選び方のポイントと化粧の時の塗る順番
気持ち的には、SPFやPAの数値が高いほど安心できるような気がするのもわかります。
しかし、数値が高い日焼け止めを使用していれば紫外線対策は万全というわけではありません。
数値が高ければそれなりに肌に負担もかかりますし、日焼け止め自体に塗り方にコツもあるのです。
〈紫外線対策で日焼け止めクリームを使うときのコツ〉
まずは、塗り方に注意しましょう。
せっかく日やけ止めや紫外線防止剤入りの乳液などを使っても、十分な量を肌にムラなくつけることを心がけないと、効果が期待できないこともあります。
製品の表示に従って、適度な量をつけるようにしてくださいね。
SPFとPAは、共に日焼け止めを使用する場面に合わせて使い分けるようにするのがコツです。
日常使いならPAは+か++、SPFは15~25で十分です。
■ 生活シーンに合わせた日焼け止めの選び方
● 日常生活:PA ++/SPF 20
ゴミ捨てやちょっとした買い物、洗濯物を干す、など。
● 屋外での軽いスポーツ・レジャー:PA ++~+++/SPF 20~30
スポーツや通勤、散歩などで屋外で1~2時間過ごす場合。
● 炎天下でのレジャー・マリンスポーツ:PA +++ ~++++/SPF 50
晴天の日に長時間、屋外でスポーツやレジャーなどを楽しむ場合
〈最も日焼け止め効果を高めるクリームの塗り方〉
紫外線対策として日焼け止めクリームや紫外線防止化粧品を使用する場合、その効果を最大限に高める方法が2つあります。
日焼け止め効果を高める塗り方その1
■ 厚く塗るよりこまめに塗り直す
日焼け止めは、紫外線量の増える季節に塗る機会が増えます。
そのような時期は気温も高く、汗で流れやすいですよね。
汗で日やけ止めが流れたり、塗った部分を手やタオルなどでこすったりした時は、こまめにつけ直すようにしましょう。
日焼けを用心する人は高めのSPFで選びがちですが、SPFの数値が高くなるとそれだけ肌に負担がかかります。
SPFの数値が低いものでも、こまめに塗り直したほうが効果が保てると言われています。
日焼け止めクリームや紫外線防止化粧品は塗りっぱなしではなく、何度か塗り直すものだと心得るといいですね。
日焼け止め効果を高める塗り方その2
■ 紫外線カットパウダーと併用する
日焼け止めクリームをこまめに塗るのが良いとはわかっていても、レジャーの種類やリゾート地によっては塗り直しが出来ない場合もありますよね。
そんな時は、数値が低い日焼け止めを塗った後に、紫外線カット用のパウダーを塗るのがおすすめです。
パウダータイプというのは、基本的に固体です。
なので肌に浸透するものではないため、肌への負担は少なくなります。
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〈化粧の時の日焼け止めを塗る順番〉
意外に知られていないのが、メイクをする時の日焼け止めを塗る順番です。
基本は、スキンケアのあとに日焼け止めクリームを塗り、化粧下地をつけてメイクをします。
■メイクをする時の日焼け止めを塗る順番
1. 化粧水や乳液をつける
2. 日焼け止めを塗る
3. 化粧下地を塗る
4. メイクをする
今は化粧下地自体に日焼け止め効果があるものもたくさん出ています。
日常の日焼け対策なら、日焼け止めクリームを使わずに、日焼け止め効果のある化粧下地で補うこともできますね。
〈紫外線吸収剤に注意〉
紫外線を効果的に防ぐことができる成分として、紫外線吸収剤があります。
紫外線吸収剤は熱を吸収することによって、肌を酸化させてしまうという作用があります。
酸化させるということは、シミやシワを招く原因となり得るということです。
近頃は、肌への負担やその副作用も考慮して紫外線吸収剤を使用しない製品がかなり増えてきています。
「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」といった表示がされています。
ただ、紫外線吸収剤を使った製品にはメリットもあります。
白浮きがなく、塗り心地もさらさらしている上、汗に強いのです。
近頃では、紫外線吸収剤の研究が進み、肌への刺激を極限に抑えたものもあらわれています。
紫外線吸収剤が入っている製品を使用していても、きちんとクレンジングをして、肌に残さないようにすることでダメージを減らすことができます。
自分の肌や、使うシーンに合わせた日焼け止めを選ぶことが重要ですね。
まとめ
肌へのダメージを考えると日焼けは最小限にとどめたいところですが、日焼け止めが肌の負担になっては困りものですね。
SPFの数値が高くなるほど、成分が強くなります
日ざしが強い時は、帽子や日傘などで日ざしを遮り、紫外線が肌に直接当たらないようにすることも大切です。