七草粥の意味と由来は?
どんな効果や効能があるの?
七草の簡単な覚え方はある?
七草囃子ってなに?
その疑問、解消します!
春の七草はリズムで覚えると簡単!
七草囃子を歌うのにも理由があります。
七草粥にまつわるうんちく、
わかりやすくお伝えします。
七草粥の意味と由来リズムで覚える春の七草
「春の七草言える?」
と、たずねられたことありませんか?
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」
これがおなじみ、春の七草です。
1月7日、この七つの草をお粥にして食べるというのは子供心に不思議行事でした。
「正月7日に七草粥を食べると万病を防ぐんだから」
と親に教えられても、雑草が混じるお粥なんておままごとでも食べないのに、と当時は苦行そのものでした。
七草粥を食べる意味と効果
実際、七草粥ってメジャーですけど、その全貌というか、意味とか由来とか七草自体は深く知られていないんではないかと。
一般的に七草粥は、
・無病息災を願う
こんなふうに言われています。
無病息災とは、病気をしないで健康でいること。
その年1年を健康で平和に暮らせるようにと願いを込めて食べるわけです。
七草粥は平安時代には定着
七草粥の習慣は、平安時代に清少納言により執筆されたと伝わる随筆『枕草紙』に記述があります。
「七日、雪間の若菜摘み、青やかにて、例はさしもさるもの目近からぬ所にもて騒ぎたるこそ、をかしけれ」
現代語訳は、
「七日は、雪の消えた所での若菜摘みは、青々としていて、いつもはそんなもの見馴れない御殿の奥で、珍重して騒いでいるのはおもしろい」
はるか昔、平安の正月七日に清少納言が「七草の節句」を迎えた日のことです。
七草粥の由来
年明けの1月7日は別名『七日正月』『七日節句』とも呼ばれます。
元々は中国の風習だった『七日正月』。
中国ではお正月の7日後が1つの節目、その日に七種類の若葉を汁物で食べると邪気を祓えると考えられていました。
この風習が日本へ伝来すると、年のはじめに若菜を摘む「若草摘み」という日 本古来の風習と結びつき、それが「七草粥」となります。
そうして江戸時代に五節句のひとつとして定着することになりました。
ちなみに五節句とは、中国から伝わった考え方に日本の宮中行事などが合わさったもの。
1年に5回ある季節の節目の日(節日)のことで、
・1月7日(人日)・3月3日(上巳)・5月5日(端午)
・7月7日(七夕)・9月9日(重陽)
を指しています。
五節句は江戸時代の初期には江戸幕府によって「 式日」と定められ、公武行事として行われるようになります。
これによって、「1月7日に七草粥を食べる」という風習が、庶民に広がり定着することとなります。
リズムで覚える春の七草
春の七草の覚え方を伝授しましょう。
覚えるにはリズム、自己流でOKなのでラップ調で繰り返してみてください。
5・7・5・7・7のリズムに合わせ口ずさんでいくと覚えやすいですよ。
7 → ごぎょう・はこべら
5 → ほとけのざ
7 → すずな・すずしろ
7 → 春の七草
七草粥の七草が持つ意味と効果効能
七草の中にはもの凄く身近な食材の古語があったりします。
「えー、マジ?これも七草なの?」
なんていうのも。
春の七草が持つ意味と効果
■ 芹(せり)=「競り勝つ」
芹(せり)は春の野菜として食卓に上がることも多いですね。
秋田県の名物「きりたんぽなべ」でも、材料として香り付けに使われます。
解熱効果や胃を丈夫にする効果、整腸作用、利尿作用、食欲増進、血圧降下作用など、様々な効果があります。
■ 薺(なずな)=「撫でて汚れを除く」
薺(なずな)はぺんぺん草という名称の方がよく知られているのでは。
江戸時代には普通に食材として使われていました。
利尿作用や解毒作用、止血作用、胃腸障害やむくみに効果があります。
■ 御形(ごぎょう)=「仏体」
御形(ごぎょう)は今は「ハハコグサ」と呼ばれることが多いです。
風邪予防や解熱効果、痰や咳に効果があります。
のどの痛みもやわらげてくれます。
■ 仏の座(ほとけのざ)=「仏の安座」
仏の座(ほとけのざ)は、間違いやすいので注意。
現在「ホトケノザ」と呼ばれる別のピンク色の花の植物があります。
春の七草の「ほとけのざ」は「コオニタビラコ」のことで、花は黄色。
胃を健康にし、食欲増進、歯痛にも効果があります。
食物繊維が豊富です。
■ 菘(すずな)=「神を呼ぶ鈴」
菘(すずな)は蕪(かぶ)のことです。
ビタミンが豊富。
胃腸を整え、消化を促進します。
しもやけやそばかすにも効果があります。
■ 蘿蔔(すずしろ)=「汚れのない清白」
蘿蔔(すずしろ)は大根のことです。
すずなが蕪ならすずしろは大根。
葉っぱにも根に負けないほど豊富な栄養があります。
消化を助けて風邪予防にもなります。
美肌効果にも優れています。
■ 繁縷(はこべら)=「反映がはびこる」
繁縷(はこべら)の「ら」の字が抜けてハコベ。
ウサギやニワトリのえさにすることが多いですね。
利尿・歯痛・消炎効果があります。
干してくだいたものはハミガキ粉にもなります。
七草囃子の歌の意味と各地で異なる歌詞
「七草粥」の七草を刻む時は、
『♪ななくさ、なずな、とうどのとりが、にほんのとちに、わたらぬさきに、トントンバタリ、トンバタリ~』
という歌を歌いながら七草を刻むものだ、と祖母から教えられました。
これは「七草ばやし(七草囃子)」という、はやし歌です。
オトナになってからその歌詞は、地方によって違いがあることを知ったけれど、漢字を交えて書くとこんな感じ。
『七草なずな、唐土の鳥が、日本の土地に、渡らぬ(届かぬ)先に、トントンバタリ、トンバタリ~』
唐土の鳥というのは、唐土、つまり中国から飛来する渡り鳥を意味すると思われます。
「唐土(中国などの大陸から来る)の鳥が、変な病気を持って日本にやって来る前にパタリと落ちてしまえ(やっつけよう)」
という意味があり、この歌を聞いた鳥は病気を落とす前に驚いて逃げるという説があります。
学生時代、てっきり七草囃子の歌のテーマは「インフルエンザ」に違いないと思いこみ、
「昔の人はなんて賢いんだ、インフルエンザは大陸からの渡り鳥がもたらすものだと知っていたのか!」
と祖母に熱く語ったところ、
「病気ってのもあるかもしれないけど、私は農作物を食い荒らす鳥を追い払う歌だと思ってきたよ」
なるほど、それもありかも。
鳥は穀物をついばむ農作物の敵。
調べてみると、庶民に拡がった七草粥がいつしか農作物の害鳥を追い払う「鳥追い」の行事と結びついた鳥追い歌という説がありました。
一方で、古代、疫神は外界からやってくるものと思われていました。
「外界から来るもの → 渡り鳥」という連想から、「鳥は疫神を運んでくる」という発想になったのかもしれません。
いずれにしても、まな板を叩く音で害鳥や災厄を追い払い、豊作と健康を願うという呪術的な意味があるようですね。
七草ばやしの歌詞が地域で異なる例
1月6日の夜、七草をまな板の上に載せて、包丁で刻むときに歌う七草ばやしは地域によって歌詞が異なります。例えば、
・山梨県
「七草なずな、唐土の鳥と日本の鳥と渡らぬ先に、あわせてこわせてバッタバッタ」
・栃木県
「七草なずな、唐土の鳥と日本の鳥と渡らぬうちにすととんとんとんとん」
・宮城県
「七草ただげ七草ただげ七草なずなとうどの鳥といなかの鳥と通らぬ先に七草ただげ」
地域や地方によって様々なバリエーションがあるようですね。
七草粥を食べる意味と由来は?効果効能がわかる七草囃子の歌の歌詞 まとめ
七草粥、本来は前日に七草を摘みに出かけ、7日の朝にお粥にしていただくものでした。
摘みに出かけるなんて、ほぼほぼムリなお話でありますが、今はデパ地下の生鮮売り場やスーパーで手軽に七草セットが買える時代です。
七草粥を作るときには伝統に従って、まな板トントン、七草ばやしで厄をはらうのもいいですね。
◇七草粥のレシピはこちらをどうぞ
・七草粥レシピ簡単レトルトで人気アレンジおかずと合う土鍋お粥
・七草粥がまずい美味しくない理由と美味しい作り方お勧め簡単アレンジ