大相撲に「大」がつく意味は?相撲との明確な違いと勧進相撲との関係

大相撲に「大」がつく意味は?相撲との明確な違いと勧進相撲との関係

大相撲の大の意味とは?

なぜ大相撲は『大』相撲なの?

相撲と大相撲を呼び分ける理由は?

いつからそうなった?

その疑問、解消します!

大相撲興行の歴史的背景、

相撲と大相撲が区別される由来、

相撲と大相撲の明確な違いも含めて、わかりやすくお伝えします。

スポンサードリンク
  
 

大相撲の大の意味とは?

子どもの頃はあまり興味がなかった大相撲ですが、大人になるにつれ、相撲中継を見たりするようになり、そのうち、両国の国技館まで足を運ぶようになりました。

マニアとまではいかないまでも、相撲ファンなわけです。

長いこと両国の整体に通っていて、その整体にはお相撲さんたちも通っています。

なので、テレビで見るお相撲さんと間近で遭遇することもよくありました。

そんなことから、あるとき仕事場で同僚から、

「大相撲の『』って何のこと?」

と尋ねられ、

「は?」

「だって『相撲』って言い方あるじゃん。『大相撲』とも言うじゃん。どう違うの?」

「ん、ん~わかんない。素人がするのが相撲で、プロがするのが大相撲ってことかな・・・」

全く自信がないので尻すぼみ的なお返事に。

周りからわりと相撲通っぽく扱われていたのに、大相撲の『大』のことなんて考えたこともなかったわけです。

そう言われてみると、なぜ大相撲というのか、いきなり疑問が生じてきました。

姪が保育園のとき『相撲大会』で優勝した賞状には、『大相撲大会』ではなく『相撲大会』と書かれていたし、高校の相撲部だって大相撲部とは言わないし。

取り組み数や規模によるものなのでしょうか。

相撲好きの父に尋ねてみると、

「プロとアマの違いだろ、そんなことも知らないのか」

力士のおっかけをやってる友人♀に尋ねると、

「プロ相撲とアマ相撲の違いよ」

場所が開催されている間は必ず大相撲を録画しているというスタッフに尋ねたら、

「素人の相撲とプロの相撲の違い。ボクシングとプロボクシングみたいなもの」

皆、質問するやいなや、

プロ(大相撲)なのかアマチュア(相撲)なのかの違い

と返ってくるので、どうやら自分の回答が間違ってはいないようで一安心。

こうなると正しい答えが知りたくなって、自分でも大相撲に大の字がつく由来や理由を調べてみました。

大相撲の由来になった勧進相撲って何?

大相撲のルーツは江戸時代の「勧進相撲(かんじんずもう)」にあります。

勧進相撲とは、寺社の本堂や山門などの建立・修築資金を集めることを目的に開催した相撲のことです。

こうした勧進相撲は、戦国時代からあり、江戸幕府成立当初も、京都、大坂、江戸を中心に全国各地で行われていたようです。

相撲の興行は名目上、神社仏閣の勧進が目的なので、当時は寺社奉行が管轄でした。

勧進相撲は幕府の寺社奉行の許可を得て行われ、『江戸相撲』と呼ばれており、また、勧進相撲の興行が両国回向院で行われたことから、『両国大相撲』とも呼ばれていました。

江戸時代後期の有名な浮世絵師である歌川国郷の「両国大相撲繁栄之圖」と書かれた絵が残っています。

【大】と言う文字には「官許」の意味が含まれています。

官許というのは、政府が特定の人や団体に特定の行為を許すこと。

つまり、

大=お上の許可を得ている

すなわち、当時の大相撲は、幕府から興行の許可を正式に得た相撲興行であるという意味を持っていました。

大相撲に対して地方でも相撲は行われており、『田舎相撲』、あるいは『素人相撲』と呼ばれていました。

現代では大相撲は日本の国技です。

国営放送であるNHKで放映されることからも、『大=お上の許可を得ている』といったニュアンスは今も伝わっているようです。

◇ 大相撲の開催場所や時期について詳しくはこちら。
大相撲は年に何場所開催される?どの時期に何日間どこで行われるの?

スポンサードリンク

大相撲と相撲の違いとは?

言うまでもありませんが、相撲の競技は素手、まわし一枚の姿で土俵上に相対した競技者が、相手と倒し合い、土俵外に出し合って勝敗を競います。

相撲は、腰にまわしをつけた者同士が1対1で勝負する格闘技。

江戸時代に勧進相撲の興行で大当たりしてから、この流れは今、職業力士を擁する『日本相撲協会』と、アマチュア相撲の『日本相撲連盟』の2つが本流として、それぞれの規則によって興行し、大会が催されています。

大会規模が大きなアマチュア大会でも「大相撲」とは言いません。

素人の相撲とは違って、職業力士の相撲興行は入場料やグッズ販売、お相撲さんの給与や褒賞金、などなどたくさんのお金が動きます。

このことからも、『相撲』と『大相撲』の違いが、アマチュアとプロの差であることは明確です。

また、【大】という字には「最高位」といった意味合いもあります。

メジャーリーグの野球のことを『大リーグ』と言うのも、大相撲と相撲にちょっと似ていて、以前はマイナーリーグのことを『小リーグ』と呼ぶこともありました。

地方興行の相撲も、上述の田舎相撲・素人相撲の他に、『小相撲』と呼ばれることがありました。

ちなみに、歌舞伎でも『大歌舞伎』という言い方をしますよね。

これも大相撲と同様で、大歌舞伎は、江戸時代に幕府から興業の許可を正式に得た芝居であることを一言で言い表したものです。

加えて、前述のように「最高位の」という意味をも備えているので、大歌舞伎には『最高の歌舞伎』といった意味合いも含まれています。

大相撲に「大」がつく意味は?相撲との明確な違いと勧進相撲との関係 まとめ

大相撲と相撲の違いは、

『プロ(大相撲)なのかアマチュア(相撲)なのかの違い』

です。

相撲の発祥は江戸時代の勧進相撲(かんじんずもう)にあります。

大相撲の【大】と言う文字には「官許」の意味が含まれ、幕府から興行の許可を正式に得た相撲興行であるという意味合いになります。

また、【大】という字には「最高位」といった意味合いもあります。

江戸時代から続く大相撲の歴史を知ると、これからの大相撲観戦がより味わい深いものになりますね。

◇ 記事中でご紹介した関連記事
大相撲は年に何場所開催される?どの時期に何日間どこで行われるの?

スポンサードリンク