洗濯物を部屋干しすると臭うのはなぜ?
原因は?
洗い直しても臭いのはどうして?
簡単に防ぐ方法はある?
その疑問、解消します!
独特の生乾き臭が発生する理由、
原因から探った解決法、
部屋干し用洗剤を使わなくてもOKな方法も含めて、わかりやすくお伝えします。
部屋干しの臭いの原因とは?
洗濯物を部屋干しした時のあのイヤな臭い。
「部屋干し臭」や「生乾きの臭い」には悩まされますよね。
洗濯物の臭いを取るために、部屋干し用の洗剤を使用したり、もう一度洗い直しをしたりと、洗濯物の臭いを取るために悪戦苦闘したことも数知れず・・・
部屋干しで生ずる独特の臭いは、『生乾き臭』とも呼ばれていますが、あの臭いの原因は、実は雑菌なのです。
イヤな臭いの原因は菌だった!
わたしたちが普段、「臭い」と感じた時は、『菌(bacteria)』が作用していると言っても過言ではないくらい、菌は生活に影響しています。
汚れの原因であるタンパク質(皮脂汚れやタンパク質汚れの原因)を分解したときにできる分解物(脂肪酸など)からも菌は生じます。
2011年、日本農芸化学会は、洗濯後の衣類に発生する雑巾のような臭いの原因は「4-メチル-3-ヘキセン酸」であり、発生原因となる微生物がモラクセラ菌であると発表しました。
なんと、生乾き臭の主犯の菌が解明されたわけです。
■ モラクセラ菌とは?
モラクセラ菌をWikipediaで見ると、以下のようになっています。
モラクセラ・オスロエンシス(英語版) (羅: Moraxella osloensis) は洗濯物の部屋干しの際に発生する悪臭の原因菌であることが同定された。この菌は、増殖する際に雑巾のような悪臭を発生する4-メチル-3-ヘキセン酸という物質を作る。
イヤなニオイ物質のメカニズム
研究によって、モラクセラ菌はとても強い菌だということがわかりました。
モラクセラ菌は、食中毒を起こす代表的な菌の「黄色ブドウ球菌」や「大腸菌」に比べて紫外線に強く、乾燥にも強い性質があるのです。
そのため、洗ったあとの洗濯物に潜むモラクセラ菌は、ある一定の条件が揃うとバリアを作って、洗っても落としにくくなってしまいます。
部屋干しの場合、屋外干しと比べて乾燥に時間がかかりますよね。
また、室内なので日光(紫外線)による殺菌効果もありません。
そうなると、濡れた洗濯物に潜むモラクセラ菌は、洗濯物にわずかに残った皮脂やタンパク質汚れを分解して、部屋干し臭の臭い成分である「4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)」を発生させるというのが、部屋干し臭のメカニズムです。
部屋干しの場合、モラクセラ菌は洗濯物が乾くまでのあいだにどんどん増殖してしまい、臭いの元になる物質の4M3Hもどんどん作られていくことになるのです。
部屋干しの臭いが消えないのはなぜ?
「洗ったのになぜかまた臭いが出る」
「すすぎを増やしても臭う」
洗濯物が臭うからといって、洗い直しをしても臭いが出る理由は、臭いの原因菌(モラクセラ菌)が完全に洗い流せていないからです。
原因菌は数が増えるにつれ、自らを守るようにバリア状に積み重なる性質を持っています。
そのため、洗剤を使って洗濯をしても、流れ落ちにくくなるのです。
前述のように原因菌は、部屋干しのように湿った状態で乾くまでの時間が長いと大増殖していきます。
この増殖の時に、臭いの元になる物質の4M3Hを生み出すわけですから、丁寧に洗い直したとしても、また、部屋干し時に増殖し、嫌な臭いを発生させてしまうのです。
ですが、ちょっとした工夫をすることで、これらを抑制して、臭いを防止、解消することができます。
部屋干しの臭いを防ぐ方法は?
最近は、部屋干しの臭いを解消できるというたくさんの『部屋干し用洗剤』があります。
新しいものが出るたびに試しましたが、わたしの場合、いずれもその洗剤の『香り』、つまり『臭い』が気持ち悪くてNGでした。
部屋干し用洗剤の香りは、一般の洗剤に比べるととても強く感じます。
元々、柔軟剤の臭いも苦手なせいもありますが、部屋干しだと香りが部屋中に充満するので、ちょっとしんどいです。
そこで、部屋干し用の洗剤を使わずに、イヤな臭いを抑える方法にたどり着いたので、そのやり方を2つご紹介しますね。
- 60℃を超える温度で除菌する
- 酵素系漂白剤を使う
60℃を超える温度で除菌する
臭いの原因菌であるモラクセラ菌は、60℃以上の温度で増殖しなくなることがわかっています。
なので、
- 湿った状態の時にアイロンで加熱をする
- コインランドリーの乾燥機で乾燥させる
といった方法で除菌ができます。
■ 湿った状態の時にアイロンで加熱をする
洗濯した衣類は、湿った状態が長ければ長いほど雑菌が繁殖し、生乾きの嫌な臭いが発生してしまいます。
洗濯物がある程度乾いたら、アイロンをかけましょう。
温度を中(150℃程度)以上で、かけるのがコツです。
ただし、アイロンをかけるときにスチームを出してしまうと、水蒸気で洋服が湿ってしまうので、スチームは避けてくださいね。
より有効なのは、脱水後の洗濯物にアイロンをかけることです。
洗濯物から蒸気が出て、ほぼ乾いた状態になるまでかけるのがポイントです。
■ コインランドリーの乾燥機で乾燥させる
コインランドリーにある乾燥機の多くは80~120℃の高温で乾燥させています。
一般的な家庭用乾燥機の場合、ほとんどが60℃の温度まで上がりません。
乾燥機を使うと手早く乾かすことが出来るので、生乾きの嫌な臭いを防ぐためには効果的ですが、乾燥をさせる工程で服が傷んでしまう可能性もあるので、気をつけてくださいね。
酵素系漂白剤を使う
洗濯物に60℃以上の高温を使うことが良いことはわかっても、日常ではなかなか取り入れられないこともあるかと思います。
ここでご紹介する方法は、酸素系漂白剤をお湯で使用するやり方です。
40℃くらいのお湯を使うことで原因菌に対処することができます。
洗濯物の量によって、やり方を変えるとより効果的です。
■ 洗濯物が少量の場合
洗濯物の量が少ない時は浸け置き除菌がおすすめです。
2. 適量の酸素系漂白剤を投入して溶かす。
3. 臭いの気になる洗濯物を漬け込む。
4. 15~20分ほど浸け置きしたのち、普通に洗濯をする。
■ 洗濯物が多い場合
洗濯物の量が多い場合は、洗濯機で洗濯をしながら除菌します。
2. 洗濯機に規定量の40℃くらいのお湯を注ぎ入れる
3. 洗剤を投入後、酸素系漂白剤を投入
4. 洗濯物を入れ、通常通り洗濯を行う
※
洗濯物を入れてから水位を確かめ、それから洗剤や酵素系漂白剤を入れて、お湯を入れる方法でもかまいません。
わたしの場合は、先に洗濯液を作ってから洗濯物を入れるほうが効果的に思えるのでこのような順番にしています。
注意!
漂白剤は50℃を超える熱いお湯で使用しないこと。
生地が傷んでしまう場合があるので、40℃を目安にしてください。
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜるのは危険です。
必ず酸素系漂白剤のみを使って行ってくださいね。
酵素系漂白剤は、液体タイプ(弱酸性)と粉末タイプ(弱アルカリ性)があります。
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どちらを使っても効果はありますが、粉末タイプは衣類の漂白だけでなく、洗濯槽のカビ掃除にも活躍する洗剤です。
ワイドハイターEXパワー 粉末タイプ 本体 530g【ko74td】【ko74td】
部屋干しの臭いの原因!なぜ洗い直しても消えないの?防ぐ方法とは?まとめ
部屋干しのイヤな臭い、生乾き臭の主犯の菌はモラクセラ菌です。
モラクセラ菌が作り出す「4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)」が臭いの原因で、洗い直しをしても臭いが消えない理由は、モラクセラ菌が完全になくなっていないからです。
臭いの原因菌であるモラクセラ菌は、60℃以上の温度で増殖しなくなることがわかっています。
アイロンやコインランドリーを使うと効果的ですが、40℃程度のお湯で酵素系漂白剤を使う方法もあります。
ご紹介した方法は、部屋干しの洗濯物の臭い対策に有効な方法ですが、イヤな臭いを防ぐためには、洗濯をこまめに行なったり、干し方を工夫することも大切です。
洗濯物を干すときは、少しでも風通しが良くなるように、間隔をあけて干してみてください。
また、除湿機やサーキュレーターなどを回せば早く乾くので、部屋干しの臭い対策になります。
部屋干しの臭いの原因は雑菌の繁殖です。
普段から、早めに乾くような工夫もできるといいですね。