ピーマンとパプリカは同じもの?
色が違うだけ?
味や栄養に違いはある?
カラーピーマンとはどう違うの?
その疑問、解消します!
見た目がよく似たピーマンとパプリカの大きな違い、
カラフルな色がある理由、
パプリカの色別の栄養価も含めて、わかりやすくお伝えします。
ピーマンとパプリカは同じもの?
見た目がよく似た形のピーマンとパプリカ。
「ピーマンとパプリカの違いは?」
と尋ねられたら、
真っ先に浮かぶのは
「大きさ」
や
「果肉の厚み」
とか、
「色」
といったあたりでしょうか。
「いやいや、一番違うのは値段じゃないの?」
確かに(笑)。
お手頃価格のピーマンと比べるとパプリカは高価です。
実は、ピーマンとパプリカは大きく分類すると同じ仲間です。
ピーマンとパプリカは、どちらもナス科のトウガラシ属の植物です。
植物学上は、それよりも細かく、明確な分類や定義がされていないんですね。
「トウガラシ」というと「辛い」というイメージがありますが、ピーマンとパプリカは『辛くない大粒のトウガラシ』ということになります。
ピーマンの中には、普段わたしたちがよく食べている緑色のピーマンと、それ以外の色付きのピーマンがあります。
一般的なピーマンは、完熟する前に収穫するので「緑色」をしています。
ピーマンを完熟する前に収穫をしないで、そのまま熟させていくと、色は黄色やオレンジ、赤色へと変化していきます。
これが「カラーピーマン」と呼ばれるものです。
ちなみに、カラーピーマンを大きく分けると5種類あります。
- パプリカ・・・大型で果肉が厚い
- ジャンボピーマン・・・パプリカよりやや小ぶりで果肉もやや薄い
- トマトピーマン・・・トマトのような形
- 小型のカラーピーマン・・・大きさは通常のピーマンに近い
- くさび型ピーマン・・・ししとうのような形で、先がとがった長くさび形と短くさび形がある
ピーマンが熟したものがカラーピーマンで、カラーピーマンの種類にパプリカがあります。
ちょっとややこしいですね。
先述のようにピーマンとパプリカは同じ品種なので、それぞれを分けるハッキリした定義があるわけではありません。
ざっくりいえば、
「パプリカとピーマンは『辛くない大粒のトウガラシ』という同じ仲間だけど種類が違う」
ということです。
ピーマンとパプリカの違いは
ピーマンとパプリカの大きな違いは、その大きさと果肉の厚さ、そして味」です。
果肉が薄くて細長いものがピーマン、果肉が厚くて全体的に大きなものがパプリカ。
苦いのがピーマン、甘いのがパプリカ、といったところです。
一般的には、果肉の色が緑色なのがピーマンで、赤や黄色やオレンジとカラフルなのがパプリカ、食べた時にピーマンには苦味があり、パプリカは甘いということなどで区別されています。
ピーマン
パプリカに比べると、実が小さめで皮は薄く、濃い緑色が特徴です。
種類によってはパプリカに比べると細長い形をしています。
味は青臭く、独特の苦みがあり、完熟前ならではのシャキシャキした歯応えがあります。
ピーマンはアメリカ原産の野菜で、日本には明治時代に入ってきたとされています。
パプリカ
パプリカはピーマンと比較すると実は大きく、肉厚で甘みがあるのが特徴です。
形はピーマンと比べると丸みをおびた形をしています。
赤や黄色、オレンジとカラフルな色が特徴で、料理に華やかさを添えます。
パプリカの品種を作り、育てたのはハンガリーで、現在も一大産地として知られています。
パプリカはオランダ語でピーマンを意味します。
ハンガリー、オランダ、韓国、ニュージーランドなどで多く生産され、輸入品が多く出回っていますが、茨城県、広島県、宮城県などの国内でも生産されています。
ピーマンとパプリカの栄養価に違いはある?
ピーマンやパプリカは、ビタミンやカロテン、食物繊維などを豊富に含む野菜です。
ピーマンやパプリカに含まれるビタミンは、熱によって壊されにくい特徴があります。
加熱しても効率よく身体に必要な栄養素を摂取できるのは嬉しいところですね。
栄養面ではパプリカに軍配が上がります。
パプリカは、ピーマンと比較すると、ビタミンCもカロテンも約2倍以上あります。
文部科学省の食品成分データベース(日本食品標準成分表2015年版/七訂)によると、
- 緑ピーマン生(100gあたり)ビタミンC:76mg/βーカロテン当量:400μg
- 赤パプリカ生(100gあたり)ビタミンC:170mg/βーカロテン当量:1100μg
となっています。
パプリカは、色によっても栄養素が異なります。
赤パプリカの特徴
いろいろなカラーがあるパプリカの中で、味が最も甘いのが赤パプリカです。
老化防止に効くと言われる抗酸化物質のカプサンチンを多く含みます。
身体の余分なコレステロールを下げ、動脈硬化や心筋梗塞を防ぐと言われています。
黄パプリカの特徴
黄パプリカは、シミ・ソバカスを防ぐビタミンCを特に多く含んでいます。
肌年齢の老化を防ぐアンチエイジング栄養素のひとつ、ルテインも多く含んでいます。
オレンジパプリカの特徴
オレンジパプリカは、βカロテンをピーマンの約20倍、ビタミンCもピーマンの約3倍で、ビタミンEも多く含んでいます。
β-カロテンは抗酸化作用によって老化を防ぎ、生活習慣病の予防に役だつとされています。
ビタミンCは、美白効果や免疫力の向上が期待でき、ビタミンEは「若返りのビタミン」と呼ばれエイジングケア効果があるとされています。
オレンジパプリカは赤と黄色、両方の成分を含んでいるので、栄養素的には一押しのカラーです。
ピーマンとパプリカは同じもの?色が違うだけ?味や栄養の違いは?まとめ
ピーマンとパプリカは大きく分類すると同じ仲間です。
どちらもナス科のトウガラシ属の植物で、
ざっくりいえば、
「パプリカとピーマンは『辛くない大粒のトウガラシ』という同じ仲間だけど種類が違う」
ということです。
一般的には、果肉の色が緑色なのがピーマンで、赤や黄色やオレンジとカラフルなのがパプリカ、食べた時にピーマンには苦味があり、パプリカは甘いということなどで区別されています。
パプリカは、ピーマンと比較すると、ビタミンCもカロテンも約2倍以上あります。
ピーマンとパプリカは、どちらも美味しく、目にも楽しい野菜です。
ピーマンやパプリカに含まれるビタミンは、熱によって壊されにくい特徴があるので、健康と美容のためにも、どちらも積極的に食べたい食材ですね。