そろばんの「ご破算で願いましては」とはどういう意味?
8月8日が「そろばんの日」なのはなぜ?
その疑問、解消します!
珠算の「ご破算」と「願いましては」の由来、
「也」の意味、
毎年8月8日に行われる「全日本珠算選手権大会」も含めて、わかりやすくお伝えします。
そろばんのご破算で願いましてはとはどんな意味?
小学校の時に近所のそろばん教室に通っていました。
そろばんを習ったことのある人ならわかると思いますが、まずは、
「めざせ3級!」
です。
珠算の検定試験で最初のハードルとなるのが3級。
この3級をとっておけば、
「そろばんやってました!」
と堂々と言えますし、履歴書なんかにも書けます。
わたしの場合、小学校4年生のときに3級の検定試験に落ちて挫折。
そろばん教室もやめてしまいました。
いま思えば、3級を取るまで頑張ればよかった・・・
ちゃんと習っていたら暗算がもっと早くなってたかも。
ということで、そろばんの読み上げ算の際に最初に発せられる、
「ご破算で願いましては~」
は、そろばん教室を悔恨と共に思い出す懐かしいフレーズであります。
願いましてはの意味は?
そろばん塾や教室では、読み上げ算をみんなで一斉に計算する時に、読み手である先生が数字を読み上げていきます。
読み上げ算というのは、読み上げられる数字を加法もしくは減法で合算していくものです。
簡単に言えば、数字を他人に読み上げてもらってそろばんで計算する方法です。
これに対して、紙に書いてある数字を見ながらひとりで行うそろばんの計算のことを「見取り算」といいます。
読み上げ算では、読み手は問題を読み上げる前に、
「願いましては」
という言葉を述べます。
掛け声というか、合図みたいなもんですね。
わたしが通っていたそろばん教室では、
「ご破算で願いましては」
というフレーズでした。
ご破算とは、「払いをゼロにする」という意味です。
ご破算=0
それまで計算したそろばんの珠を初期の状態に戻すという意味です。
「一度そろばんをリセットして、はじめから計算してくださいね」
という合図になります。
「願いましては」も「ご破算で願いましては」も、日常で使わない言葉ですよね。
「ご破算で願いましては~」
と初めに言うのは、
「今までの計算はすべて白紙に戻して、ここから新しい計算に移りますのでよろしくお願いします」
といった意味合いです。
これは、そろばんが古くから使われていたことが関係しています。
そろばんは、江戸時代(1603~1868)、中国から伝わってきたものです。
当時のそろばんは、主に商家などで商売の勘定に使われていました。
帳簿などの計算のため、そろばんによる計算は読み手と使い手(そろばんで計算する人)のペアで行われるものでした。
そのときに、大人同士のマナーで、
「お願いします」
と言ってから、帳簿を読み上げていったといわれています。
読み手は礼儀として「願いましては」と言い、その習慣が現代に残っているというわけですね。
このように「願いましては」には、「これから計算をお願いします」という意味があります。
なので、「ご破算で願いましては」の意味は前述のように、
「今までの計算はすべて白紙に戻して、ここから新しい計算に移りますのでよろしくお願いします」
となるのです。
ちなみに、「ご破算(ハサン)で」の発音が「破産」に通じて縁起が悪いということで、商売人たちは「ご和算(わさん)で」と言ったという説もあります。
また、縁起担ぎから「ご破算」を使わずに省略して、「願いましては」から始める場合もあったようです。
「~円也」の意味は?
「◯◯円也(なり)」と言うのも、読み上げ算の特徴です。
「也」というのは、「です」とか「ます」と同じように、断定を意味する言葉です。
お祝いの席のご祝儀で、封筒に「金○○万円也」と書いてあるのを見たことがあるかと思います。
あの「也」は、「1万円である」や「1万円です」という意味になります。
そろばんの「◯◯円也」は、そろばんを使った計算はお金に関するものが多かったことと、ひとつの数字ごとに区切りを入れるために、「也」という言葉が使われたとされています。
8月8日がそろばんの日なのはどうして?
8月8日はそろばんの日です。
なぜ8月8日がそろばんの日なのか、ちょっとクイズです。
感のいい人ならすぐわかっちゃいますね。
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8月8日、ゾロ目で「パチパチ」。
そろばんの珠を弾くときの「パチパチ」という音の語呂合わせが由来です。
そろばんの日は、全国珠算教育連盟が1968年に制定した記念日です。
毎年8月8日にはそろばんの日にちなんで、「全日本珠算選手権大会」が開催されています。
「全日本珠算選手権大会」は全国珠算教育連盟が主催しており、珠算暗算の技能の日本一を決定する競技会です。
実際にそろばんを使って計算する珠算種目と、頭の中で計算する暗算種目の個人総合競技をはじめ、各種目競技や都道府県対抗競技などがあります。
乗算
除算
見取算
乗暗算
除暗算
見取暗算
■ 読上算競技
■ 読上暗算競技
■ フラッシュ暗算競技
■ 都道府県対抗競技
総合競技で、最高得点を取った人が「そろばん日本一」です。
以前テレビで優勝者のインタビューを見たことがありますが、普段から常に本番の競技を意識して緊張感を持った練習をしていると言ってました。
すごいですね。
3級の検定で挫折した自分が恥ずかしい^^;
2008年からは、小学生のそろばん日本一を決める「小学生そろばん日本一」も加わりました。
そろばんのご破算で願いましてはとはどんな意味?なぜ8月8日が記念日?まとめ
そろばんの読み上げ算のときに読み手が言う、
「ご破算で願いましては」
というのは、
「今までの計算はすべて白紙に戻して、ここから新しい計算に移りますのでよろしくお願いします」
といった意味合いです。
8月8日のそろばんの日は、全国珠算教育連盟が1968年に制定した記念日です。
この日になったのは、そろばんの珠を弾くときの「パチパチ」という音の語呂合わせが由来です。
毎年8月8日にはそろばんの日にちなんで、「全日本珠算選手権大会」が開催され、「そろばん日本一」が決定します。
今は計算機があるので簡単に計算できますが、そろばんは高い集中力や暗記力が要求されます。
アナログとも思えるそろばんですが、右脳の強化による記憶力の向上に効果があるといわれ、最近は子どもにおすすめの習い事のひとつになっています。
大人のそろばん教室も人気です。
そろばんが脳を活性化させ、認知症予防に役立つということで、シニア専門の塾やお教室もあります。
アメリカやヨーロッパ諸国では「そろばん」という言葉がそのまま浸透しています。
英語で「ご破算~」は「Clear please(クリアプリーズ)」
「願いましては」は「Starting with(スターティング ウィズ)」
海外でも評価され、右脳の強化にも役立つそろばん。
興味があれば、是非チャレンジ&再チャレンジしてみてくださいね。