9月を長月と呼ぶ由来は?旧暦と新暦の季節の違いでわかる名前の意味

9月を長月と呼ぶ由来は?旧暦と新暦の季節の違いでわかる名前の意味

9月を長月と呼ぶのはなぜ?

意味や由来にはどんなことが含まれてるの?

旧暦の九月の呼び名は他にもある?

その疑問、解消します!

由来に多くの説がある要因、

どうして「長」の字を当てたのか、

旧暦と新暦の季節感の違いも含めて、

わかりやすくお伝えします。

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長月とはいつのこと?

9月はまだまだ暑さが残っていますが、それでも夏のうだるような暑さとは違って、夜になると秋の気配を感じます。

以前、競馬ファンの友人たちが「ながつきステークス」で大当たりして、焼き肉をご馳走してくれたことがあります。

食事のあとは夜の街に繰り出して、みんな上機嫌で2軒め3軒めとはしごしたのも楽しい思い出、今年も密かに彼らの勝利を願っております。

JRA(日本中央競馬会)のレース、「ながつきステークス」は、旧暦の9月が「長月(ながつき)」と呼ばれることから名付けられたレース名だと思われます。

旧暦をレースのネーミングに使うなんてなかなかしゃれてますよね。

「ながつきステークス」が9月開催のレースだということがわかりやすいですし、恩恵に授かった身としては風情も感じます^^

ふだん競馬をやらなくても「ながつきステークス」と聞けば、9月に行われるレースとわかる方も多いのではないでしょうか。

ちなみに、「ステークス」というのはJRAの賞金形態のひとつです。

本来のステークスは馬主同士が賞金を拠出して、その賞金を取り合うレースのこと。

現在、本賞金は全額主催者のJRAが出しているので、登録料を「付加賞」として1着から3着まで7・2・1の割合で配分する形で残っています。

さて、長月は旧暦の9月を指しますが、他の月にもそれぞれの名前があります。

1873年(明治6年)の1月1日から今の暦(新暦)が使われるようになったんですが、その前まで(旧暦)は、各月に別名がついていました。
 

旧暦の名称

  • 1月:睦月(むつき)
  • 2月:如月(きさらぎ)
  • 3月:弥生(やよい)
  • 4月:卯月(うづき)
  • 5月:皐月(さつき)
  • 6月:水無月(みなづき)
  • 7月:文月(ふみつき)
  • 8月:葉月(はづき)
  • 9月:長月(ながつき)
  • 10月:神無月(かんなづき)
  • 11月:霜月(しもつき)
  • 12月:師走(しわす)

 

旧暦の名称は、学生の頃、古文で習った覚えがあると思います。

12月の別名「師走」は、年末の慌ただしい様子を表す月名として、現在でもよく使われていますね。

旧暦は現在使用されている太陽暦(新暦)にそのまま適用すると、季節感が合わなくなります。

旧暦の長月は、現在の10月上旬から11月下旬

ですが便宜上、新暦の太陽暦においても9月を長月と呼んでいます

9月が長月と呼ばれる由来は?

9月の別の名前が長月。

長月と呼ぶからには、

「何かが長いのかしら」

と想像しますが、その由来には諸説あります。

どれが正解というのはありませんが、代表的なものをお伝えしますね。

夜が長い「夜長月」から

最も広く知られているのは、「夜長月(よながつき)」から、長月になったという説です。

日増しに夜が長くなるから「夜長月」。

今の新暦では昼と夜の長さがほぼ等しくなる秋分の日(9月23日頃)は、旧暦では前の月になります。

そのため、この旧暦の9月ごろはどんどん日が短くなって、反対に夜が長くなっていくことから、「夜長月(よながつき)」と呼ばれたというわけです。

で、いつしかその「夜長月」が省略されて、「長月」となったという説が一般的に広く知られている説です。

確かに、秋分の日を境に日の短さは体感します。

10月に入ると日が落ちるのがますます早くなるので、「秋の夜長」なんて言い方もしますよね。

旧暦の長月が、現在の10月上旬から11月下旬だということを考えれば、「夜長月」が省略されて「長月」になったというのは納得です。

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雨が多く長く降る「長雨月」から

長雨月(ながめづき)」という、「雨が多く長く降る月」という意味の名前から変化したという説もあります。

「秋雨前線」とか「秋の長雨」など、今も、9月の中旬頃から10月の上旬あたりに降る長雨を指す言葉がありますよね。

この「長雨月」も「夜長月」同様、使われる中で省略されるようになり、「長月」になったという説です。

稲刈りの「稲刈月」から

旧暦の長月は、現在の10月上旬から11月下旬でしたね。

この時期はちょうど稲刈の時期

稲刈月(いねかりづき)」と呼ばれたものが、「ねかづき」となり、さらに転じて「長月」となったという説です。

稲の収穫についての説は他にも、「稲熟月(いなあがりつき)」、「穂長月(ほながづき)」の読み方を省略して「長」をあてたという説などがあります。

長月以外の9月の呼び名は?

旧暦の9月を長月と呼び、今の新暦の9月でも別名として用いられている長月。

9月の呼び名としては最もポピュラーですが、長月の他にも、9月にはいろいろな呼び名があります。

季節の草花を用いた名前

紅葉月(もみじづき)」・「菊月(きくげつ・きくづき)」・「菊咲月(きくさきづき)」・「菊開月(きくさきづき)」など、秋ならではの紅葉や菊が呼び名になっています。

木の葉が色づくという意味の「色取り月(いろどりづき)」というのもあります。

秋を用いた名前

旧暦の9月の名称には、秋そのものを使った呼び名も多くあります

晩秋 (くれのあき・ばんしゅう)」・「涼秋 (りょうしゅう)」・「高秋 (こうしゅう)」・「季秋 (きしゅう)」・「梢の秋木末の秋 (こずえのあき)」などは、まさに秋といった感じですね。

旬の菊と合わせた「菊秋 (きくあき・きくしゅう)」というのもあります。

他の気になる異名

9月の別名に、「寝覚月(ねざめづき)」というものがあります。

夜が長くなり、夜中に目覚めることが多くなることから名付けられたといわれています。

秋の夜の長さを強調した名前ですね。

9月を長月と呼ぶ由来は?旧暦と新暦の季節の違いでわかる名前の意味 まとめ

旧暦では9月のことを「長月(ながつき)」と呼びます。

便宜上、新暦の太陽暦においても9月を長月と呼んでいます。

旧暦の長月は、現在の10月上旬から11月下旬。

長月と呼ばれる由来は諸説ありますが、

  • 夜が長い「夜長月」から
  • 雨が多く長く降る「長雨月」から
  • 稲刈りの「稲刈月」から

などが知られています。

長月の他にも、9月にはいろいろな呼び名があります。

その多くは、秋という季節感が反映されたものです。

昔の人は、自然を感じながら暮らし、同時に美しい日本語を生み出してきたんだなぁと改めて感心します。

四季を味わえる日本の自然に感謝しながら暮らしていきたいものですね。

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