なぜ7月を文月というの?
どんな読み方をする?
名前の意味や由来は?
どうして「文」?
他にも別名はある?
その疑問、解消します!
旧暦と新暦で異なる7月の季節感、
文月と呼ばれる代表的な4つの説、
文月以外の別名の成り立ちも含めて、
わかりやすくお伝えします。
文月はどんな読み方をするの?
わたしたちが普段つかっている暦やカレンダーは、1月、2月、3月、といったように、殆どが「月」を数字で呼んでいますよね。
ですが、和風のカレンダーの中には1月から12月を和名で書いているものもあります。
国語や古文の授業でも、月の異名や別名を習った覚えがありませんか?
和名で書かれた月の日本風の呼び名を「和風月名(わふうげつめい)」などと言うことがありますが、7月は「文月」と呼ばれています。
文月の読み方は、「ふみづき」もしくは「ふづき」です。
もともと和風月名は、気候や祭事などに関連してつけられたものが多く、旧暦ではその季節にあった名称でした。
それが、なぜか新暦になっても「1月=睦月」「2月=如月」と言うように、月の順番に固定して使われています。
なので、新暦を採用している現代でも旧暦の7月を指す文月という呼び名が残っているのです。
ですが、旧暦は太陰太陽暦という暦を使っていたので、単純に今の新暦(太陽暦)にあてはめると、ズレが生じます。
7月といえば、真夏をイメージしますよね。
でも、旧暦の文月は7月下旬頃から9月上旬ごろにあたるのです。
旧暦と新暦では実際の季節とは1ヶ月から2ヶ月くらい、ずれた名前になっています。
◇ 和風月名の話題 こちらもご参考に。
・睦月から始まる旧暦の月の名前の由来と意味、別名や異称の読み方は?
・日本の旧暦の月名「和風月名」もう忘れない別名の覚え方オリジナル5選
文月という名前の意味は?
旧暦と新暦の違いがあるので、本来の文月はピッタリ今の7月という時期を指すものではないんですね。
今の7月といえば夏の真っ盛り。
一方、旧暦の7月というのは季節としては「秋」にあたります。
文月の “7月下旬頃から9月上旬ごろ” という秋の頃合いと、「文月」という名前はどのようにつながるのでしょうか。
文月の由来や語源には諸説あります。
代表的なものは以下のようになります。
- 七夕の文披月が由来
- 稲穂が膨らむから
- 成長する稲穂を観察するから
- 中国の虫干しの行事由来
ひとつづつ、ご紹介しますね。
七夕の文披月が由来?
文月の語源の由来で最も有力なのは、「文披月(ふみひらきづき・ふみひろげつき)」という言葉が省略されて「文月」になったとする説です。
文披月には「文(ふみ)を広げて晒す月」という意味があります。
これは、七夕の時に、「短冊」に願いごとや詩歌を書いて笹の葉飾りに飾るという風習を指しています。
七夕の風習は今でも続いてますね。
短冊に自分の願いや詩歌を文字で文章にして綴る(文を書く)、そしてそれを飾る(広げて晒す)ということから「文披月」と呼ばれ、それが省略されて「文月」となったというわけです。
ただ、この説には異論もあります。
というのは、七夕の行事は奈良時代に中国から伝わったもので、元々日本にはないもの。
奈良時代の前から文月と呼ばれていたので、七夕由来はちょっと違うんじゃないかという意見です。
ということから、次にご紹介する「含み月」「穂含み月」が由来だとする考え方もあります。
◇ 七夕の短冊について詳しくはこちらをどうぞ。
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・七夕に短冊を飾る由来と色の意味を知って願い事は色別で叶えよう!
稲穂が膨らむから?
旧暦の7月頃は、稲穂が膨らみ始める季節でもありました。
秋は収穫間近の稲穂が大きくなってくる時期。
『無事に成長した米が稲穂に含まれている月』といういう意味で七月を「含月(ふくみづき)」と呼び、それが変化して「ふみづき」となり、後から「文月」という漢字を当てはめたという説です。
成長する稲穂を観察するから?
夏から秋にかけては、秋の収穫、稲穂の実りが気になる時期でもあります。
そのため、稲穂をよく見る月という意味の「穂含月(ほふみづき・ほみづき)」が元になっているという説です。
中国の虫干しの行事から?
中国では七夕に書物を天日干し(虫干し)する習慣がありました。
書物(文)を開いておひさまにあてることから「文開月(ふみひらくつき)」と呼ばれていた習慣が由来という説です。
文月以外の旧暦7月の別名は?
旧暦の7月である文月の由来だけでも、いくつもの別名が転じたものです。
7月の別名には、文月以外にも様々なものがあります。
- 女郎花月(おみなえしづき・をみなえしづき):女郎花の花が咲く月
- 建申月(けんしんげつ):「建」は北斗七星の柄。その柄が旧暦で申の方位を向く季節の意
- 孟秋(もうしゅう):“孟” は “初” の意。秋の初めを意味する
- 初秋(はつあき):暦の上では秋にあたるため
- 愛逢月(めであいづき):彦星と織姫が出会う七夕の伝説にちなんで
- 涼月(りょうげつ):風を涼しく感じる季節
- 書披月(ふみひろげつき):「文披月」と同じ意味
- 七夕月(たなばたづき):七夕がある月
- 親月(しんげつ・ふづき):お盆で親のお墓参りをする月という意味
上記以外にも、
- 桐月(とうげつ)
- 七夜月(ななよづき)
- 蘭月(らんげつ)
- 相月(そうげつ)
- 秋初月(あきそめづき)
といったものもあり、他にもまだあるようです。
旧暦の7月というのは季節としては「秋」。
なので、秋を感じる名前がありますね。
四季折々の季節を味わえる日本ならではのネーミングです。
なぜ7月を文月というの?名前の読み方の意味でわかる由来と他の別名 まとめ
文月は、新暦7月の別名であり、旧暦7月のことでもあります。
読み方は、「ふみづき」もしくは「ふづき」です。
文月の由来や語源には諸説あります。
代表的なものは、
- 七夕の文披月(ふみひらきづき・ふみひろげつき)が由来
- 稲穂が膨らむから
- 成長する稲穂を観察するから
- 中国の虫干しの行事由来
7月には、「女郎花月(おみなえしづき・をみなえしづき)」や「建申月(けんしんげつ)」など、文月以外にも様々な別名があります。
旧暦7月は今で言うと7月下旬~9月上旬くらい。
旧暦と新暦のズレを理解すると、7月の別名に秋にちなんだ名前が多いのもうなずけますね。
ひとつの月をさまざまな視点で捉える日本人の豊かな感性、ネーミングの妙には驚くばかりです。
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