喪中のあなた、年末年始お正月の過ごし方で悩んでる?喪中期間に非常識と思われないための注意点をQ&Aチェック!未使用のお正月飾りから大掃除・年越しそば、年賀状・初詣・おせち料理・お年玉等など、気にする所と気にしなくていい所をわかりやすく解説します。
喪中でストップお正月飾り喪中の意味とは
年の瀬まもなく夫の祖父を亡くした友人。
初めて迎える喪中の年末年始、お正月の過ごし方に悩んでいます。
「おせち料理、頼んじゃってるんだけど食べちゃダメ?」
「食べ方次第で全然OK」
「良かったー、それとママ友たちと初詣の話が出てたのは?」
「それムリ」
「さすがにお正月飾りがよくないのはわかってるんだけどさ」
「当たり前じゃないの」
「今年に限って早めに買ってたのよねー」
んー、買ってあってもこればかりはしょうがない。
喪中にお正月飾りはNGです。
〈未使用のお正月飾りはどうする?〉
さて、この使わなかったお正月飾り、どうすればいいのでしょう?
処分するのか、保存しておいて次の年に使うのか?
しめ縄に使用されている縄は、今年に収穫された稲米やもち米の藁で作られており、それを歳神さまをお迎えするために飾るものです。
未使用でも、一年間、家に保管されていたものは古いものと見なして、来年は新しく入手する方が良いという考え方もあります。
この場合、お正月飾りは未使用のまま、どんど焼きで焚き上げてもらいましょう。
一方、近頃は毎年買い換えることをしないで、使いまわす人たちもいます。
お正月飾りのしめ飾り自体がおしゃれっぽくアレンジされているものなどは、小洒落た箱入りになっているのもあります。
売り手側も、
「毎年使えますよー」
なんて言って、もったいない心をくすぐってきます。
(という私も数年前買いました)
しめ縄などのお正月飾りは縁起物。
お正月の縁起物の扱い方に、
「これが正解、あれが間違い」
といった決まりごとはありません。
ただ、毎年買い替えるのが習わしのようになっているだけに、何か有った時、
「アレが原因?」
と考えてしまう事もあるかもですが、実際、オーナメントとして捉える人が増えているのも事実。
それぞれ考え方は自由ですが、安心出来る方を選べるといいですね
喪中の時は、
「おめでたいことはNG」
ということは漠然とはわかりますよね。
お正月飾りがアウトなのはわかっていても、日本の伝統行事でもあるお正月アイテムの一つ一つをとってみると、何がダメで何がいいのかいいのか悩みどころです。
どのあたりが線引きになるか、まずは喪中の意味がわかれば自ずと理解できますよ。
〈喪中とは〉
身内の人、近親者が亡くなると、「忌中」と「喪中」という喪に服す期間を迎えます。
「喪」とは、亡くなった人を偲び、一定の期間、故人の冥福を祈ってお祝い事などから身を慎むこと。
喪に服すの「服す」とは、従う・その通りにする・服従、という意味があります。
なので、“喪に服す”っていう意味は、
「亡くなった人の近親者が、ある一定期間、外出や社交的な行動を避けて身を慎む」
ということになります。
忌中・喪中はともに古来の慣習の一部が簡略化して引き継がれたもの。
実際、忌中と喪中がどこまでなのか定められていませんが、一般的には49日までが忌中で一周忌までが喪中となります。
この期間は、社交的な場には出ないようにするわけですから、お祭りやお祝いの席も当然ダメですよね。
「おめでとう」
の挨拶をしないとか、年賀状を出さないことは広く知られていること。
では、それ以外にお正月モードでのNGはあるのでしょうか?
喪中のお正月年末年始の過ごし方Q&A
喪中というのは故人を偲び、なるべく派手な行動やお祝い事は控えようと思う気持ちで過ごす期間です。
一方、お正月は日本の伝統行事、国民の祝日にもなっているお祝い事。
お正月は旧年を無事に過ごせたこと、新しい新年を迎えることをみんなで喜び、お祝いするイベントですから、喪中である場合は控えるべきイベントとなるわけです。
では、具体的にしてはいいこといけないことをQ&A式で説明していきますね。
〈Q.大掃除はしていいの?〉
A. はい、OKです。
一年の汚れはその年にきれいにしたいもの。
そもそも大掃除は “派手な行動やお祝い事” とは違います。
思う存分どうぞ。
〈Q. 新年の挨拶は何ていうの?〉
A. あなたが「おめでとう」を使わなければOK。
「昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします」
が無難です。
当たり前のことですが、先方から「おめでとうございます」と言われる分にはまったくかまいません。
「本年もよろしく」
などと、おめでとう抜きでご挨拶すればいいのです。
〈Q. お正月のお飾りはどうするの?〉
A. 新年を迎えるお祝いのための飾りやお供え物は飾りません。
正月飾りは晴れがましいことなので、門松・玄関飾り・しめ縄・鏡餅は控えます。
ただ、地域によっても違いがあります。
あなたの地域はどうなっているのか、親や親戚、年長者の方に教えてもらうといいですね。
〈Q.年越しそばを食べてもいいの?〉
A. はい、OKです。
年越しそばを食べる意味は諸説ありますが、メジャーなのは、
・切れやすい → 一年の厄を断ち切る
・細長い → 長生きを願う
お祝いごととは違いますね。
喪中でもご家族みんなで食べてもOKです。
〈Q. 年賀状が届いてしまったら?〉
A. 寒中見舞いを出します。
松の内(1月7日)が過ぎたら、立春(2月4日ごろ)までの間に寒中見舞いを出
しましょう。
■ 寒中見舞いの例
寒中お見舞い申し上げます。
寒さはこれからが本番ですが、皆様にはお変わりございませんか。
【故人続柄】の喪中のため年頭のご挨拶を差し控えさせていただきました。
旧年中にお知らせ申し上げるべきところ、年を越してしまいました非礼を深謝いたします。
寒い日が続きますが、風邪など召されませぬようお気を付けください。
平成○○年 一月
寒中見舞いについて詳しくはこちら。
寒中見舞いは年賀状の代わりいつがマナー喪中の方へ文例も
〈Q. おせち料理やお雑煮は食べていいの?〉
A. はい、どちらもOKです。
基本おせちはお祝い事の料理なので、喪中の時は食べないとされていますが、近年では、お正月の料理という形にしないのであれば、食べてもいいという傾向になっています。
普段料理として食べるという考え方です。
たとえば
■ 重箱を使わない
■ おめでたい意味を指す食材は使わない
・鯛 → 「めでたい」の語呂合わせ
・海老 → 「腰が曲がるまで丈夫なので長寿の縁起物」
・昆布 → 「よろこぶ」の語呂合わせ
・紅白かまぼこ → 紅は魔除け、白は清浄の意味がある
・伊達巻 → 諸説あるが、学問や習い事の成就を願う縁起物
・錦卵 → 白と黄色の二色(ニシキ)の語呂合わせ
・栗きんとん → 「金団」=財産で、富を得る縁起物
・紅白なます → お祝いの水引きを表す。平和と平安を願う縁起物。
・お多福豆 → 福が多い
おせち料理には上記のような意味がこめられています。
人によってこだわり方はさまざま。
おせちを嫌がる人が身内にいる場合は無理強いしないように、喪中に合った食材で代替できるといいですね。
お雑煮も普段料理と考えて食べる家庭も多いようです。
〈Q. お年玉はあげてもいいの?〉
A. はい、OKです。
お年玉は、「歳神(としがみ)様」に供えた鏡餅を、参拝者に配ったのが始まりとされています。
もともとは神事なので、お年玉をあげたりもらったりするのは、何の問題もないです。
紅白の水引のついたポチ袋は避けてくださいね。
〈Q. 初詣に行っていいの?〉
A. 神社と寺社で考え方が違います。
■ 神社
神社によってもOKのところとNGのところがあるので行かれる神社に聞いてみるのが一番ベスト。
初詣の時、まず目にするのが鳥居。
この鳥居は「神の聖域」なので、喪中の時は足を踏み入れてはいけないとされています。
基本的に忌があけたら、神社へのお参りは大丈夫としているところもあります。
神社では死は「穢(けが)れ」とされていて、穢れである期間の「忌中」は、神社で参拝するのはもちろん、神の聖域である鳥居をくぐることもNGとなっています。
■ お寺
お寺には、「死は穢れ」という考えがありません。
なので、喪中でも参拝することができます。
喪中のお正月の過ごし方キリスト教と浄土真宗
ここまで一般的な喪中のお話をしてきましたが、宗教によっても喪中の捉え方は違います。
■ キリスト教
忌中や喪中はありません。
キリスト教では天に召されたことが「死」。
なので、特に禁止事項もなく、NGなこともこれといってありません。
お正月も個人が好きなように過ごしてかまいません。
■浄土真宗
忌中や喪中はありません。
浄土真宗では、亡くなった方がこの世で迷っているとか、亡くなった方のために供養するという概念がないため喪に服する(喪中)という概念がありません。
浄土真宗の教えでは亡くなった方は、
「阿弥陀様のところへ還っていき、仏様になる」
なので、
死も悪いことではなく、個人の好きなように過ごしてかまわないのです。
喪中ハガキも出しませんし、参拝、鏡餅、おせちなどもノープロブレム。
ただ、日本の風習からいうと、世俗の習慣に逆らうような非常識と思われるかもしれません。
家の中でのことは別にしても、新年の挨拶回り、年賀状は相手があってのこと。
派手なお祝いは控えるのもありかと思います。
まとめ
喪中の時の年末年始お正月の過ごし方。
喪中の意味を知ると、お祝い事は控えるということはよくわかりますね。
ただ、お祝い事についていえば、
「故人や本人の考え方次第」
という部分も今の時代は大きいのでは。
故人が陽気で人の集うところが好きだったなら賑やかなお正月も良し。
常識人であったなら故人の意に沿う形にするのも良し。
いずれにしても、あなたの新年が穏やかに迎えられますように。