きゅうりに栄養がないって本当?
それとも嘘?
どんな栄養成分があるの?
カロリー以上の健康効果って何?
その疑問、解消します!
「世界で一番、栄養がない野菜」といわれる由来、
ギネスの原文の解釈、
きゅうりに期待できる健康効果も含めて、わかりやすくお伝えします。
きゅうりに栄養がないは間違い?
一年を通して手軽に購入出来るきゅうり。
ぬか漬け好きの祖母は、夏はやっぱりきゅうり、冬もやっぱりきゅうりと、年がら年中せっせときゅうりを仕込んでいました。
「きゅうりには栄養がない」
というのは、よく聞く話です。
結論からいえば、これは間違い。
きゅうりにはちゃんと栄養があります。
きゅうりに栄養がないと言われる理由のひとつに、きゅうりがギネスの世界記録に登録されていることにあります。
きゅうりは、「Least calorific fruit」としてギネスブックに登録されています。
日本語に直訳すると、「最小のカロリー果物」、「最も熱量が低い果実」といったところです。
これが「世界一栄養のない野菜」というキャッチーな文言になり、
『きゅうり=栄養がない野菜』
というイメージが広まったのです。
ですが、ギネスに載っている、「Least calorific fruit」の「fruit」は「果実」であって、野菜全般の記録ではありません。
野菜類は食用とする部分に従って、果菜類・根菜類・葉菜類・茎菜類・花菜類に分けられます。
きゅうりや茄子、トマトなどの果実を食用とする野菜は果菜類(かさいるい)に分類されるのですが、植物学上、果菜は果実に含まれるのです。
ちょっとややこしいですが、このあたりの分類や、「Least calorific fruit」の日本語の訳し方が、きゅうりには栄養がないというイメージを産み、間違った解釈になったようです。
ちなみに、ギネスに登録されている世界一栄養のある野菜(果物)として登録されているのはアボガドだとか。
こちらは聞いただけで納得です^^
キュウリの栄養とカロリーは?
きゅうりに栄養があるとかないとかの、「栄養」とは、食品表示基準と
といわれる、主な栄養成分の事です。
熱量、たんぱく質、脂質、飽和脂肪酸、n – 3系脂肪酸、n – 6系脂肪酸、コレステロール、炭水化物、糖質、糖類〔単糖類又は二糖類であって糖アルコールでないものに限る〕、食物繊維、ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、ナトリウム [ 食塩相当量で表示 ]、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ヨウ素、リン)、ビタミン類(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミン A、ビタミン B1、ビタミン B2、ビタミン B6、ビタミン B12、ビタミン C、ビタミン D、ビタミン E、ビタミン K、葉酸)
きゅうりは全体の約95%が水分です。
みずみずしいだけありますね(笑)
きゅうりの栄養成分は炭水化物が多く2.94g、たんぱく質が0.98g、脂質が0.1gとなっており、ビタミン・ミネラルではビタミンKとモリブデンの成分が高いのが特徴です。
きゅうりのカロリーは?
きゅうりのカロリーは可食部100gあたり14kcal。
カロリーでいえば、確かにカロリーは低いですよね。
きゅうり1本が約100gだったとして、通常、「14kcal」を消費するのに必要な有酸素運動の時間は、ウォーキングで6分、ジョギング4分です。
14kcalはすぐ消費出来るカロリーに思うか、意外に大変だなと思うかは、人それぞれです。
きゅうりに期待できる健康効果とは?
水分の多いきゅうりには基本的な栄養素が少ないのは事実。
ですが、きゅうりならではの栄養素で健康効果を期待できるものがあるのです。
きゅうりのカリウムの健康効果
きゅうり100kcalあたりの主な栄養素は以下のようになります。
- カリウム…1400mg
- ビタミンK…240μg
- ビタミンC…100mg
- 食物繊維…7.9g
カリウムが多く含まれていますね。
きゅうりに含まれている栄養素のカリウムは、ナスの約1.4倍。
カリウムには利尿作用があり、摂りすぎた塩分を体の外に排出する働きがあります。
ナトリウムの排出を促すことから、女性の大敵、むくみの解消も期待できます。
また、カリウムには血圧を下げる効果もあります。
実はカリウム不足が夏バテの原因の一つとも言われています。
夏場のカリウムと水分補給源としても、きゅうりは効果的な食材というわけです。
きゅうりが脂肪を分解する?
きゅうりに含まれている「ホスホリパーゼ」という酵素が、体内の脂肪分解を助ける効果があると報告されています。
ホスホリパーゼは2010年に発見された脂肪分解酵素。
ホスホリパーゼは擦りおろすことでよく出るということから、「きゅうりおろし」を食べるダイエット法も提唱されています。
きゅうりが肌を修復する?
昔から顔のパックにきゅうりを使うのはよく知られているところ。
とりわけ夏の日に焼けた肌にスライスしたきゅうりをのせるのはとても気持ちがいいものです。
最近、きゅうりに含まれる「シリカ」というミネラルが、肌、爪、毛髪の老化防止や修復作用があることがわかり、注目されています。
肌パックに効果があるのですから、食べるとなおのこと。
夏の紫外線で傷んだ肌や髪を身体の内側から補修してくれる効果が期待できます。
きゅうりが食欲を増進させる?
きゅうりには「ククルビタシン」という成分が含まれています。
ククルビタシンはきゅうりの苦味となっている成分で、きゅうりの端っこ、苦味が強い場所にあります。
きゅうりの他にもスイカやメロンなどにも含まれています。
ククルビタシンは、胃液や唾液の分泌を促進させ、胃の働きを活発にしてくれる働きあります。
また、ククルビタシンは「抗がん物質」としても研究されている成分なので、がん予防の効果も期待できます。
きゅうりがほてりを冷やす?
きゅうりは薬膳料理でも用いられ、身体を冷やす働きがあるといわれています。
きゅうりの旬は暑い夏。
ほてった身体を冷ますのにきゅうりが役立ちます。
前述のきゅうりパックも、肌のほてりを鎮めるものでもあります。
内側からも外側からも身体を冷やす働きをしてくれるきゅうりは、夏のお役立ち野菜ですね。
きゅうりに栄養がないは間違い?本当の効能とカロリー以上の健康効果 まとめ
きゅうりのカロリーは可食部100gあたり14kcalと低カロリーですが、きゅうりにはちゃんと栄養があります。
きゅうりの栄養成分は炭水化物が多く2.94g、たんぱく質が0.98g、脂質が0.1gとなっており、ビタミン・ミネラルではビタミンKとモリブデンの成分が高いのが特徴です。
きゅうりに含まれるカリウムやホスホリパーゼ、シリカククル、ビタシンなどの効能が身体に良いとされ、健康効果が期待できます。
一年中店頭に並び、調理無しで食べることができるきゅうりは便利な野菜です。
栄養バランスを考えるなら、単品で食べるよりサラダに加えるなどして、他の野菜と一緒に食べることで、栄養の不足分を補ってくださいね。