せっかくの初詣、行くならご利益のある所に行きたいもの。お寺と神社、どっちに参拝するのがいい?初詣の参拝の仕方に違いはある?年越しの除夜の鐘を味わいたいならお寺ですよ。お寺と神社の違いをわかりやすく説明して、あなたのお悩み解消します。
年越しの初詣お寺と神社の違いは除夜の鐘
初詣に行こう、ってなった時。
あなたはお寺と神社、どちらにお参りしますか?
「どうせならご利益のある方が・・・」
わかります(笑)。
お寺と神社では違いがあります。
まずは除夜の鐘から。
〈除夜の鐘はお寺〉
私の友人はつい最近まで、明治神宮で除夜の鐘を聞けるものだと思いこんでいました。
神社じゃ除夜の鐘は聞けません。
除夜の鐘はお寺でのみ、聞くことができます。
大晦日といえば紅白歌合戦。
紅白歌合戦の終わり間近、
「良いお年をー!」
からの、
「ゴ~~~ン」
の鐘の音と同時に始まる「ゆく年くる年」、見たことありませんか。。
NHKアナウンサーの淡々とした口調で、
「新年、明けましておめでとうございます」
などと、
一気に静寂と荘厳な雰囲気に包まれる中、毎年、除夜の鐘が鳴り響く日本全国の寺院がリレー中継されます。
年越しの参拝客の様子は神社の中継もありますが、除夜の鐘は寺院からのもの。
除夜の鐘を鳴らすのはお寺です。
ということで、
年越しからの初詣の場合、お寺に行くと除夜の鐘の臨場感が味わえます。
〈除夜の鐘とは〉
父方の親戚は毎年、年が開けるとすぐに近くのお寺で除夜の鐘をつきます。
除夜(じょや)っていうのは、除日(じょじつ)の夜という意味。
除日とは旧年を除く日、その年の一番最後の日。
つまり大晦日にあたります。
除夜=大晦日の夜
ということです。
除夜の鐘は108つの煩悩を祓うために鳴らされると言われています。
「108」という数は人間の煩悩の数で、鐘をつくごとに煩悩が1つずつ消えていくとされています。
これは仏教の風習なので、除夜の鐘はお寺でつくのです。
〈昼間につく除夜の鐘〉
年越しの除夜の鐘、最近はそれを中止して、大晦日の昼に鐘をつくお寺もあります。
大晦日の深夜0時を挟んでつく108回の鐘の音に、『うるさい』と苦情が寄せられたことをきっかけに、配慮として時間を変更したのが始まりとか。
騒音以外の苦情には、以下のようなものが挙げられていました。
「宗教上の理由で聞きたくない」
「伝統だからの理由で仏教だけが優遇されるのはいかがなものか」
「鐘を聞きたい多数派が、聞きたくない少数派を抑え込むのは横暴」
日本の伝統文化が規制される時代。
それでも、時間の前倒しによる利点もあったと聞きます。
昼間は足元もよく見え、つまずきにくいですよね。
子供からお年寄りまで幅広い世代が参加しやすいので、地域住民同士の交流につながります。
除夜の鐘。
情緒あることだからこそ、寛容な気持ちで、年に一度の風情を味わえると良いですね。
〈お寺と神社の一番わかりやすい違い〉
お寺は仏教なのに対して、神社は神道(しんとう)といって、日本の宗教です。
お寺は仏さま。
例えば観音菩薩とか阿弥陀如来とか。
神社は神さま。
例えば天照大御神とか天常立尊とか。
お寺と神社の違いは、祀っている神さまの違いです。
なのでお寺と神社の一番わかりやすい違いは、仏さまか神さまのちがいということです。
初詣はお寺と神社どっちがいいの?両方いける?
で、お寺と神社の違いがわかったところで、
「初詣はどっちに行ったほうがいいの?」
って話ですが。
結論から言っちゃうと、
「どっちでもOK!」
です。
どうしてかというとですね。
元々日本には神道のみが存在していたわけです。
そこに仏教が伝来。
「仏教伝来、ご参拝(538)」
語呂暗記した歴史年代、イキナリ思い出しました。
562年という説もありますが、まあこのあたり以降、日本には神道と仏教が共存しているんですね。
なので、初詣などはどちらに行っても問題なし。
もう少し詳しく説明すると、江戸時代、その年の縁起の良い方角にある神社やお寺にお参りに行く恵方参りという風習がありました。
明治時代、神道と仏教との区別を明確にしようとする「神仏分離」っていう宗教政策でお寺と神社が各々別モノになったんですが、それまでの、自由に参拝場所を選ぶっていう庶民の習慣はそのまま残ったというわけです。
ということで、今でも参拝場所は個人の自由。
自分の行きたいほうに行けばいいのです。
元々は神社仏閣は一緒のものだったので、気にする必要はなし。
お寺でも神社でも、好きな方に行ってかまいません。
お寺か神社、どちらに行くかは住んでいる地域によっても違います。
関東はお寺の参拝が、関西だと神社が主流と言われていますが、人によっては
両方行くということもあります。
私の場合も、親や友人たちとは近所のお寺に初詣に行っていましたが、新卒で勤めた会社の部署には「新年は部員全員で川崎大師にお参りにいく」慣習がありました。
今は近くに神社が多いのでもっぱら神社ですが、旅行などでお寺がある場合はそちらにも行きます。
初詣お寺と神社の参拝の仕方
神社やお寺、寺院にお参りして拝むことを参拝(さんぱい)、参詣(さんけい)と言います。
もしかして、参拝はするものの、なんとなく見よう見まねでお参りしていませんか。
お寺と神社で参拝の仕方は違います。
〈神社の初詣の参拝の仕方〉
基本は「二礼二拍手一礼」です。
「二拝二拍手一拝」とも言います。
1. 神前に進み、姿勢を正す。
2. 賽銭を賽銭箱に入れる。
3. 鈴を鳴らす。
4. もう一度姿勢を正す。
5. 「二礼二拍手一礼」の作法で拝礼を行う。
5-1 90度の礼で、2回お辞儀(二礼)をする。
5-2 胸の前で2回拍手(二拍手)をする。
~合掌して祈願~
5-3 最後にもう一度90度の礼で、深くお辞儀をする(一礼)
※拍手(はくしゅ)は、鈴と同じように邪気を祓う意味や、神さまを呼び出すため。「かしわで」とも呼びます。
※出雲大社、宇佐八幡の場合は「二礼四拍一礼 」。
〈お寺の初詣の参拝の仕方〉
お寺ではパンパンと拍手はうちません。
手を合わせ合掌するだけです。
1. 軽く頭を下げる。
2. 賽銭を賽銭箱に入れる。
3. 鈴を鳴らす。
~合掌して祈願~
4. 軽く頭を下げてその場を離れる
※拍手は打たないという事を覚えておくと良いですね。
〈合掌して祈願する際の願のかけ方〉
願い事がある場合は、必ず、
・自分の名前と住んでいる住所
を申し述べてから、 参拝できることを感謝しつつ願い事を伝えます。
初詣の時は、長い時間、拝殿の前を占有するのは迷惑になってしまうので、心の中で手短に念じるのがいいですね。
〈参拝が終ったら〉
初詣の帰り道は寄り道をしないでまっすぐ帰るのがおすすめです。
なぜかというと、途中で寄り道をしてしまうと、せっかくいただいた福を落としてしまうからです。
ただ、初詣のはしごはOK!
ある年のこと、初詣で引いたおみくじが凶。
このとき、教えても立ったのが初詣のはしごでした。
最初にお参りしたお寺や神社がその年の初詣となるので、そのあとに別のお寺や神社にお参りすれば、ご利益が重なるそうです。
まとめ
初詣の参拝はお寺と神社のどちらでもよく、両方参拝してもご利益はあります。
参拝の時、柏手を打つのは神社だけ。
今年の初詣、お寺と神社の違いがわかったら、正しいやり方で参拝できますね。
1年間の感謝とこれからのお願いや決意を伝えて、初詣を新たな気持ちの切り替えとしたいものです。