大晦日除夜の鐘はNHK「ゆく年くる年」煩悩を払う鐘の意味と由来

大晦日「ゆく年くる年」といえば除夜の鐘。NHKのご長寿番組の歴史、除夜の鐘の由来と意味を解説。除夜の鐘が108つの煩悩を払うってどういうこと?鐘にはどんな意味がある?煩悩って何?お寺の鐘が響き始めたら心が洗われる新年が始まります。

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大晦日の除夜の鐘はNHK「ゆく年くる年」から

クリスマスが終わると年の瀬、あっという間に大晦日。

例年、紅白歌合戦を見ながらまだ片付けモノをしたりおせちを作ったり。

テレビは流れで「ゆく年くる年」になり、あのゴ~~~~ンと心の奥のほうまで染み込む音、お寺の鐘が響き始めるといよいよ今年も終わり新しい年が始まると実感します。

このNHKの「行く年来る年」、多くの人が一度は見たことのあるおなじみの番組じゃないでしょうか。

 

〈「ゆく年くる年」とは〉

「ゆく年くる年」は、年末年始の12月31日23:45から翌年1月1日0:15までNHKで生放送されている年越し番組です(一部例外あり)。

若い人に話すと驚かれちゃうんですが、昔は全民放同時ネットで「行く年来る年」をやってました。

NHK以外はどのチャンネルも同じ映像。
妙に感動して、日テレ→TBS→フジ→テレ朝→テレ東と各局を順番にチャンネルを変えながら見たものです。

子供心に、全民放が同じ放送をやっているってことは、年越しって特別なものなんだなぁと思っていました。

 

〈「行く年来る年」の歴史と進行〉

NHKで除夜の鐘の中継放送が初めて行われたのは1927年のこと。

1927年といったら昭和2年、ちょっと前まで大正・明治ですよ。
東京上野の寛永寺からラジオ放送されたのが「行く年来る年」の前身です。

当時の番組タイトルは、「行く年来る年」でなく単刀直入、「除夜の鐘」。

これが、テレビ放送のスタートとともにテレビ番組にもなり、TV放送開始から3年目の1955年(昭和30)年からタイトルが「行く年来る年」になります。

除夜の鐘が鳴り響く日本各地の寺院の様子を中継するスタイルは、当初から変わらないおなじみのもの。

日付が変わって年越しを迎えた瞬間に、画面左上に「0:00」と時刻表示。

NHKアナウンサーが

「新年、明けましておめでとうございます」

「20○○年、平成○○年の幕開けです」

などと淡々とナレーションを読み上げながら、各地で新年を迎えたその模様が中継されていきます。

中継地は毎年変わり、国内外で前年に話題になった場所や、新年にイベントの開催を予定している地域などから。

放送時間は上述のように通例、23:45から0:15までの30分番組ですが、体感的にはもっと長い番組だと思ってました。
長いと言えば、テレビ草創期からスタートし現在も放送中ってスゴい長寿番組ですよね。

ちなみにこの「行く年来る年」の視聴率は毎年20%超えの高視聴率とのこと。

生放送、どんなにか大変なことと思います。
スタッフの皆さん、関係者の皆さんのご尽力に頭が下がる思いです。

 

除夜の鐘とは由来と鐘の意味

ゆく年くる年といえば除夜の鐘。
お寺の鐘が響き始めると、いよいよ今年も終わりだと実感します。

 
■ 除夜とは

除夜というのは大晦日の夜のこと。

「除」という言葉には、古いものを捨て新しいものを迎えるという意味があり、
この夜は旧い年と新しい年が入れ替わる夜ですから、「旧い年を除く」という意味で除夜と呼ばれます。

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◇除日について詳しくはこちら。
初詣お寺と神社には違い両方いける参拝の仕方と除夜の鐘とは

 
■ お寺の鐘

お寺の鐘は、梵鐘(ぼんしょう)と呼ばれます。
仏教の儀式で用いる用具である仏具の重要な一つになります。

お寺の梵鐘はふだんは朝夕の時報として用いられるほか、法要の開始を知らせる際などにも用いられます。

鐘の音そのものには、苦しみや悩みを断ち切る力が宿っていると考えられています。

鐘の銘の部分には梵鐘の力(=功徳)が記載されており、鐘の回りに突起があります。

これは「乳(ち)」と言われるもので、ほとんどの鐘についています。
この乳の数は108つあるということです。

 

大晦日の除夜の鐘は煩悩を払う

除夜と言えば 108つの除夜の鐘。

除夜の鐘っていうのは、大晦日(12月31日)の深夜0時をはさんでつく鐘のことを言います。

ちょうど日付けが変わり新しい年になる時を鐘をつきながら迎えるんですね。

 

〈除夜の鐘をつく理由〉

除夜の鐘をつく理由は、人の心にある煩悩を祓うためと言われています。

煩悩とは、欲望や怒り、苦しみなどの心の乱れを指します。
人の心を惑わせたり、悩ませ苦しめたりする心の働きのことですね。

原語は、サンクリット語のクレーシャで、心の汚れという意味があり、仏教では煩悩が人の苦しみの元とされています。

 
■ 代表的な煩悩

1. 欲望(肉体的および精神的なもの)

2. 怒り

3. 執着

4. 猜疑

 
煩悩を細かく分類すると、三毒、百八煩悩、八万四千煩悩など、分類の仕方もさまざまです。

 

〈除夜の鐘の回数が108回という理由〉

除夜の鐘の回数には決まりがあって、108回とされています。

人には108つの煩悩(=ぼんのう)があると考えられ、除夜の鐘を108つつく理由は、人の心にある煩悩を祓うためと言われています。

この108という数字については諸説あります。

■ 六根から

人には感覚を生じさせることで迷いを起こさせる六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)があり、それぞれに好(気持ちがよい)・悪(不快)・平(どちらでもない)の三種を掛けた18の煩悩がある。

さらに、この18に浄(綺麗)と染(汚い)の二種を掛けて36、そこに過去・現在・未来の3つの時間を掛けて、36×3=108となる。

 
■ 四苦八苦から

四苦八苦という言葉から、四苦(4×9=36)と八苦(8×9=72)を足して108の煩悩がある。

 
■ 中国由来

一年における月の数(12)と二十四節気(24)と七十二候(72)を足した数。

 
■ 沢山を意味する8

「沢山の」という意味があるものに、8という数字を使うことから。
八百万の神も実際に八百万の神様がいるわけではなく、それくらい無限にいるという意味。
このことから、煩悩の数が108と言われるのも、本当に108あるわけではなくたくさんの数という意味。

 

まとめ

除夜の鐘。

煩悩を消し去り、欲を持たない心で新年を過ごすためのお浄めの行事。
心の乱れや汚れを祓う力があるという信仰が現在まで伝わって、除夜の鐘の儀式となって続いているんですね。

普通の日ではなく、除夜、つまり大晦日に聞く鐘の音は深夜の空気と相まって心にしみわたるような気がします。

今年は、より厳かな気持ちで聞き入りたいと思います。

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