九月病とはどんな症状?
五月病との違いは?
なんとなくだるい原因や眠れない理由は?
長引くとどうなる?
その疑問、解消します!
九月病がわかる心と体のチェックリスト、
うつな気分と9月の因果関係、
不調を感じた時の対処法も含めて、
わかりやすくお伝えします。
九月病とは?
昨年、仕事先の担当さんが9月の終わりに1週間ほど休みをとっていたので、ちょっと遅い夏休みですか、とたずねたところ、
「実は夫が九月病をこじらせて、通院やらなんやらで」
と、突然せきを切ったように九月病の話を始めました。
この方とは以前、『熱帯魚の五月病(五月に起こるとされる熱帯魚の見た目の変化)』の話題で盛り上がったこともあり、まだお互い当事者ではないことから最後は、
「明日は我が身、九月病にはくれぐれも気をつけよう!」
と誓い合って別れたんですが、彼女の夫は九月病で職場を休むことになって、ずいぶん大変だったようです。
ゴールデンウィーク明けにガクッと意欲が落ちる『五月病』は広く知られているところですが、最近は『九月病』もよく耳にします。
五月病は、新入社員や新入生などが、4月からの環境の変化に順応できないことや過度のストレスから、ゴールデンウィーク明けに体の不調や気分がふさいでしまう状態のこと。
同じように、9月に心や体の調子を崩すのが九月病です。
九月病というのは、新人に限らずで、30代や40代・50代、60代・70代のシニア世代でもなります。
とりわけ、配置転換や転勤、転職などで環境が大きく変わった時に起こりやすいといわれています。
もともとの九月病は、夏に長い休暇がある欧米などで、長期休暇のあとにあたる9月に気持ちがブルーになる人や、仕事にうまく復帰できない不調を指す言葉だったようです。
欧米では9月が新学期になるところが多いですよね。
英語だと九月病は、「September blues」「September disease」という言い方をします。
「blues」はマリッジブルーのブルー、「disease」は「病気」です。
九月病は医学用語ではありませんが、長引いてこじらせるとうつ病などの病気につながります。
九月病の症状とは?
九月病の症状は五月病とよく似ています。
無気力、抑うつ、疲労感、不安感、焦り。
他にも、うつ状態からくる不眠や過眠も現れます。
やっと涼しくなったというのに、寝つきが悪くなったり、朝早くから目覚めてしまったりするのは、要注意。
睡眠のバランスが崩れるのは九月病の前触れかもしれません。
九月病の症状には、「心」に出るものと「体」に出るものがあります。
心に出る九月病の症状は?
- 気力がない
- やる気が出ない
- 何かするのが面倒
- 何をするにもおっくう
- 集中力がない・集中できない
- 思考力が低下している
- 気分がふさぐ・落ち込む
- 眠れない・起きられない
- 何をしても楽しくない
- 食欲がない
- 何を食べてもおいしくない
- 外出したくない
- 訳のわからない焦り、焦燥感がある
- 不安感がある
- イライラする
- 怒りっぽくなる
体に出る九月病の症状は?
- なんとなくだるい
- なんとなく頭が重い
- 疲れがとれない
- 肩こりが辛い
- 頭痛がする
- 動悸がする
- 耳鳴りがする
- 血圧が高い・低い
- お腹が痛い
- 下痢が続く
- 便秘が続く
- 食欲がない(食欲不振)
- 胃腸の機能が落ちた(消化不良)
- むくみやすい
- 眠れない
- 眠りが浅い
- 寝つきが悪い
- 途中で何度も目が覚める
- 一度起きると眠れない
- 朝なかなか起きられない
- 寝た気がしない
- いくら寝ても寝足りない
だるい眠れない九月病の原因は?
日本で9月といえば、夏休みが明けて仕事や学校が始まる時期。
蒸し暑い夏で体力が消耗している頃、新しい環境や周りの変化についていけなくなって、心や体の調子を崩してしまうのが九月病です。
9月病には、夏にとった休みが原因となるケースもあります。
夏休みのようなまとまった休みがあると、普段は考えないようなことも思案する時間があります。
将来の自分のことや家族のこと、現在の環境などにアレコレ思いをこらしているうちに悩みが生じてきて、結果として不安になってしまうというケースです。
また、9月は季節の変わり目。
日照時間が短くなること、暑さが和らいで気温が下がること、台風が多くなること、などのこの時期特有の気候も関係があるといわれています。
9月の後半は、もともと、「うつ」につながるような脳の変化が起こりやすい時期とされています。
どうしてかというと、うつと関係している「セロトニン」や、睡眠と関係している「メラトニン」などの脳内の神経伝達物質が日照時間と関係が深いからです。
日照時間が短くなってくるこの時期は、セロトニンやメラトニンが減りやすくなるわけです。
そのため、うつ病の人も9月の終わり頃というのは、症状が悪化しやすい時期だといわれています。
セロトニンは気分や感情をコントロールして心の安定を保つ脳内ホルモン。
気持ちの安定に必要なセロトニンですが、食事の偏りなどからも不足することがあります。
夏の暑い時期に冷たいものばかり食べていたりすると内蔵機能が低下して、知らず知らずのうちに、必要な栄養がしっかり摂れない体になっていることもあります。
そうなると、結果として、気分が落ち込んだり眠れなくなってしまうことになるのです。
もともと季節の変わり目は身体がだるく疲れやすいもの。
急激な温度の変化も原因の1つです。
「なんだか調子が悪いな」
と思ったらあまり無理をしないで、だるいと感じた時は身体を休ませてあげることも必要ですね。
トリプトファンで心身をリセット!
九月病ではセロトニンが不足しています。
「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、夕方から夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに変化します。
なので、セロトニンがないことにはハッピー気分も熟睡感も得られないのです。
セロトニンの原料となるのは「トリプトファン」という物質です。
トリプトファンはヒトの体内で作れない必須アミノ酸のひとつ。
九月病の予防や脱却のためには、トリプトファンを積極的に摂ることがポイントです。
バランスの取れた食生活を意識して、トリプトファンを上手に摂取すると、セロトニンの分泌を高めることになり、九月病の解消にもつながります。
トリプトファンはアミノ酸なので、タンパク質の多い食品にたくさん含まれています。
肉や魚、豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やチーズなどの乳製品、バナナ、ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類などです。
すじこやたらこなどにも比較的多く含まれています。
規則正しい朝食習慣には、体内時計をリセットする働きがあります。
朝食をとる習慣がない人は、まず、バナナと牛乳などから始めるといいですね。
コンビニで買える6Pチーズやベビーチーズなども手軽に摂取できるので便利ですよ。
九月病とはどんな症状?原因と体と心のSOSがわかるチェックリスト! まとめ
9月に心や体の調子を崩すのが九月病です。
九月病というのは、新人に限らずで、30代でも40代でも50代でもなります。
九月病は医学用語ではありませんが、長引いてこじらせるとうつ病などの病気につながります。
九月病の症状は五月病とよく似ています。
無気力、抑うつ、疲労感、不安感、焦り。
他にも、うつ状態からくる不眠や過眠も現れます。
九月病の予防や解消にはセロトニンの元になるトリプトファンを摂るのが効果的です。
憂鬱な気分は、それをちゃんと意識することで回復のきっかけになります。
1年の中でも秋は快適に過ごしやすく、食べ物が美味しい季節。
この時期を楽しむためにも、食事や睡眠に気をつけて、リラックスした生活を心がけたいですね。
◇ 九月病の治し方はこちらの記事をご参考に。
・九月病の治し方!秋のなんだかだるい眠い眠れない不調の解消法とは?