新米の時期はいつからいつまで?
古米とはどんな基準で区別されてるの?
地域や銘柄別の収穫時期は?
その疑問、解消します!
一般的な新米の期間、
2つの定義による新米と古米の違い、
お米を購入するときの新米の見分け方も含めて、わかりやすくお伝えします。
新米の時期はいつからいつまで
白くてもっちり、つやつやの新米は秋の味覚の代表格です。
毎年、新米の時期を楽しみにしているごはん党も多いですよね。
一般的には、9月から10月が新米の季節ですが、産地や銘柄で収穫の時期が違ってきます。
米の収穫時期で異なる新米の時期と地域
新米の収穫は西から北上してきます。
九州の宮崎などは8月初旬から、関東では8月下旬、新潟は9月下旬から東北は10月上旬となります。
収穫が日本一早いのは沖縄で、7月の初旬から新米が楽しめます。
収穫された新米が出荷される時期は、地域や品種によって多少異なるものの、 おおむね8月~10月となっています。
通常、お米を栽培する時の流れは、以下のようになります。
4月 : 種まき
5月 : 田植え
6月 : 成長
7月 : 成長/中ぼし
8月 : 成長
9月 : 収穫
お米は5月頃から田植えが始まり、9月頃に稲刈りが行われるのが一般的ですが、地域や品種によって、収穫時期が異なります。
- 北海道(ななつぼし) : 10月下旬
- 宮城県(ひとめぼれ) : 10月下旬
- 秋田県(あきたこまち) : 10月下旬
- 新潟県(コシヒカリ) : 9月下旬
- 富山県(コシヒカリ) : 9月下旬
- 茨城県(あきたこまち) : 9月中旬
- 静岡県(なつしずか) : 8月上旬
- 宮崎県(ヒノヒカリ) : 8月上旬
- 沖縄県(ひとめぼれ) : 7月下旬
他にも、九州では11月に入ってから収穫時期を迎えるものもあります。
また、台風などの天候不順を避けるために改良された早場米の収穫時期は、上記よりも約1ヶ月ほど早めになります
銘柄や産地によっても収穫時期が異なる新米ですが、お米が「新米」と呼ばれる時期には、ある一定の条件があります。
新米と古米に基準や定義はあるの?
新米の時期になると店頭やお米屋さんで、「新米入荷」という張り紙を見かけたりしますよね。
新米とそうでないものの区別は、お米の袋に「新米」と書かれた赤いシールで、そのお米が新米であると見分けている人がほとんどだと思います。
実は、新米と呼んでいいものには、法律で定められた定義があります。
新米の定義には、米穀年度(べいこくねんど)とJAS法(ジャスほう)の2つがあります。
その1. 米穀年度による「新米」の定義
お米の収穫期を基準として定めた年度のことを「米穀年度」と言います。
米穀年度は、食料管理法で決められたお米の年度のこと。
年度というのは、それぞれの目的のために、1年間を区切った期間のことです。
学校で使われている、4月から3月までの1年間を「学校年度」というのと同じですね。
米穀年度は、11月1日から始まり翌年の10月31日で1年間が終わります。
米穀年度では、その年度内に収穫されたお米が「新米」となり、前年度のお米は「古米」と呼ばれます。
つまり、収穫された翌年の11月1日に、新米から古米に変わるのです。
米穀年度では、11月より収穫されたお米が新米と呼ばれる、スタートの月となります。
わたしたちが味覚の秋を感じる9月から10月の新米の季節とはずいぶん開きがありますよね。
米穀年度が11月スタートの理由には、昔の田植えが今よりも遅かったことや、すべてが手作業だったため、とても手間ひまがかかるものだったことなどが原因しています。
今は火力乾燥も多くなりましたが、昔は乾燥も天日干し。
どの作業をとっても、人手が必要なものばかりです。
そのため、米づくりは共同作業となり、新米が食べられるのは11月ごろというのが慣例だったのです。
ですが、今の時代、お米の収穫は全国的にみても、10月いっぱいで終わらせることが多くなっています。
稲の品種改良によって、7~8月に収穫ができる早場米も広がり、収穫時期が早い産地もあります。
米穀年度は、11月1日始まりの翌年10月31日の1年間。
そうなると、その年に収穫したお米でも、11月1日をもって新米が古米に変わることになってしまいます。
こういった現状から、米穀年度は実際の状況にマッチしていないと言う声も多くあります。
そして、米穀年度による新米の区分は、現在は、新米であっても、JAS法によって新米と表示することができなくなっています。
その2. JAS法による「新米」の定義
新米のもうひとつの定義が「JAS法」です。
JAS法というのは、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」の通称で、農林物資の品質の改善、取引の単純公正化、生産・消費の合理化を図り、農林物資の品質に関する適正な表示を定めた法律のこと。
お米はJAS法に基づく玄米及び精米品質表示基準によって、品質に関する表示が義務付けられています。
新米は、そのJAS法にある、「玄米及び精米品質表示基準」という項目の中で、
「収穫された年の年末までに精白し、梱包をした玄米や精米だけが新米の表示ができる」
と定められています。
たとえば、令和6年産のお米を「新米」と表示できるのは、令和6年の12月31日までに精米・袋詰めされたものだけということです。
ということは、収穫した年の年末までに精白や袋詰めがされていない場合は、新米であっても新米と表示することができないわけです。
新米と古米の見分け方は?
「米穀年度」でいえば、来年の10月31日までは「新米」。
食べものの表示を定めている「JAS法」では、収穫された年内に袋詰めしたお米だけが「新米」と表示できるということになっています。
ちょっとややこしいですね。
スーパーなどで売られているお米が新米なのかどうかを判断したい場合はどうしたら良いのでしょうか?
新米の見分け方は?
感覚的には、新米が店頭に出たら今までのお米は全部古米、といったイメージがあるかもですが、超早場米(はやばまい)もあるので、実際には新米と古米の線引きは難しいところです。
ちなみに早場米とは、通常の出荷時期より早い時期、主に9月に出荷されるお米のことです。
新米と書かれた赤いシールが貼ってあるのはJAS法による表記ですが、必ずしも全ての新米のお米にこのシールが貼られているとはかぎりません。
また、JAS法では、年明けに精米・袋詰めされたものは1年未満であっても「新米」とは表示できませんが、「古米」という表示があるわけではありません。
新米かどうかをチェックするポイントとしては袋に書かれている産年と精米日を確認することです。
JAS法は産年を表示する決まりになっているので、平成30年産のお米が出回る時期になって「平成29年産」とあれば、1年前のお米だと分かります。
また、お米には精米日を表記することが義務付けられています。
なので、新米を求めるなら、お米の袋の産年と精米日を確認して購入すると間違いがありません。
お米は野菜やお肉と同じ生鮮食品です。
精米後のお米は、ぬかで守られた玄米の状態と違って、温度や湿度の状況によっては、酸化速度が速くなることがあります。
精米日は少しでも新しいものを選んでくださいね。
新米はいつからいつまで?地域別の収穫時期と古米の基準と見分け方 まとめ
一般的には、9月から10月が新米の季節ですが、産地や銘柄で収穫の時期が違ってきます。
代表的な銘柄の収穫時期は以下のとおりです。
- 北海道(ななつぼし) : 10月下旬
- 宮城県(ひとめぼれ) : 10月下旬
- 秋田県(あきたこまち) : 10月下旬
- 新潟県(コシヒカリ) : 9月下旬
- 富山県(コシヒカリ) : 9月下旬
- 茨城県(あきたこまち) : 9月中旬
- 静岡県(なつしずか) : 8月上旬
- 宮崎県(ヒノヒカリ) : 8月上旬
- 沖縄県(ひとめぼれ) : 7月下旬
新米の定義には、米穀年度とJAS法の2つがあります。
米穀年度では、その年度内に収穫されたお米が「新米」となり、前年のお米は「古米」と呼ばれます。
米穀年度でいえば、来年の10月31日までは「新米」。
JAS法では、収穫された年の年末までに精白し、梱包をした玄米や精米だけが新米の表示ができます。
つまり、JAS法は収穫した年の12月31日までのお米が新米という区分です。
このように、どれをもって新米と古米を区別するかの線引は明確ではありませんが、購入時の見分け方として確実なのは、
『袋に書かれている産年と精米日を確認すること』
です。
新米は、香り・甘み・ねばり・噛みごたえと、味わうほどにお米一粒一粒のおいしさが口の中に広がります。
穫れたての新米のおいしさは今の時期だけの貴重なもの。
年に一度の新米ならではの味わいを堪能してくださいね。
◇ 新米をおいしく炊き上げるコツはこちらをご参考に。
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・新米をおいしく炊くコツとは?研ぎ方と水加減でふっくら感をプラス!