文化功労者と文化勲章の1番の違いとは誰もが気になるアレ?

文化勲章や文化功労者とは何のこと?

それぞれの違いはどこにある?

最も異なる点は?

賞金や副賞は?

その疑問、解消します!

文化勲章の受章者と文化功労者の関係、

選考の方法、

両方の制度の意味と由来、

日本国憲法との兼ね合いも含めて、わかりやすくお伝えします。

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文化勲章と文化功労者の違いは?

毎年秋になると、文化勲章(ぶんかくんしょう)と文化功労者の発表があります。

芸能人やノーベル賞の受賞者など、有名人が受章することも多いので、ニュースや新聞などで見聞きすることもあるのでは。

2017年は、洋画家の奥谷博(おくたに・ひろし)氏、雅楽奏者の芝祐靖(しば・すけやす)氏、東京理科大学長で光電気化学の藤嶋昭(ふじしま・あきら)氏など5名が文化勲章を受賞しました。

文化功労者には、歌舞伎俳優の中村吉右衛門(なかむら・きちえもん)氏、ウエートリフティング選手として日本初の五輪メダルを獲得した三宅義信(みやけ・よしのぶ)氏、ファッションデザイナーのコシノジュンコ(こしの・じゅんこ)氏など15名が選ばれています。

同時に発表される文化勲章と文化功労者。

どこがどう違うのか、わかりにくいところですよね。

もちろん、選出の方法や選考基準など異なる点はあるのですが、

文化勲章と文化功労者の大きな違いは「お金」です。

実は、毎年15名ほど受章する文化功労者には終身年金として、年額350万円が支給されるのです。

終身年金は、年金の受け取り方の1つで、言葉の通り、年金を一生涯受け取ることができるもの。

つまり、国民年金同様、死ぬまでもらえる年金です。

学生時代、恩師から

文化功労者は死ぬまで国から毎年350万円もらえるんだぞ、目指せ文化勲章!

と叱咤激励された思い出があります(笑)

死ぬまで毎年350万!!

10年で3500万、20年で7000万です。

貧乏学生にとって宝くじにあたるより魅力的に思えましたが、すぐさま恩師が

だが、たいがい受章者は頑張り続けたじいさんばあさんだ

とバッサリ締めてくれたおかげで、はるか遠い夢に。。。

それ以来、ニュースで文化勲章の親授式(天皇陛下から直接授与される式典)を見るたびにさまざまな思いがよぎり、受章者には心の底から尊敬の念が湧いてきます。

文化勲章と文化功労者はどちらも「文化」とついていることから、文化に関することで選ばれているわけですが、

文化功労者には年金が受給され、文化勲章を受章した方には年金の受給はありません。

どうしてこのような形式になったのかには理由があります。

文化勲章と文化功労者、それぞれの違いをお伝えしますね。

文化勲章とは?

勲章は、国や公共のために功労があった方を、国として表彰するものです。

長年の努力や成果、その仕事ぶりや優れた行いを国が評価するもので、基本的には70歳以上の方が受章の対象となるようです。

文化勲章は、我が国の文化の発展に大きく貢献した人に贈られる勲章です。

科学技術や芸術などの文化の上で特に力を尽くし、国家に功労のあった人に与えられます。

過去には映画監督の山田洋次さん、俳優の高倉健さんや仲代達矢さんも受章しました。

文化勲章は、1937年(昭和12年)、当時の内閣総理大臣である廣田弘毅の発案により制定されました。

今のところ、日本で最も新しい勲章です。

文化勲章の選考は、文化庁文化審議会に置かれる文化功労者選考分科会の意見を聞いて文部科学大臣が推薦します。

それを内閣府賞勲局で審査した上で、閣議によって受章者が決定されます。

参考までに、1990年(平成2年)の『文化勲章受章候補者推薦要綱』を以下に引用しますね。

1 文化勲章の受章者の予定数は、毎年度おおむね5名とする。
2 文部科学大臣は、文化の発達に関し勲績卓絶な者を文化功労者のうちから選考し、当該年度の文化勲章受章候補者(以下「候補者」という。)として内閣総理大臣に推薦するものとする。ただし、必要と認めるときは、その年度の文化功労者発令予定者を候補者とすることができる。
3 文部科学大臣は、候補者の推薦に当たっては、学術及び芸術の特定の分野に候補者が偏ることのないように努めるものとする。
4 2の推薦は、内閣府賞勲局長が指定する日までに、文書により行うものとする。
 

文化勲章は、毎年11月3日の文化の日に、宮中で親授式が行われ、天皇陛下から直接文化勲章を授与されます

慣例では、ノーベル賞受賞者が文化勲章を受章していなかった場合は、ノーベル賞を受賞したその年に、文化勲章も授与されています。

ちなみに、最も若くして受章されたのは、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士です。

文化勲章は、“文化の発達に関し勲績卓絶な者” に授与されるので、受章者もおのずと高齢なのですが、湯川秀樹博士は36歳で受章されています。

文化勲章には、賞金も年金もありません。

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文化功労者とは?

文化功労者にも賞金はありませんが、死ぬまで国から毎年350万円支給される終身年金があります。

文化功労者年金法 (昭和 26年法律 125号) に定められた、“文化の向上発達について特に功績の顕著な者” が文化功労者です

対象分野は文化勲章と同じですね。

文化功労者の制度は、1951年(昭和26年)に創設されました。

この制度が出来たキッカケは、日本国憲法第14条の規定にあります。

日本国憲法第14条3項では、

「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する」

とされています。

このため、文化勲章受章者には金品等の副賞を渡すことができません。

ですが、長年、我が国の文化の発展と向上に貢献してきた人物に、国として報いたいという意図から、文化功労者制度という制度を設け、終身年金を支給する仕組みを作ったのです。

この終身年金は非課税で、その人が亡くなるまで一生のあいだ、年額350万円が支給されます。

こうした仕組みがあるので、文化勲章受章者は、原則として前年までに文化功労者となった人の中から選ばれるようになっています。

時には、同じ年に選出されるケースもあります。

文化功労者の選考は、文科省に委員30人以内で設置される文化審議会の、国語、著作権、文化財分科会と並ぶ文化功労者選考分科会で行われます。

選考委員は年度によって異なり、文芸、美術、芸術、理工、生物など専門家10名程度で、多分野から候補者15人程度を選考し、 文部科学大臣が 決定、毎年15人ほどが選ばれます。

文化功労者と文化勲章の1番の違いは誰もが気になるアレです!まとめ

文化勲章と文化功労者の大きな違いは「お金」です。

文化勲章は、我が国の文化の発展に大きく貢献した人に贈られる勲章です。

科学技術や芸術などの文化の上で特に力を尽くし、国家に功労のあった人に与えられます。

文化勲章には、賞金も年金もありません。

日本国憲法第14条の規定(勲章への特権付与の禁止)により、文化勲章には金品等の副賞は伴いません。

文化功労者にも賞金はありませんが、年額350万円の終身年金が支給されます。

文化功労者年金法 (昭和 26年法律 125号) に定められた、“文化の向上発達について特に功績の顕著な者” が文化功労者です。

原則として文化勲章受章者は、前年までの文化功労者(終身年金受給者)の中から選ばれます。

ということは、終身年金を支給した上での選考となります。

つまり、文化勲章受章者は同時に文化功労者(終身年金受給者)でもあるので、

双方の大きな違いはお金の違いというよりは、

「天皇陛下から勲章を授与されるかされないか」

というのが最も大きな相違点となりますね。

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