初節句ひな人形の選び方は江戸時代を知ると値段の違いも納得

桃の節句、ひな祭りにひな人形は欠かせません。初節句のひな人形を買う時のコツ、種類・値段の違い、選ぶ時のポイントを解説。何を目安に買ったらいいか困ってる人必見です。ひな人形との付き合いは長いもの。最高のお気に入りを購入する手引にしてくださいね。

スポンサードリンク

 

初節句ひな人形の選び方は江戸時代を知ると納得

3月3日は桃の節句のひな祭り。

お子さんの初節句、ひな人形の購入を考えてお店に出掛けてみると、あまりに沢山の種類があって、どれにするか悩んでしまいますよね。

まずは現代のひな祭りの成り立ちからひな人形を知ると、何が良いのかわからなくなった頭の中が整理できますよ。

 

〈江戸時代のひな祭りからひな人形を知る〉

平安時代にまでルーツをさかのぼれるひな祭り。

ですが、現在のような形式になったのは江戸時代初期のことです。

 

もともとは男女一対の内裏雛

江戸時代初期、当初のおひな様は、

「男雛女雛一対のみ」

で完成形でした。

おひな様:親王飾り
おひな様:親王飾り

もともとのおひな様は、男女一対の内裏雛(だいりびな)を飾るだけの物だったんですね。

 

■ 内裏雛(だいりびな)とは

内裏雛っていうのは天皇と皇后を表す一対の雛人形のことです。

親王と親王妃を表すとされることが一般的です。

男雛、女雛、二人とも合わせて「お内裏様」そして「おひな様」です。

男雛を「お内裏様」、女雛を「おひな様」と呼ぶと勘違いしている方が多いんですがこれは間違い。

サトウハチローが作詞した童謡「うれしいひなまつり」の歌詞から広まった誤用です。

ということで、
江戸末期までは、今日のような段飾りは無く、男女一対の内裏雛のみを飾るのが普通でした。

ちなみに内裏雛の「内裏」は天皇の住居を「内裏」と呼ぶことに由来します。

 

段飾りが普及した理由

男女一対の内裏雛、飾り物としての従来の形式に加えて、人々はやがて「災厄よけ」の「守り雛」としての意味合いも重視していきます。

・女の子の一生の災厄をこの人形に「身代りさせる」。

この祭礼的な面から、武家の子女などが嫁入り道具の家財のひとつにするようにもなっていきます。

それが、節句のお祝いということでさまざまな人形を持ち寄ることとなり、三人官女や五人囃子などが考案され飾られるようになっていきます。

嫁入り道具や台所の再現、小道具、御殿や壇飾りなど急速にセットが増え、経済的な発展とともに雛飾りのスケールも大きくなっていったのです。

 
そして大正時代。
百貨店がひな人形のセット販売を始めます。

この時のセット販売というのが「七段飾り」でした。

この七段飾りが今に至っているため、

「ひな人形の正式の飾りは七段飾り!」

と思いこんでいる人もいますが、そんなことありませんよ。

上述のようにそもそもは、「男雛女雛一対のみ」。

それ以外の○段飾りなどは、バリエーションとしてアレンジされ、現代に伝わっているのです。

 

ひな人形は種類から選ぶと迷わない選び方のコツとは

いざ、ひな人形を購入すべくお店に出掛けていっても、実際たくさんのひな人形を目の当たりにすると、一体何を目安に買ったら良いのか困っちゃいますよね。

百貨店の特設売り場や専門店の店頭に並ぶ種類の多さは想定外だったのではないでしょうか。

私も初めてシーズン真っ盛りのひな人形売り場に出掛けた時は、お人形の顔の印象から着物の色・柄、大きさや価格まであまりに幅広く、迷うとか悩むを越えて、まさにカオス。

「可愛いお雛さまをゲット!」

意気揚々と母と出かけたものの、どっと疲れて手ぶらで撤退(帰宅)でした(笑)。

そんな経験から、ひな人形を買うときの選び方のコツをお伝えしますので、ぜひ目安にしてくださいませ。

 

〈ひな人形の飾り方の種類(タイプ)〉

最近のひな人形はタイプもさまざまですが、ひな人形の飾り方には大きく分けると4つの種類があります。

 

【段飾り】

・七段飾りが一番豪華。
 七段に雛人形を15人とお道具を飾ります。

・五段飾り、三段飾りとあります。

・「七段飾りでは大きすぎる」
 ということから生まれたのが三段飾り。
 三段飾りは男雛・女雛・三人官女の5人とお道具。

 

【親王飾り】

・親王(男雛・女雛)だけを平面的に並べる飾り方。

・3段飾りをさらに簡素化したもの。

 

【収納飾り】

・桐箱が飾り台にもなり、おひな様を収納する箱にもなるタイプ。

・お人形は親王(男雛・女雛)のみと、官女を含めた5人など様々。

 

【ケース飾り】

・透明のガラスやアクリルケースに入っているタイプ。

・雛人形をケース自体に接着しているものが多い。

※ガラスケースやアクリルケースが破損する可能性アリ。
結構見落とされるんですが、ケースは不変じゃありません。

 

〈ひな人形の選び方5つのコツ〉

女の子にとって、ひな人形との付き合いは長いもの。

だからこそ、ひな人形を買う時にはお気に入りの最高のものを買いたいと思いますよね。

 

コツその1 予算を決めておく

まず、ひな人形を買うときは、家族内で予算を相談しておきましょう。

キチンと予算を決めておくと店頭で迷うこともありませんし、両親や義両親ともめる原因にもなりません。

あらかじめ予算を決めておくことは重要なポイントです。

 

コツその2 飾る場所と収納場所を決めておく

予算が決まったら、次に雛人形の飾り方を選ぶ上で大切なのが以下の3点。

スポンサードリンク

1. 家のどこに飾るか

2. 転勤などで引っ越しの予定があるか

3. ひな人形を収納するスペース

忘れがちなのが、3の収納スペースです。

上記の3点から条件を考えてゆくと、お家にお迎えするひな人形のイメージが見えてきますね。

私の経験から言いますと、引っ越しの多いおうちなら親王飾りがおすすめです。

何といっても出し入れが簡単。
スペースも取らず、その時々にお道具で華やかにすることもできます。

 

コツその2:飾る場所のサイズを測っておく

お店に出かける前に、飾る場所のサイズを測っておきましょう。

※「間口(横幅)・奥行き・高さ」

実際に人形を見に行く時にはメモを持っていくと店員さんにも相談しやすいですよ。

雛人形を飾る場所は、床・棚の上・チェストなどが多いですが、店頭でサイズ比較できると人形選びがスムーズに運びます。

 

コツその3:絶対はずせないポイントを押さえる

こうして条件を絞り込んでいっても、かわいいひな人形を見比べてしまうと、迷ってしまうこともありますよね。

ひな人形に対する自分の好みや苦手を書き出してみるのも選択の手助けになります。

・伝統的なおひな様が好き

・個性的なおひな様が好き

・豪華に飾りたい

・コンパクトに飾りたい

・出し入れは簡単にすませたい

・目があっても可愛い顔立ちが好き

などなど、自分の思いを書き出してゆくことで、あなたのお家にピッタリのお人形に出会える確率もアップしますよ。

 

コツその3:2~3店のお店の中から選ぶ

こうして、

「○○飾りのこんな感じがいいな」

というイメージが固まったら、幾つかのお店を見て回って比較検討しましょう。

あんまり沢山見すぎるのも、実は決まらない要因のひとつ。

というのは、いろいろ見て回った結果、第一印象で気に入ったものに落ち着く人が多いからです。

なので、どうしても決まらなかったなら、あなたが最初に気に入ったものにするのが良いんじゃないかと思います。

ひな人形というのはお子さんの為に購入するものですが、お母さんが気に入って毎年飾り続けることができるひな人形がベスト。
母親が気に入って迎えたおひな様は娘さんもきっと気に入りますよ。

 

ひな人形の値段の違いはどこから?

昔は人形専門店で買うことが多かったひな人形も、今はベビー用品店、百貨店、インターネット、大型チェーンストアなど、さまざまです。

ひな人形の平均的な金額は、この中では百貨店が一番高く、次いで人形専門店、ベビー用品店、大型チェーンストアと順に安い傾向にあります。

インターネットの通販も多種多様です。
近頃はポイントが高くつく日などもありますので、高額な分、お買い得になることもありますね。

 
ひな人形自体の値段は、

*人形師の技術

*衣装の材質と技術

*お道具の素材

などによって違ってきます。

 

〈ひな人形のお顔で値段が違う〉

ひな人形を選ぶ上でとても重要なお顔についても

*職人手作りのお顔

*型から抜いたお顔

があります。

職人さんが手作業で作るお顔は、一点もの。
気に入ったお顔があれば迷わず購入することをおすすめします!

手作業のお顔には口や目が切り込んであったり、髪の生え際や眉などに細かい手が入っています。

一方、型から抜いたお顔は彫り込みや細かい細工のないものがあります。

 

〈ひな人形の衣装で値段が違う〉

ひな人形の衣装の材質には、

*正絹(絹100%)

*化学繊維と絹の混紡

*化学繊維

の3種類があります。

正絹は光沢があり手触りがなめらか、化学繊維は触れるとごわつきがあります。

正絹の値段は高く、化学繊維のものは低価格になります。

私的には材質にこだわらず、お好みの衣装を選ぶのも良いんじゃないかと思います。

また、衣装の着せ方でも値段に違いがあります。

衣装を貼り付けたもの、一枚一枚重ね着しているものなどがありますが、手にするとそれなりの重さになっています。

 

〈ひな人形の小道具で値段が違う〉

おひな様の持っている扇や刀、小道具の素材や作りによっても値段に違いが出てきます。は

木製、紙製、プラスチック製など様々な材質で造られています。

お内裏様の刀がさやから抜くことができたり、開閉のできる扇子だったり、さやから抜くことができたりなど細工がしてあるかないかでも大きな違いがあります。

 

〈ひな人形に共通する値段の違いのポイント3つ〉

どの飾りタイプでも共通するひな人形の値段の違いのポイントをお伝えしますね。

1. 作札に作家の名前入は高い

一般的に、作札に作家さんの名前が入っているひな人形は高い商品になります。

作家さんがわかっている分、しっかりしている印象があります。

 

2. おひな様の衣装が厚いと高い

おひな様の衣装の厚みでいえば、安いのは薄いです。

高価なひな人形の衣装には厚みがあり、衣装自体の素材も正絹などで良いものを使っています。

おひな様を横から見ると違いが分かりやすいです。

 

3. 桜橘(さくらたちばな)・菱餅がプラスチックなら安い

橘や桜の土台や菱餅が、プラスチックのように見えるのは、安い商品が多いです。

値段の違いを説明してきましたが、あなたもひな人形を見比べているうちに、高価な品物と低価格の品物の違いは自ずとわかってくると思います。

たとえば、高い商品の屏風には立体的な刺繍が入っているなどこだわりが見られますが、安い商品は絵だけだったりします。

つまり、値段の違いは、

「手がかかっているか、いないか」

ということになります。

 

まとめ

ひな人形の選び方は予算と種類(タイプ)を決めて、そこから絞っていくと効率よく選ぶことができます。

もし同じお店の中で、どれにするかを2~3点のうちで迷っている場合は店員さんにお願いして横に並べさせてもらうのもおすすめです。

横に並べて見比べることで違いがわかりやすくなり、決めやすくなりますよ。

また、実際に触らせてもらうことで、わかる部分もあります。

ひな人形は、お店で実際に目で見て購入するのが1番。

お気に入りの素敵なおひな様にめぐり会えますように。

スポンサードリンク