おせち料理に黒豆が入っているのはなぜ?
どんな意味があるの?
他の豆ではなく黒豆が選ばれた理由は?
その疑問、解消します!
黒豆の栄養と効能、
黒豆を甘く煮るルーツ、
人々が黒豆にこめた願い、
黒い色が意味するものも含めて、
わかりやすくお伝えします。
おせちの黒豆とは?
おせち料理には、たくさんの料理があります。
中でも欠かせないのは黒豆。
黒豆って、基本、お正月しか煮ないので、
黒豆があるだけで『 お正月!』って感じがするし、
豆を甘く煮て食べるっていうのも、いかにも日本的に思えます。
以前、お正月のおせちで黒豆を初体験したアメリカ人の友人は、
まず、真っ黒い豆の色に驚き、
口に入れてその甘さに驚き、
「アメージング!」
を連発していました。
豆は海外でもよく食べられている食品ですが、
『甘く煮る』
というのは西欧では想定外らしく、
「見た目のブラックも相まって、あんこを食べた時よりインパクトがあった」
と、スーパーで瓶詰めになった『黒豆』をおみやげに買い込んでいました。
欧米では
豆=たんぱく質=おかず
という発想なんでしょうね。
黒豆とは?
おせちに使う豆の代表といえば黒豆です。
黒豆は、おせち料理には欠かせないもので、
祝い肴三種(黒豆、数の子、田作り)のひとつとされています。
この黒豆、実は黒い大豆、黒大豆だということを知らない人も多いかもです。
黒豆と大豆、一見すると、まったく別の豆に見えますよね。
でも、黒豆は大豆の品種のひとつです。
黒豆は種皮にアントシアニン系の色素を含むので、外見が黒色になっているのです。
黒豆の栄養は?
黒豆は大豆の品種の一種なので、成分も大豆と一緒です。
大豆は、三大栄養素、各種ビタミン、各種機能性成分が1セットになった総合健康食だということはよく知られています。
三大栄養素というのは、『たんぱく質』『糖質』『脂質』の3つの栄養素のこと。
大豆(乾燥)の約30%はたんぱく質です。
この大豆のたんぱく質は、必須アミノ酸がバランスよく含まれた良質なものです。
大豆たんぱく質には、血中コレステロールの低下作用、肥満の改善効果などの生理機能があると言われています。
また、大豆には、脂質、炭水化物、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸など様々な栄養素が含まれます。
その一方で、大豆はコレステロールを全く含んでいません。
総コレステロールを低下させる大豆レシチンも含まれているので、
コレステロールを気にしているなら、うってつけの食品ですね。
大豆は、肉に匹敵する量のたんぱく質を含んでいることから、『畑の肉』とも呼ばれています。
そして、黒大豆の場合は黒い種皮に、目の疲れに効くとされるアントシアニンや、生活習慣病の予防に役立つポリフェノールがたっぷり含まれています。
良いこと尽くめの黒豆、お正月だけではなく、いつでも食べたい豆です。
お値段的にお高いのが難点ですが^^;
おせちに黒豆が入っている意味は?
黒豆は『祝い肴三種』のひとつだとお話しましたが、
昔から
「祝い肴と餅さえあれば、最低限のお正月のお祝いができる」
と言われるほど、必要不可欠なものです。
おせちの重箱では、黒豆は、壱の重と呼ばれる一段目に詰められます。
重箱に詰める料理のことを「重詰め」と呼びますが、
「おめでたいことが重なるように」
という願いが込められています。
おせち料理には、縁起をかついだものが並びます。
その中の一品、黒豆には、
「一年中元気に働き、『まめ』に暮らせるように」
という願いがこめられているのです。
『まめ』はもともと、
「健康」や「きまじめさ」を表し、
『誠実で真面目であるさま』
の意味合いで使われていました。
それがのちに、
「面倒がらず物事に励む」
「勤勉でよく働くさま」
を示す言葉になったのです。
黒豆の『まめ』で
「まめに働く、まめに暮らす」
という語呂合わせから、
黒豆はおせち料理には欠かせない料理となっているわけですね。
今どきは、『まめな男性・まめな女性』というと、
「気が利く」
「行き届く」
のような意味で使われています。
ちなみに、「まめに働く」の『まめ』は漢字で、
「忠実」
と書きます。
ちょっと意外ですね。
黒豆がおせちに選ばれた由来は?
黒豆がおせちに入っている意味は、
「一年中元気に働き、まめに暮らせるように」
という願いを語呂合わせにしたものでしたね。
『まめ』の語呂合わせなら他の豆でもいいようなものですが、
黒豆を食べることになったのには、いくつかの理由があります。
おせち料理に黒豆が選ばれるようになったのには、
「一年間の厄払いをして、今年一年元気で働けるように」
という願いがこめられたことにあります。
まずは、黒豆の起源からお伝えしますね。
おせちに黒豆が入る由来は?
『座禅豆』という料理がありますが、これがおせちの黒豆の起源と考えられています。
座禅豆というのは黒豆を甘く煮しめた料理で、
「食べると尿が止まる」
とされ、
僧が座禅をする際、
途中で用を足すために中断しないですむように食べたことから、この名前になったと言われています。
また、江戸時代中期まで、日本に古くから伝わる行事や食習慣の多くは、京都を中心にした宮廷がルーツになったものです。
京都宮中のすぐそば、丹波地方では黒豆が栽培されており、その黒豆は宮中に納められ、お正月に食べられていました。
それが町民や庶民にも拡がり、各地へ広がったとも考えられています。
今も、「丹波の黒豆」といえば、黒豆の中でも一級品ですよね。
大粒で、食感は粘りがあって柔らかく、独特の甘みがあります。
栽培にはとても手間がかかるそうで、その分、お値段もはります。
昔も今も黒大豆全般、普通の大豆よりもはるかに高価なものなので、
年に一度のごちそうの意味もあったのかもです。
黒豆の黒い色が邪気を祓う
昔から、黒は魔除けの色とされ、
「黒い色は邪気を払い災いを防ぐ」
と考えられてきました。
黒豆の黒い色は道教の思想では、邪気を祓う魔除けの色。
一年の厄を祓い、新しい年の健康を願う意味があります。
黒豆の黒い色は健康のしるし
また、黒い色は『健康』を意味するカラーでもありました。
『健康でいれば仕事ができる=日焼けして黒くなる』
真っ黒に日焼けして働けるほど、身体が丈夫でありますように、
という願望をこめて、黒い色は健康の証となっていたんですね。
黒豆の見た目にかけて長寿を願う
黒豆の黒色は、黒々とした髪の毛、健康的な黒い肌、栄養的にもいい状態を示すとも言います。
黒豆の煮方にも意味がこめられ、
ふっくらとシワができないように煮た黒豆には、
「シワがよらないように長生きができるように」
という意味があり、
黒豆にシワが出来るように煮るのは、
「シワがよるまで長生きできますように」
という願いが込められています。
シワがあってもなくても、長寿を願っているというのが面白いところです。
黒豆の丸い形は太陽を表す
黒豆の丸い形は、鏡餅と同じように太陽を意味するという考え方もあります。
稲作農耕民族である日本人にとって、太陽は恵みの源。
健康で精を出してよく働くためにも、
黒豆の丸い形をお日さまに見立てて食べるようになったと言われています。
おせち料理に黒豆が選ばれた意味が深い!由来でわかる縁起物の理由 まとめ
黒豆は、おせち料理には欠かせないもので、
祝い肴三種(黒豆、数の子、田作り)のひとつ。
黒豆は大豆の品種の一種なので、成分も大豆と一緒ですが、
黒大豆の場合は黒い種皮に、目の疲れに効くとされるアントシアニンや、生活習慣病の予防に役立つポリフェノールがたっぷり含まれています。
黒豆には、
「一年中元気に働き、『まめ』に暮らせるように」
という願いがこめられていいます。
おせち料理に黒豆が選ばれるようになったのには、
その色や見た目から、
「厄除け」・「長寿」・「健康」
の願望が由来しています。
おせち料理の品々には、食べることで縁起を担ぐという意味があります。
「まめに働けるように」、お正月はおせちの黒豆を一粒一粒、より大切に味わって食べたいと思います。^^