梅にうぐいすとはどんな意味?由来でわかる使い方と例文をご紹介!

梅にうぐいすとはどんな意味?由来でわかる使い方と例文をご紹介!

梅にうぐいすとはどんな意味?

どんなときに使うことわざ?

由来はどこから?

使い方がわかる例文は?

その疑問、解消します!

梅にうぐいすの歴史的なルーツ、

誤解されがちな解釈、

使い方がわかる具体的な用例、

類語と対義語も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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梅にうぐいすとはどんな意味?

梅にうぐいす

ぱっと『絵』が浮かんでくるような、きれいな言葉ですね。

梅は、春先、一番初めに花をつける植物。

桜よりも早く開花する、春を告げる花の代表です 。

うぐいすは、春先、「ホーホケキョ」ときれいな 声で鳴く小鳥です。

別名、春告げ鳥ともいい、

その鳴き声を聞くだけでも、 幸運が訪れる前触れと言われるほど縁起の良い鳥です。

梅とうぐいす、この二つは春の代表格です。

「梅にうぐいす」は、

取り合わせのよい二つのもののたとえ

に使われることわざです

仲の良い間柄とか、

よく似合って調和しているペアなど、

ニュアンス的には『切っても切れない仲』を表します。

12ヶ月の鮮やかな花鳥風月を絵柄にした花札にも「梅にうぐいす」があります。

梅にうぐいす
花札の「梅にうぐいす」は2月の札。

赤い梅の花が咲く枝に、緑色の羽を持ったうぐいすが止まってる絵柄はとても印象的です。

ちなみに、花札に描かれているうぐいすは、その色から「メジロ」だという説もありますが、中国には緑色のうぐいすがいる説もあったりで、それはまた別のお話ということで。

春先になると、梅の花が咲き、うぐいすが鳴き始めます。

その春の代表格である梅&うぐいすを、ひとつの光景にしているのが「梅にうぐいす」で、

日本人の早春のイメージでもあり、理想でもあります。

梅にうぐいすの由来は?

春の訪れを象徴する梅&うぐいすは、縁起の良いものとして歓迎されてきました。

梅とうぐいすは、『万葉集』の中でも春の歌でよく使われている題材です。

万葉集は、日本に現存する日本最古の歌集で、

7世紀後半から8世紀後半にかけて、

天皇から無名の歌人までの約4500首の和歌が収められています。

この万葉集の中で、梅とうぐいすの組み合わせが、数多く歌われていることから、

絵の題材としても使われるようになったと考えられています

また、こんな故事もあります。

第62代天皇、村上天皇(在位:946年5月23日 (天慶9年4月20日) – 967年7月5日(康保4年5月25日))が、

内裏の清涼殿の前にあった梅の木が枯れてしまったことから、

代わりになる梅の木を探させて、

とある屋敷の見事な赤梅を清涼殿に移植したのです。

そのとき、その屋敷の女主人は、梅の枝に短歌を結びつけていました。

「勅なればいともかしこし鶯の 宿はととはばいかに答へん」

(天皇のご命令なので恐れ多いとは承知のうえですが、

来春うぐいすがやってきて

『我が家はどうなってしまったのか』

と問われたらどう答えたらいいんでしょう)

その短歌を知った村上天皇は、歌の秀逸さに大変感心して、梅を返したというものです。

このように、はるか昔から、梅とうぐいすの取り合わせは春を代表するものだったわけです。

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梅に鶯の間違った使い方

「梅にうぐいす」を、

『梅にうぐいすが来る → 春の訪れ』

誤解している人が結構います。

この言葉のもともとの意味を間違えているんですね。

正しくは前述のように、取り合わせのよいものや、

よく似合って調和しているもの、

仲のよい間柄などをたとえて、

「梅にうぐいす」というので、気をつけてくださいね。

しっかり覚えられるように、「梅にうぐいす」を使った例文をお伝えします。

梅にうぐいすを使った例文

1961年の映画『悪名』では、

主役の勝新太郎演じる朝吉に対して、

弟分の清次を演じる田宮二郎が、

梅に鶯、松に鶴、牡丹に唐獅子、朝吉親分に清次

という有名なセリフがあります。

朝吉は清次に、

「死ぬときはお前と一緒だ」

と決め、

幾多の修羅場を共にくぐり抜けてきました。

その清次もまたシリーズのラストで、

「梅に鶯、松に鶴、牡丹に唐獅子、朝吉親分に清次」

と小気味いいセリフを言うのです。

まさに、朝吉と清次の二人の間柄は「梅にうぐいす」です。

おしどり夫婦と呼ばれる関係も「梅にうぐいす」ですね。

「芸能界のおしどり夫婦といえば?」

「北斗晶と、いつもニコニコ佐々木健介かな」

「山口智子と唐沢寿明、山口百恵と三浦友和もいるよ」

「だねー、みんな『梅にうぐいす』だよね」

といった感じで使います。

コンビ仲が良いときにも使えます。

「今年でコンビ結成30年、おめでとうございます」

「ありがとうございます。いつのまにか『梅にうぐいす』のようになってしまいました」

もちろん、『梅にうぐいす』は人と人との間柄だけではありません。

「昔は新聞記者といえばタバコが『梅にうぐいす』だったよ」

と言うと、

新聞記者にタバコはなくてはならない、

欠かせないアイテムだったというニュアンスも伝わります。

他にも、

「ゲレンデにユーミンは『梅にうぐいす』だったなぁ」

とか、

「映像と音楽がまさに『梅にうぐいす』、これ以上の演出はあり得ない」

とか、

「その服と帽子、コーディネートが『梅にうぐいす』!」

と使うと、

ほんとにピッタリの組み合わせだね

といった意味で用いることができます。

梅に鶯の類語は?

『梅にうぐいす』の類語には、

  • 「松に鶴」
  • 「紅葉に鹿」
  • 「牡丹に蝶」
  • 「牡丹に唐獅子」
  • 「猿に絵馬」
  • 「獅子に牡丹」
  • 「竹に虎」
  • 「竹に雀」
  • 「波に千鳥」
  • 「柳に燕」

などがあります。

意味はいずれも、よく似合って調和するふたつのもの、

ペアとして取り合わせのよいものですね。

これらの類語は花札を知っているとすぐ気づくかと思いますが、

大半は花札の絵柄になっているものです。

だいたい、植物(花)と動物の組み合わせが多いようです。

梅にうぐいすの対義語は?

取り合わせのよいものが『梅にうぐいす』なら、

その反対、

対義語にあたるのは『水と油』です。

水と油が互いに溶け合わないように、

性質が合わず、しっくり調和しないことを『水と油』といいます

「あのふたりは、『水と油』だから仕方ないよ」

など、

互いに気が合わず反発し合って仲が悪いことのたとえでも使います。

『梅にうぐいす』とは真逆ですね。

梅にうぐいすとはどんな意味?由来でわかる使い方と例文をご紹介! まとめ

「梅にうぐいす(鶯)」は、

『取り合わせのよい二つのもののたとえ』

に使われることわざです。

梅とうぐいすの組み合わせは、

日本最古の歌集である万葉集で、

春には梅とうぐいすがよく歌われていることから、

絵の題材としても使われるようになったと考えられています。

「梅にうぐいす」は、

「ほんとにピッタリの組み合わせだね」

といった意味で用いることができます。

春の訪れが待ち遠しい時期、

身近な「梅にうぐいす」を探すのも楽しいかもです^^

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