猪突猛進とはどんな意味?
良い意味で使われる?
それとも悪い意味?
言葉の由来は?
基本的な使い方は?
その疑問、解消します!
猪突猛進が表す人の性質や言葉のニュアンス、
具体的な例文、
猪突猛進の代わりになる四字熟語も含めて、
わかりやすくお伝えします。
猪突猛進とはどんな意味?
2019年は亥年(いどし)だったせいか、
やたらと『猪突猛進(ちょとつもうしん)』という言葉を見聞きすることが多い気がしました。
『猪突猛進』の漢字には、
「何かに向かって突き進む」
というイメージがあるからでしょうか、
年賀状にも、
「今年は猪突猛進!がんばります!!」
とか、
「猪突猛進・・・年男パワーを味方につけて仕事に取り組みます」
などなど
御本人の鼻息まで聞こえてきそうな一言が添えられているものがたくさんありました。
『猪突猛進』とは、
「状況や周りを考えず、ただがむしゃらに突き進む」
という意味を持つ言葉です。
手元にある辞書から引用してみますね。
【猪突猛進】
むこう見ずに猛然と突き進むこと。
大辞林:
【猪突猛進】一つのことに向かって、向こう見ずに猛烈な勢いで、突き進むこと。
新明解四字熟語辞典:
【猪突猛進】目標に対して、向こう見ずに突き進むこと。
日本語チェック2000:
【猪突猛進】向こう見ずながら、猛烈な頑張りを表す。
どの辞書にも「むこう見ず・向こう見ず」といった言葉が出てきます。
「向こう見ず」は、事情をよく考えずに行動してしまう様子を表しています。
『猪突猛進』は、将来のことを考えず、結果がどうなるかもわからないまま、突き進む行動をすることです。
猪突猛進の言葉の由来は?
猪(いのしし)は、一度走り出すとひたすらまっすぐしか走れず、
簡単に曲がることができない動物と考えられていました。
その習性から、生まれた四字熟語が『猪突猛進』です。
実際の猪は方向転換もお手の物で、
バックもUターンもできるんですが、
猪が全速力で走っている様子は、、
その強靭な筋肉からスプリングが跳ねるような勢いのある走り方をして、
まさに猪突猛進の様子なので、
前にしか進めないと思われたようです。
『猪突猛進』の「猪突」という言葉は、
猪がまっすぐ突っ走るように、
- ひとつのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと
- がむしゃらに物事を行うこと
- 向こう見ずに物事をすること
といった意味を持ちます。
『猪突猛進』の「猛進」という言葉の意味は、
激しい勢いで突き進むこと。
なので、『猪突猛進』という言葉の意味は
「猪が前後左右を見ずにまっすぐ突進するように、
目標に向けて突き進むこと」
となるわけです。
猪突猛進は良い意味それとも悪い意味?
前述のように、『猪突猛進』には
「状況や周りを考えず、ただがむしゃらに突き進む」
という意味があります。
基本、通常『猪突猛進』は良い意味では用いられません。
「状況や周りを考えず」というのは、
「周りのことを気にしない」ということ。
「ただがむしゃらに突き進む」というのは、
「向こう見ずに行動する」ということ。
つまり、『猪突猛進』は、
「周囲の状況などおかまいなしで、周りを巻き込んででも、自分の道を突き進んでいる」
という、無鉄砲な意味合いが強いからです。
『猪突猛進』には、
- 後先を考えていない考えの浅さ
- 融通の利かなさ
といったその人の短所が表されます。
第三者目線からの『猪突猛進』は、
「周りへの配慮や反省なしにがむしゃらにやり抜くこと」
とも言えるわけです。
たとえば、
「あいつは猪突猛進のところがあるからな」
というときはどうでしょう。
良い意味でとれば、
「ひたむきに真っ直ぐ、目標に向かって努力する」
という解釈もできますが、
「猪突」を忘れてはいけません。
『猪突猛進』は猪のように何も考えずに突き進むという、
思慮が浅いという意味も含めて使います。
一般的に『猪突猛進』には、
「浅い考えで行動する人」
「相手や周りに考えが及ばない人」
といった悪いニュアンスが含まれています。
猪突猛進の使い方は?
冒頭でご紹介した年賀状のように、
自分のスローガンとして『猪突猛進』を使っている場合は、
「目標に向けてひたすら前進する」
といった良い意味で使っているのですが、
本来の言葉の意味を理解していないことになってしまいます。
繰り返しますが、
「猪突」を忘れてはいけません。
『猪突猛進』は猪のように何も考えずに突き進むという、
思慮が浅いという意味が含まれているのです。
また、『猪突猛進』は、しばしば人の性格を表す言葉としても用いられます。
もし、あなたが、
「君は猪突猛進だね」
と誰かに言われたら、
それは褒め言葉ではない、と肝に命じておきましょう。
信頼している人から言われたのなら、
「忠告されてるのかな」
「行動が軽率だったかな」
と、反省すべき言葉なのです。
会話で『猪突猛進』を使う例をあげてみますね。
- 「一度決めたら猪突猛進の人だから」
- 「彼女は猪突猛進型で無謀なところがある」
- 「彼は常に猪突猛進、考えるよりも行動が先だ」
このような使い方を見ても、
『猪突猛進』には、「前後を顧みない行動」がうかがえます。
ひたすら突き進む様子を『猪突猛進』として使われている場合もありますが、
何しろ「猪突」、
猪のように突き進むというのは、目上の人や親しくない相手に使うのは失礼にあたります。
代わりに使えるような、『猪突猛進』に似た意味を持つ四字熟語をご紹介しますね。
猪突猛進の代わりになる似た意味の四字熟語は?
『猪突猛進』に近い意味のある言葉には、以下のようなものがあります。
- 「勇往邁進(ゆうおうまいしん」):目的・目標に向かって勇ましく、脇目も振らず前進すること
- 「直往邁進(ちょくおうまいしん)」:恐れずに真っ直ぐに進むこと
- 「直情径行(ちょくじょうけいこう)」:他人や感情や周囲の事情などを考えずに、思った通りに行動すること
相手を褒めるときは、以下の言葉も使えます。
- 「勇猛果敢(ゆうもうかかん)」:勇ましく力強く、決断力があり何事も恐れない様子
- 「一心不乱(いっしんふらん)」:目的を達成するために他のことに心を奪われずに集中する
これらの言葉は、『猪突猛進』とは意味自体は異なりますが、
行動力や目的意識が相手に伝わる表現です。
猪突猛進とは良い意味それとも悪い意味?由来でわかる使い方 まとめ
『猪突猛進』とは、
「状況や周りを考えず、ただがむしゃらに突き進む」
という意味を持つ言葉です。
基本、通常『猪突猛進』は良い意味では用いられません。
「周囲の状況などおかまいなしで、周りを巻き込んででも、自分の道を突き進んでいる」
という、無鉄砲な意味合いが強いからです。
『猪突猛進』は、人の性格を表す語としても用いられます。
一般的に『猪突猛進』には、
「浅い考えで行動する人」
「相手や周りに考えが及ばない人」
といった悪いニュアンスが含まれているので、
目上の人や親しくない相手に使うのは失礼にあたります。
「目的に向かって前進する」
という意味で使いたい場合は、
他にも似た意味の言葉があるので、
状況に応じて使い分けてくださいね^^