朝顔の花はなぜ朝に咲くの?
朝顔がすぐにしぼむのはどうして?
短い間しか咲かないのに種ができる理由は?
その疑問、解消します!
朝顔が咲く時間、
朝顔の開花条件、
季節ごとの開花時期、
早くに花がしぼむ役割、
種子ができる受粉の仕組みも含めて、
わかりやすくお伝えします。
朝顔はなぜ朝に咲くの?
子どもの頃、夏休みの宿題で
「朝顔(あさがお)の観察」をした方も多いと思います。
わたしも夏休みの自由研究で
せっせと朝顔の観察日記をつけたクチ。
なので朝顔を見かけると、子供だった頃の夏を思い出して懐かしい気分になります。
朝起きると、すでに花が咲いている朝顔。
大きな可愛らしい花を咲かせる朝顔ですが、
小学生だった当時は
「朝顔はなぜ朝早くから咲いているのか?」
と、とても不思議に思ったものです。
朝顔は朝咲くというイメージがありますが、
実際には夜明け前の薄暗いころに咲くことが多い花です。
7月ごろなら、朝顔の花が咲くのは、
早朝の午前4時から午前5時ごろです。
日の出が早い夏でも、
午前4時ごろというのは日の出前。
東京の7月の日の出は
午前4時30分~4時50分ごろからですから、
午前4時ごろといえばあたりはまだ暗く、
明かりをつけなければ周りの様子が見えない時間です。
ということは、朝顔は、
朝の光の明るさで咲くというわけじゃないようです。
実は、
朝顔の咲く時間を決めているのは
日の出ではなく日没の時間なのです。
朝顔はつぼみのうちにお日様の光を浴びて、
暗くなってから9~10時間ほどで開花する、
という性質を持っています。
このため、
日没が早くなるほど開花が早くなるんですね。
日没時刻は季節によって異なります。
朝顔の咲く時期は7月から10月頃です。
6月末から7月上旬にかけてが、
1年の中では日没が最も遅い時期です。
この朝顔の性質がわかれば、
明日の何時ごろに朝顔の花が咲くのか予想がつきます。
東京の場合、2022年を参考に、
日没後に10時間プラスして開花の目安を見ると、
以下のようになります。
7月1日の日没 19:01……翌日開花目安 → 5:01
8月1日の日没 18:46……翌日開花目安 → 4:46
9月1日の日没 18:09……翌日開花目安 → 4:09
10月1日の日没 17:26……翌日開花目安 → 3:26
季節が秋に進むにつれて、
朝顔の開花時間は早くなります。
夏至(6月21日頃)を過ぎた頃、
朝顔は一番遅く咲き、
それ以降は次第に早く咲くようになり、
秋には夏より2時間ほど早く開花するようになります。
たとえば、
朝顔のつぼみのついている鉢植えを暗い部屋に入れると、
約10時間後につぼみが開きます。
暗い部屋に早く入れれば入れるほど、
翌日の朝顔の開花時間は早くなり、
遅く入れるほど開花は遅くなります。
朝顔の開花する時間は、
日没の時刻以外にも、
その日の気温によっても変動します。
気温が高いと開花が遅くなる傾向があります。
朝顔はなぜしぼむの?
まだ暗いうちから咲く朝顔は、
昼前にはしぼんでしまうので
すぐしぼむ印象がありますよね。
朝顔の多くは、
開花したその日のうちにしぼんでしまいます。
朝顔がすぐにしぼむのは、
外気の暑さと乾燥によって
花びらの水分が蒸発してしまい、
水分不足になってしまうからです。
朝顔の花びらはとても薄く、
薄いとその分、水分が蒸発しやすくなります。
日の光を浴びると、
花びらから水分がどんどん奪われていきます。
通常、花は根から水分を吸収していますが、
それが追いつかなくなると、
花びらが水不足となってしぼんでしまうのです。
水分が奪われる夏の暑い時期だと、
朝顔の花は午前9時ころにはしぼみます。
日の出が遅くなると、
その分遅くまで咲いているようになります。
気温が下がってくると、
それに連れ遅くまで咲いているようになります。
9月中旬ごろになると午前10時から11時くらいまで、
10月ごろだと昼過ぎまで開いていることもあります。
雨の日は湿気が多いので
晴れの日よりも遅くまで咲いている傾向があります。
花びらの厚みは朝顔の品種によっても異なります。
花びらが厚いとその分、
水分の蒸発が遅くなるので、
朝顔の花がしぼむのも遅い傾向があります。
また、早くに花がしぼんでしまうのは、
受粉しためしべを乾燥から守る役割もある、
と言われています。
朝顔に種ができるのはどうして?
小学生の時、
学校からもらった朝顔の苗を家の庭で育てて、
その成長を観察日記にした懐かしい思い出があります。
きれいな花が咲いたあとには「種」も収穫できて
とても嬉しかったのですが、
1日のうちにほんの数時間しか咲かない朝顔から、
どうして種が出来るのか、
これもまた不思議でした。
多くの花々は、
ある一定期間咲くことによって、
虫たちに受粉を手伝ってもらいます。
ですが、
朝顔の花の命は1日(種類によっても異なりますが)、
それも短い時間です。
では、朝顔はどうやって受粉しているかというと、
『自家受粉(じかじゅふん)』といって、
開花前日につぼみの状態で受粉を行ってしまうのです。
つぼみの時、
朝顔のめしべはおしべより少し長い状態です。
ですが、成長するにしたがって、
おしべがめしべを追い抜いていきます。
その際、
おしべがめしべに触って花粉をつけ、
受粉するのです。
朝顔の受粉は開花前に行われるので、
たとえ短い間しか咲くことができなくても
種子を作ることができるんですね。
一方で、朝顔が開花している数時間に、
ハチなどの虫がやってきて
蜜を吸いながら受粉することもあります。
これを『他家受粉(たかじゅふん)』といいます。
こちらは西洋朝顔ヘブンリーブルー(和名:そらいろあさがお)の種です。
【フランスの花の種子】西洋朝顔ヘブンリーブルー グリーン・フィンガーズ★
ヘブンリーブルーの美しい青は 、暑い日本の夏にも涼しげに映えます。
この朝顔は生育が旺盛でつたもよく伸びるので、わたしの実家では、母が毎年育てています。
朝顔はなぜ朝に咲くの?どうしてすぐしぼむ?種ができる仕組みは? まとめ
朝顔は朝咲くというイメージがありますが、
実際には夜明け前の薄暗いころに咲くことが多い花です。
「朝顔がなぜ朝に咲くのか」
朝顔の咲く時間を決めているのは日没の時間です。
朝顔はつぼみのうちにお日様の光を浴びて、
暗くなってから9~10時間ほどで開花する、
という性質を持っており、
気温が高いと開花が遅くなる傾向があります。
朝顔はなぜすぐしぼむのかというと、
外気の暑さと乾燥によって
花びらの水分が蒸発してしまい、
水分不足になってしまうからです。
花の命が短い朝顔ですが、
開花前日につぼみの状態で受粉を行う、
『自家受粉』を行って種を残しています。
街なかや道端でも見かける朝顔、
暗いうちから花を咲かせ、
昼前にはしぼみ、
虫に頼らず自家受粉するなんて、
なんてエコな花なのでしょう^^
朝顔は朝咲く花ではなく、
朝にはすでに咲いている花なんですね。
そういえば朝顔という花の名も、
朝には咲いてすぐにしぼむことに由来しているんですよ。
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