ところてんと寒天の違いとは?名前の由来と歴史でわかる相違点

ところてんと寒天の違いとは?名前の由来と歴史でわかる相違点

ところてんと寒天の違いとは?

何が同じで何が違うの?

それぞれの特徴は?

心太と寒天の名前の由来は?

その疑問、解消します!

ところてんに磯の香りがする理由、

関東と関西で食べ方が違う背景、

寒天が発見された逸話、

寒天の種類も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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ところてんと寒天の違いは?

ところてんのおいしい季節になりました。

最近はスーパーなどでは

一年中店頭にありますが、

やはりところてんといえば夏の風物詩。

わたしは関東なので

酢醤油をかけたところてんが

涼しさを誘ってきます。

でも、ところてんって

「磯くさくて苦手」

という人も結構いるんですよね。

わたしの周りにも

「あんみつやみつ豆の寒天なら大丈夫だけど

ところてんはダメ」

というタイプがいます。

ところてんと寒天、

このふたつはよく似ていますが、

それもそのはずで

ところてんと寒天は原材料が同じです。

どちらも

天草(テングサ)」

という海藻を煮出して作るものです。

ところてんと寒天の最も大きな違いは製法で、

ところてんは天草を煮出して

抽出した液を漉したものを冷やし固め、

細く切ったもの(天つきでだしたもの)。

一方、

寒天はところてんを凍らせ、

乾燥させてつくります。

天草を煮出して濾したもの(ところてん)を

冷凍&解凍して乾燥させ、

磯臭さを抜いて保存性を高くしたのが棒寒天、

それを細かくしたのが糸寒天や粉寒天です。

いわば、寒天はところてんのフリーズドライのようなものです。

この寒天を煮て、ただ固めたのが、

みつ豆に入っているあの透明な寒天です。

製法でいえば、

まずところてんを作ってから寒天になる』ので、

ところてんには海のミネラル分がたくさん含まれていますが、

寒天には全く含まれていません。

この海のミネラル分がところてん独特の

「磯の風味」

「磯の香り」

となって残るので

ところてんが苦手な人もいるというわけです。

その点、寒天はほとんど匂いがしないので、

料理やお菓子にも使うことができます。

寒天を煮て、

溶かして固めてもところてんは作れますが、

天草から作ったものに比べると

ところてん自体の強度や風味、

食感ははるかに劣ります。

ところてんとは?

ところてんは天草を原料として煮溶かし、

型に流し込んで成形して作る日本独特の食品です。

成形したところてんは、

天突き』と呼ばれる専用の器具を用いて、

押し出しながら細い麺状に切った形が一般的です。

ところてんの食べ方

ところてんは地域によっていろんな食べ方があります。

大きく分けると、関東では、

三杯酢や酢醤油で食べるのが一般的ですが、

関西ではおやつのように

黒蜜をかけて食べるのが主流です。

関東で黒蜜をかけて食べる物と言えば

「葛きり」が定番ですが、

関西でところてんに黒蜜を使うのは、

ところてんと葛きりの食感や

見た目が似ていることから

ところてんも黒蜜で食べるようになった、

とも言われています。

東京だとところてんは、

「もずく」や「めかぶ」などと並んでいますが、

大阪ではデザート感覚なので、

ところてんは和菓子売場にあります。

心太の名前の由来は?

ところてんは漢字で「心太」と書きます。

パソコンでも一発変換ですが、

心太の名前の由来は

そのままところてんの歴史につながります。

ところてんの歴史はとても古く、

天草を煮て溶かす製法は、

遣唐使が持ち帰ったと言われています。

701年(大宝元年)に制定された『大宝律令』には

凝海藻(こるもは、こるも)」

という名前で出てきます。

凝海藻は「天草が凝る(固まる)」という意味で、

元は海草を煮たスープを放置したところ、

偶然にできた産物だったと考えられています。

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平安時代になると「凝海藻」は、

古々呂布止(こころふと)』

と呼ばれるようになります。

この「こころ」は、

「こる・こごる(凝る)→ 固まる」

という意味で、

「ふと」は、お餅のような食品のことを指します。

つまり、

『古々呂布止(こころふと)』は、

「凝り固まったお餅」といった意味です。

やがて、

『古々呂布止(こころふと)』には

心太』という漢字があてられ、

当時はそのまま「こころふと」と呼ばれていました。

「こころふと」と呼ばれていたのが

なぜ「ところてん」となったのかは諸説ありますが、

有力なのは、

「こころふと」から「こころたい」、

「こころてい」、

「こころてん」と変化し、

最後に「ところてん」と呼ぶようになった、

というものです。

江戸時代の寛永年間(1624年~1643年)の頃には、

「ところてん」という呼び名が定着し、

夏の食べ物として冷たい状態で、

醤油や砂糖をかけて食べていたようです。

ところてんの名前の由来は

正確なところはわからない所も多いのですが、

『心太』という漢字だけは、

そのまま使われ続けたというわけです。

ちなみに、

ところてんの原材料となる「天草(テングサ)」も、

はじめは「こころふと」と呼ばれていたものが、

ところてんの材料であるところから

「ところてんぐさ」

と呼ばれるようになり、

それが頭の部分を省略して

「てんぐさ(天草)」

と呼ばれるようになったと言われています。

寒天とは?

寒天はところてんを凍結・乾燥したものです。

寒天の産地として有名な長野県や岐阜県は、

周りに天草が採れる海がありませんが、

なぜ寒天の産地となっているかというと、

冬に氷点下になって凍らせることができるからです。

寒天は、日本のオリジナル商品で

江戸時代初期に偶然発見されました。

貞享2年(1685年)の冬の寒い時期、

薩摩藩の島津氏一行が参勤交代の折り、

立ち寄った京都の旅館『美濃屋』の主人が、

当時京都で作られていた「ところてん」で

島津氏をもてなしました。

その際、

残ったところてんを戸外に出しておいたところ、

寒さのせいで凍結した後に乾燥した、

乾いたところてんを発見しました。

このところてんをもう一度水で戻し、

改めてところてんを作ってみると、

元のものよりも海藻の匂いがしない、

おいしいものができました。

その後

試食した隠元禅師(黄檗山萬福寺を開創)が、

これを「寒天」と命名し、

精進料理の食材として活用したという逸話があります。

寒天の名前は、

「寒」い「天(空)」に放置して作るところから、

『寒晒心太(かんざらしところてん)』の意味を込めて、

命名したといいます。

寒天には、形状が異なる数種類の寒天があります。

  • 棒寒天
  • 粉寒天
  • 糸寒天

棒寒天

棒寒天は昔ながらの寒天で、

洗ったあと、

ちぎって水やだしに入れ火にかけ、

かたまりが消えて

透明感が出るまで煮たのちに固めます。

手間がかかるので、

現在は粉寒天が主流となっています。

粉寒天

粉寒天は粉末で使いやすいため、

料理や甘味料など様々な用途に使われています。

常温の水やだしに入れ、

火にかけて溶かし、

かき混ぜながら煮て、

調味料を加える場合は、

粉寒天が溶けてから加えます。

糸寒天

糸寒天はそのまま

スープやサラダの具材として使える寒天です。

洗った後に食べやすい長さにカットして、

水やお湯で10分ほど戻すだけでOK。

味噌汁などにも、

ひとつまみ入れるだけで食物繊維の補給になります。

ところてんと寒天の違いとは?名前の由来と歴史でわかる相違点 まとめ

ところてんと寒天は原材料が同じで、

どちらも

「天草(テングサ)」

という海藻を煮出して作るものです。

天草を似て固めたのがところてん。

ところてんを乾燥凍結させたものが寒天です。

ところてんと寒天の最も大きな違いは製法で、

まずところてんを作ってから

寒天が作られます。

ところてんには海のミネラル分が

たくさん含まれているので磯の香りが強く、

寒天はほとんど匂いがしません。

そのため寒天は

料理やお菓子にも使うことができます。

古くから食べられてきたところてんと寒天は

腸内環境を整える水溶性食物繊維と、

腸のぜん動運動を活発にする不溶性食物繊維が

豊富に含まれています。

海の幸を生かしたところてんと寒天は

まさに日本人の知恵といえますね。

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