よく見るEPAとDHAって何?効能や効果に違いはあるの?殆ど魚を食べない人はどうなる?効率的な摂取方法はサプリより缶詰?魚の脂に含まれるEPA&DHAを取るには高価なサプリメントよりお得な方法が。サバ缶詰3社のDHAとEPAの含有量もご紹介。
EPAとDHAとはどんなもの?
EPAやDHA、この頃よく目にしますよね。
なんとなく良さげなものだとは思っていても、実際どんなものなのか、ご存知ですか?
EPAとDHAは、どちらも魚の脂です。
EPAは「エイコサペンタエン酸」。
DHAは「ドコサヘキサエン酸」。
〈EPAとDHAはオメガ3のひとつ〉
一般的にはEPAとDHAに「α-リノレン酸」を加えた、
「オメガ3脂肪酸(n-3脂肪酸)」
という呼び方のほうが広く知られ、馴染んでいますね。
オメガ3必須脂肪酸というのは、主に魚(いわゆる青魚に多い)に含有している『脂』です。
特に、サバ・マグロ・サンマ・イワシなどに多く含まれています。
このEPAとDHAは、どちらも血中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きを持っているということで近年、注目されています。
EPAとDHA共に人間の体内では合成できない必須脂肪酸です。
つまり、どっちも食品から摂取する必要のある栄養素なんですね。
■ EPAとDHAが一緒に扱われる理由
・分子構造が似ている。
・同じような食品から摂取できる。
・似た働きをする同じ仲間(n-3系列脂肪酸)
以上のことからEPAとDHAは、あまり区別されることなく、一緒に扱われることが多いのです。
EPAとDHAの最大の違い!魚を食べないとどうなる?
EPAとDHAはどちらもオメガ3必須脂肪酸という栄養素で、その働きも効果もよく似ています。
共に血中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きを持っていますが、分子構造が似ていても、全く同じではない以上、違いがあります。
EPAとDHAの最も大きな違いは
・EPAは脳に存在しない
ということです。
DHAは脳が必要とする栄養分の1つですが、EPAは脳に入ることすらできません。
これは、EPAが通過できない脳の血液脳関門をDHAは通過できる、ということにあります。
DHAは脳の働きに欠かせない成分であり、脳の構成成分の1つ。
だからといって、
DHAを摂取してもアタマが良くなるわけじゃありません(笑)。
〈DHAとEPAは魚を食べない人はどうなるの?〉
DHAが、
『脳の働きに欠かせない成分で、脳の構成成分の1つ』
なんて聞くと、
普段、ほとんど魚を食べない人は心配になっちゃいますよね。
でも、安心してください。
人間の身体はよく出来ているのです。
慢性的なDHA・EPA不足だという人でも、脳や網膜にはDHAがしっかり存在します。
これは我々の身体に脳のDHAが不足しないように、全身からEPAを集めてDHAに変換するという働きがあるからです。
日常的に魚を食べている・食べていない、
いずれにせよ、健康的な暮らしを意識するならEPAとDHAを摂取することは大切ですね。
EPAとDHAの効果的な摂取はサプリより缶詰?
日常でEPAとDHAを摂取しておくと、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の予防ができると考えられています。
では、EPAとDHAを、どのように摂取するのが良いのでしょうか。
〈EPAとDHAは魚の摂取が効率的〉
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によると、
12歳以上の成人はn-3系脂肪酸を1日2100~2400ミリグラム摂取するのが望ましい
とされています。
■100グラムあたりに含まれるEPA&DHAの量
・ イワシ DHA: 870 EPA: 780
・ サンマ DHA:1600 EPA: 850
・ サバ DHA: 970 EPA: 690
・ ブリ DHA:1700 EPA: 940
・ マグロ(赤身) DHA: 120 EPA: 27
・ マグロ(脂身) DHA:3200 EPA:1400
・ 紅鮭 DHA: 480 EPA: 270
・ ヒラメ DHA: 290 EPA: 120
*データは「日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編」を参考に、生のものについて可食部100グラムあたりの数値をミリグラムで記載しています。
こうして見てみると、同じ魚類でも種類によって値の大小があることがわかりますね。
EPAやDHAは魚の脂肪に含まれる成分ですから、あっさりとした白身魚よりも、脂肪が多めの魚から摂りやすいことがわかります。
同じ魚であっても、
マグロなら赤身よりもトロ・中トロのように、脂の乗った部位の方が摂りやすいということです。
〈EPAとDHAを摂取する方法〉
EPAとDHAを摂取する方法としては主に4つあります。
■ EPAとDHAを摂取する方法
・魚を食べる
・魚の缶詰を利用する
・錠剤やドリンクなどのサプリメントや特定保険用食品を利用する
・DHAを添加したヨーグルトのような食品を取る
EPAやDHAを含む健康食品やサプリメントは数多くあります。
ただ、商品ごとに規格が異なり、多様な種類に迷ってしまいます。
私も魚油(EPA&DHA)でいろいろサプリメントを探しましたが、含有量や値段もピンキリです。
幾つかのメーカーのものを、100円あたりで含まれているEPAとDHAの量を計算してみたのですが、200~500ミリグラムあたりが主流のようです。
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〈EPAとDHAを摂取するなら缶詰がおすすめ〉
「これなら、サプリより鯖缶が良いんじゃないか?」
鯖の水煮の缶詰が大好きで、常時1ダースはストックしている私はふと思いました。
我が家は基本肉系なので、メインに魚が続くとブーイングが出ますが、鯖缶なら副菜でいろいろアレンジができそうです。
そこで、手元に水煮の鯖缶が数種類あったのでそれぞれチェック。
EPA&DHAの表示がないものもありましたが、表示があったものを参考までに。
■EPA&DHAサバの缶詰(水煮)成分表示
・マルハサバ水煮(容量190g)
100gあたり
DHA:1200~2600mg
EPA:800~1700mg
カロリー:150~236kcal
・はごろもフーズさばで健康(水煮)160g
1缶あたり・液汁含む
DHA:1104mg
EPA: 480mg
・西友オリジナルブランドみなさまのお墨付き(水煮)
100gあたり
DHA:1529mg
EPA:1048mg
缶詰の値段はだいたい約130円から約180円といったところです。
サプリメントでは、100円あたりに含まれているEPAとDHAの量が200~500ミリグラム。
これに対して、市販の缶詰だと100円あたりで数倍のEPAとDHAが摂取できます。
経済面でもお財布に優しい上、魚の缶詰ならたんぱく質も一緒にとれますよね。
まとめ
EPAとDHAはクルミやエゴマ、大豆など植物からも摂取できますが、EPAとDHAが豊富なサンマ・サバ・イワシなど、魚から取るのが最も効率的です。
魚をお造りにしたり焼いたり煮たりしなくても、手軽な缶詰を利用すれば充分なEPA&DHAを摂取できます。
忘れてはいけないのは、EPA&DHAが身体に良いとはいっても脂肪は脂肪。
エネルギーはしっかり供給されますので、くれぐれも「食べ過ぎ」には気をつけてくださいね。