柿が赤くなると医者が青くなるの意味とは?
どんな解釈があるの?
柿の栄養や効能、カロリーは?
その疑問、解消します!
ゆずやりんごなど他の果物での同じような言い方、
柿に含まれるビタミンの特徴と役割、
身体への効果も含めて、
わかりやすくお伝えします。
柿が赤くなると医者が青くなるの意味とは?
紅葉の時期になると、さまざまな食材が旬を迎えます。
なかでも秋の味覚を代表する果物のひとつが柿。
独特の甘さと歯ごたえがおいしい果物です。
『柿が赤くなると医者が青くなる』
ということわざがあります。
これは、
「柿の実が赤く色づく頃は気候がよく、病人が少なくなるので医者が困る」
という意味です。
柿が熟す頃は過ごしやすい気候になるので体調が回復する季節。
栄養豊富な食べ物もたくさんあるから医者にかかる人が少なくなる、といった
意味合いです。
加えて、
「糖分やビタミン類が豊富な柿は体に良い」
という意味も含まれています。
柿は健康に良いから食べていると病気にかかりにくい、そうなると医者は手持ち無沙汰になるというニュアンスですね。
他の果物でも同じような着想がなされていて、
『ゆずが黄色くなると医者が青くなる』
『トマトが赤くなると医者が青くなる』
『りんごが赤くなると医者が青くなる』
『橙(だいだい)が赤くなると医者が青くなる』
『みかんやゆずが色づくと医者が青くなる』
『みかんの皮が色付くと藪医者の顔が青くなる』
といったものもあります。
一方で、『柿が赤くなると医者が青くなる』には
「柿が色付く頃は農家にとっては作物の収穫期。少しぐらい体調が悪くても医者に診てもらう暇などない。だから患者あっての医者は商売が成り立たなくなる」
といった意味で捉える説もあります。
柿が色づく秋は農家の繁盛期にあたるという事情ですね。
一般的には前述の
「柿の実が赤く色づく頃は気候がよく、病人が少なくなるので医者が困る」
という意味で使われています。
今のように冷蔵庫もクーラーもない時代、夏は食品が傷みやすくお腹をこわすことも多く、うだるような暑さは体力を奪ってしまいます。
体調を崩していた人や病人が、柿が色づいてくる秋頃に回復してくるというのは頷けますね。
そして、柿には栄養がたっぷり含まれています。
柿の栄養と効能
柿は栄養が豊富で、『天然の総合ビタミン剤』ともいわれる果物です。
柿に含まれている主なビタミンをご紹介しますね。
ビタミンC
柿1個でビタミンCの一日の必要量をほぼまかなえるくらい含んでいます。
含まれているビタミンCは、みかんなどの柑橘類の約2倍。
柿は全果物中でもビタミンCが豊富なもののひとつです。
ビタミンCは疲労回復、風邪やインフルエンザの予防、ガン予防、老化防止に効果があります。
ビタミンCには強い抗酸化作用があることが知られています。
老化の原因である活性酸素を抑制してくれるので、アンチエイジングにも効果的といわれています。
βカロテン
βカロテンは、一部が体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは免疫力を高める効果があると言われています。
ビタミンAは皮膚や粘膜を生成するサポートをしており、身体の免疫機能を支える重要な役割を担っています。
ビタミンA(βカロテン)が不足すると、肌がかさついたり荒れたりする原因となります。
また、粘膜が弱まってしまうので、病原体やウィルスが侵入しやすくなります。
そうなると免疫力の低下につながり、風邪をひいたりインフルエンザにかかったりする恐れがあります。
β-カロテンは、生の柿よりも干し柿の方が多く含まれています。
β-クリプトキサンチン
β―クリプトキサンチンには抗酸化作用があり、がんの発生の予防になるという研究結果が報告されています。
免疫力の向上や美肌美白効果、アンチエイジングなど老化防止も期待できます。
タンニン
タンニンは柿の渋味成分で、ポリフェノールの一種です。
お茶の渋味もタンニンです。
タンニンには体に有害となる細菌やウイルスなどを殺菌、解毒する作用があるとたくさんの研究報告があげられています。
食中毒の予防や、風邪やインフルエンザの予防にも効果が期待されています。
タンニンはメラニン色素の生成を抑える作用があることから、美白にも効果が期待できると言われています。
また、タンニンはアルコール成分を分解する力があるため、二日酔いの防止に良いといわれています。
カリウム
カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧の予防に効果があります。
カリウムには利用作用があります。
『柿には二日酔いの回復効果がある』
と言われるのは、柿の渋みの元になっている成分のタンニンがアルコール成分を分解して、カリウムが尿として排出してくれるからです。
また、カリウムには長時間の運動による筋肉のけいれんなどを防ぐ働きもあります。
カリウムもβ-カロテン同様、生の柿よりも干し柿の方が豊富に含まれています。
アストラガリン
アストラガリンは柿の葉に含まれるポリフェノールの一種です。
アレルギーの炎症を引き起こすヒスタミンを抑える効能があります。
アストラガリンは抗アレルギー作用があることから、柿の葉を煎じたお茶を飲むことで花粉症の予防になると注目されています。
柿のカロリーは?
柿のカロリーは品種によっても甘みによっても違ってきます。
『五訂日本食品標準成分表』に記載されている甘柿のカロリーは。可食部100gあたり60kcal。
渋柿は63kcalです。
柿が赤くなると医者が青くなるの意味とは?効能や栄養 カロリーは? まとめ
『柿が赤くなると医者が青くなる』は
「柿の実が赤く色づく頃は気候がよく、病人が少なくなるので医者が困る」
という意味です。
加えて、
「糖分やビタミン類が豊富な柿は体に良い」
という意味も含まれています。
柿は栄養が豊富で、『天然の総合ビタミン剤』ともいわれる果物です。
柿に含まれている主なビタミンは次のとおりです。
- ビタミンC
- βカロテン
- β-クリプトキサンチン
- タンニン
- カリウム
- アストラガリン(柿の葉)
柿は日本を含む東アジアが原産で、学名を「Diospytos kaki」といいます。
学名にも「kaki」がそのまま使われていますね。
これは柿が日本から南蛮貿易によってヨーロッパへ伝えられたことに由来していて、
「Diospytos」には「神様の食物」という意味があります。
近所に大きな柿の木があるお宅があるのですが、さわやかな秋の青空にだいだい色をした柿がたわわに実っているさまは実に壮観です。
目にも美しく、栄養たっぷりの柿。
医者いらずになれるよう、神様の食物をおやつやデザートに取り入れていきたいですね。