ガッツポーズの意味や由来とは?
いつから定着したの?
英語でどう言う?
ガッツポーズが禁止のスポーツって?
その疑問、解消します!
ガッツポーズが広まった時代背景、
海外での使い方と例文、
マナー違反とされている競技も含めて、
わかりやすくお伝えします。
ガッツポーズの意味とは?
友人の息子、小学2年生の男の子がサッカー選手を目指して毎日練習に明け暮れています。
彼いわく、
「自分がシュートを決めガッツポーズして喜んでいるところまでをイメージして練習してる」
とのこと。
よく
『人間の脳は、イメージしたことを具現化する』
っていいますが、
若干8才でイメージトレーニングも併用しているなんて、と驚きつつもどんなガッツポーズをするのか知りたくなって、
「ガッツポーズやってみて」
とリクエストすると、照れくさそうに
〈腰のあたりで両こぶしをぎゅっと握る〉
という、
とても控えめなガッツポーズを見せてくれたんですが、その仕草が可愛くて、思わず笑っちゃいました。
ガッツポーズってどんなポーズ?
ガッツポーズとは、体が喜びを表現するポーズのひとつです。
何か嬉しいことがあった時や
会心のパフォーマンスをした瞬間、
もしくは何かを成し遂げた時などに、
思わず拳(こぶし)を握ったり
両手もしくは片手の拳を突き上げたりするのがガッツポーズです。
プロ野球やサッカーなどのスポーツの世界ではおなじみですが、誰でも一度はやったことあるんじゃないでしょうか。
わたしも、ビンゴゲームで韓国旅行をあてたときには、それまでの人生で最大のガッツポーズをした記憶があります。
友人は、小さなガッツポーズならゴルフに行くと30回くらいやると。
そう言われてみると、友人なりに目標があるようで、クリアすると「よし!」と言いながら肩のあたりで右手の拳を握っています。
ゴルフの腕はお世辞にも上手とは言えませんが、喜びの沸点は人によって違うもの。
ガッツポーズで成功体験を積み重ねると、ある時目まぐるしい成長を遂げるかもです(笑)
ガッツポーズの由来は?
ガッツポーズを一躍世間に知らしめたのは、俳優でタレントのガッツ石松(ガッツ いしまつ)氏です。
テレビのバラエティなどで見る楽しいキャラクターやスクリーンでの名脇役からは想像つかないかもですが、ガッツ石松氏は元プロボクサー。
元WBC世界ライト級チャンピオンでもあります。
プロボクサーだったガッツ石松選手は1974年(昭和49年)4月11日、東京・日大講堂で行われた、WBC世界ライト級王座のタイトルマッチに挑戦。
チャンピオンのロドルフォ・ゴンザレス(メキシコ)選手に鮮やかな8回KO勝ちで王座を奪取、念願の世界タイトルを獲得しました。
KOとは、ノックアウト(Knock Out)の略語です。
KOをボクシング用語で使う場合は、試合の中で相手より強い選手が、対戦相手に自分の攻撃によって決定打を与え、
相手選手が倒れて(足の裏意外の部分を床についた状態)、
レフェリー(審判)が10カウント(10秒)数えても、相手選手が起き上がってファイティングポーズを見せるまで回復せず、試合続行ができなくなった時に勝利が決まることです。
WBC世界ライト級タイトルマッチでロドルフォ・ゴンザレス選手からKO勝ちしたガッツ石松選手は、コーナーポストに登り、両手を突き上げ体中で喜びをあらわしました。
その時の映像がこちらです。
「オレは強い!」
とばかりに両腕を突き上げていますね。
このガッツ石松選手の歓喜の様子を、当時の新聞記者が「ガッツポーズ」と表記して新聞に写真を掲載、
これがきっかけとなって、ガッツポーズという言葉が一気に世の中に普及して定着したのです。
ガッツポーズはその前からあった?
ガッツポーズという言葉が世の中に広まったのは、ガッツ石松選手のWBC世界ライト級の勝利がきっかけですが、言葉自体はそれ以前からありました。
ガッツ石松選手がWBC世界ライト級のチャンプになったのは1974年(昭和49年)。
1970年代当時は、ボウリングが一大ブームで『ガッツボウル』というボウリング専門の雑誌がありました。
1972年(昭和47年)11月、雑誌『ガッツボウル』は、ストライクを取ったときのリアクション、いわゆる決めポーズを掲載し、「ガッツポーズ」と名付けました。
ガッツ石松選手がWBC世界ライト級王者を奪取したのは、その2年後の1974年(昭和49年)です。
なので、ガッツポーズの由来をたどるとボウリング雑誌の『ガッツボウル』に行き着くのですが、
やはり日本中に広まったのは、ガッツ石松選手のWBC世界ライト級の勝利によるものと言えます。
ガッツポーズは英語じゃない?
ところで、この「ガッツポーズ」という言葉、ペットボトルやフライドポテトと同じように、英語の辞書には載っていない和製英語です。
和製英語というのは、英語の単語をもとに、英語らしく作った言葉のこと。
ペットボトルは「plastic bottle」
フライドポテトは「French fries」
と言わないと伝わりません。
ガッツポーズは「ガッツ(guts)」+「ポーズ( pose)」で作られた造語です。
「ガッツポーズ」となるとJapanese English、和製英語なんですね。
「guts」という言葉自体は英語にもあって、日本語と同じように「気力」や「根性」という意味を表しますが、基本的に「腸・内臓」という意味で使われます。
なので、海外の人にはガッツポーズは「内臓のポーズ」という、意味不明のポーズとなってしまいますw
ちなみに、ホルモン屋さんや串焼きのお店などでメニューにある「ガツ」もこれ由来だと聞いたことがあります。
ガッツポーズを英語で言うと?
ガッツポーズは英語にすると
「victory pose」
「fist pump」
といった感じです。
「victory pose」は「勝利」「戦勝」といった意味があります。
「fist pump」の「fist」は「こぶし・げんこつ」です。
「pump」は「注入する・空気を入れる」といった意味です。
【例】
I did a little fist pump when passed the part time job interview.
私はそのアルバイトの面接に合格した時、小さくガッツポーズをした
ガッツポーズが禁止されているスポーツ
嬉しくて思わずガッツポーズが出てしまう場面はよくありますが、スポーツにおいては競技によって禁止されているものもあります。
剣道では、全日本剣道連盟の『試合審判細則第24条』で不適切な行為と規定されています。
一本を取った後でガッツポーズをした場合には、一本が取り消しとなります。
礼に厳しい剣道では、勝利したからといってガッツポーズを取るのは、相手に対する礼節を欠く行為とみなされるんですね。
昔の剣術の試合は防具もなく、真剣や木刀を使って命のやり取りをしていたため、命をかけた相手に対しての礼儀というものを重んじる伝統があるのです。
空手も、相手への礼節を欠く行為とみなされるため、ガッツポーズは禁止されており、試合後のガッツポーズは失格扱いになります。
卓球も試合中に相手の目を見てガッツポーズはマナー違反となります。
相手の目を見てのガッツポーズは威嚇や挑発行為ととらえられ、違反した場合には審判からイエローカードが出されることもあります。
相手の目を見なければ問題ありません。
また、日本の国技である相撲も土俵上では礼節が重んじられていることから、ガッツポーズは規制はされていないもののマナー違反とされています。
他にも、高校野球や柔道など、日本で親しまれているスポーツには明確なルールこそありませんが、
ガッツポーズが相手に対して配慮を欠いた行動とみなされた場合は、厳しい注意を受ける場合もあります。
ガッツポーズの意味や由来とは?英語でどう言う?禁止のスポーツって?まとめ
ガッツポーズとは、体が喜びを表現するポーズのひとつで、
拳(こぶし)を握ったり
両手もしくは片手の拳を突き上げたりする動作を意味します。
ガッツポーズの由来はボーリング雑誌とされていますが、世の中に広く知らしめたのは、元プロボクサーのガッツ石松氏だと言われています。
ガッツポーズは和製英語で、海外では
「victory pose」
「fist pump」
と言います。
スポーツ界では伝統や対戦相手への配慮からガッツポーズが禁止、もしくはマナー違反とされている競技があります。
- 剣道
- 空手
- 卓球
- 相撲
- 高校野球
- 柔道
以前、九州大学大学院の研究グループが人間の感情について
「人間は上方向に腕を動かすと快く感じ、下方向に腕を動かすと不快に感じる」
という現象を発表しました。
喜びの感情を表すガッツポーズやバンザイも、腕を空に向けて上げる快感と連動しているのかもしれませんね。