緊急事態宣言とはどんな意味?出たらどうなるの?わかりやすく教えて!

緊急事態宣言とは何のこと?

どんな意味があるの?

どのような時に出される?

出たらどうなるの?

その疑問、解消します!

緊急事態の解釈、

改正法との関係、

「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を元に考察した暮らしの変化も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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緊急事態宣言とは何?

新型コロナウイルスの感染拡大が連日報道されていますね。

感染者の多い北海道では、知事が道内での感染拡大は深刻さを増しているとして2月28日に『緊急事態宣言』を出しました。

政府も3月10日の閣議で、新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に備え、

総理大臣が『緊急事態宣言』を行い、自治体による外出の自粛や学校の休校などの要請や指示を可能にするための法案を決定し、国会に提出しました。

3月11日に衆議院で審議入りし、このままいくと3月13日には成立する見通しで、政府は翌14日に施行する方向で調整を進めています。

今回の法案は、2012年(平成24年)に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の改正案です。

これは2009年の新型インフルエンザ(H1N1型)の流行を踏まえて、野田政権時に制定されたものでした。

この「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の適用対象に新型コロナウイルス感染症を追加するというのが今回の改正案で、

改正法が成立したのち、政府は同法を根拠に期限や区域を定めて『緊急事態宣言』を出すことを検討しています

緊急事態宣言とはどんな意味?

『緊急事態宣言』、字面を見るだけでも危険が身辺に迫っていて、重大な危機に直面している感じがしますよね。

緊急事態宣言とは何かをわかりやすく言うと、

政府(内閣総理大臣)が「緊急事態」を国民に知らせること

をいいます。

『緊急事態宣言』の「緊急事態」を広辞苑で引くと以下のようになっています。

きんきゅう-じたい緊急事態

緊急の対策を講じなければならない事態。大規模な災害または騒乱などに際し、治安維持のための特別措置を必要として内閣総理大臣が布告を発する事態。旧称、国家非常事態。

現在の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を元にすると

新型コロナウイルスの感染が全国的に急速にまん延し、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼす場合などに、

総理大臣が『緊急事態宣言』を行い、緊急的な措置を取る期間や区域を指定するとしています

前述の北海道のように、自治体(知事)が発する緊急事態宣言は、拘束力のない「要請」ですが、

この法案によって、対象地域の都道府県知事は、自治体の住民に対する外出の自粛要請をはじめ、

学校の休校や多くの人が集まる施設の使用制限などの要請や指示ができる他、

特に必要がある場合は、臨時の医療施設を整備するための土地や建物を所有者の同意を得ずに使用できるとしています。

このように、内閣総理大臣が発する『緊急事態宣言』は、わたしたちの暮らしに大きくかかわってきます

『緊急事態宣言』が出されると、どのようなことが起きるのでしょう。

緊急事態宣言が出たらどうなるの?

内閣総理大臣が『緊急事態宣言』を実際に宣言するとどうなるのか、

わたしたちの暮らしにどんな影響が出るのか、

気になるところですよね。

前述の2012年(平成24年)に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を元に見ていくと、以下のような点がポイントになると思われます。

  • 外出自粛の要請
  • 学校、保育所、社会福祉施設などの使用制限・停止の要請指示
  • イベントなどの開催制限
  • 臨時医療施設開設のための土地・建物の強制使用
  • 医療品や食料の収容・保管命令
  • 生活関連物資等の価格の安定
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外出自粛の要請

特定の都道府県知事は、

生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないこと(第四十五条) 

という要請ができるとされています。

「新型インフルエンザ等対策特別措置法」は2013年に施行されて以来、一度も『緊急事態宣言」は出されていません。

なので、この外出自粛の要請がどこまでのものかは想像の範囲内になりますが、

大流行(パンデミック)を起こしている地域とそうでない地域も生ずるため、実施されるのは「感染拡大地域」になると思われます。

外出自粛の要請が出ると、個人の行動範囲に制約がかかるので、自由な行動が出来なくなります。

学校、保育所、社会福祉施設などの使用制限・停止の要請指示

特定の都道府県知事は、学校、保育所、社会福祉施設などの管理者に対して使用の制限や使用停止を要請することができます(第四十五条)。

安倍首相の休校要請には法的根拠がないという批判がありましたが、法律化されると、法的根拠を持たせることができます。

前述の外出自粛の要請と同様、私権が制限されることにつながります。

イベントなどの開催制限

特定の都道府県知事は、音楽LIVE、コンサート、コミケ等、イベントなどの開催制限をすることが可能になります(第四十五条)。

一定以上の面積の映画館やライブハウスの使用を事実上、禁止することができます。

臨時医療施設開設のための土地・建物の強制使用

極論ですが、国が必要と判断すれば、ある土地を強制的に使用し、医療施設に充てることが可能になります

以下、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の引用です。

第四十九条 特定都道府県知事は、当該特定都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に当たり、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資(以下この条及び第七十二条第一項において「土地等」という。)を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができる。

2 前項の場合において土地等の所有者若しくは占有者が正当な理由がないのに同意をしないとき、又は土地等の所有者若しくは占有者の所在が不明であるため同項の同意を求めることができないときは、特定都道府県知事は、臨時の医療施設を開設するため特に必要があると認めるときに限り、同項の規定にかかわらず、同意を得ないで、当該土地等を使用することができる。

医療品や食料の収容・保管命令

現在、マスクや消毒液などの品薄状態が続いていますが、緊急事態措置の実施に必要な物資は業者に対して、売り渡しや保管を命令することが可能になります。

要請に応じない時は収用することもできます(第五十五条)。

生活関連物資等の価格の安定

指定行政機関・指定地方行政機関・地方公共団体の長らは、国民生活との関連性が高い物資の価格高騰や労働の供給不足に対して、法令の規定に基づく措置などを講じなければならないとされています(第五十九条)。

緊急事態宣言とはどんな意味?出たらどうなるの?わかりやすく教えて!まとめ

『緊急事態宣言』が出されると、学校はもちろん、施設や土地、医療品など多岐にわたって、そのあり方そのものに変化が起きそうです。

わたしたちの暮らしにかかわるポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 外出自粛の要請
  • 学校、保育所、社会福祉施設などの使用制限・停止の要請指示
  • イベントなどの開催制限
  • 臨時医療施設開設のための土地・建物の強制使用
  • 医療品や食料の収容・保管命令
  • 生活関連物資等の価格の安定

さまざまなことが可能になる印象の『緊急事態宣言』は、私権を大きく制限することに繋がるのでとても難しい問題でもあります。

菅義偉官房長官も3月3日に行われた会見では

「当然のことながら、不必要に人権を制約することのないようにする必要もある」

と強調していました。

一方で、平常時ではない「緊急時」であるからこそ、『緊急事態宣言』の発令によってスピーディでかつ効率の良い事態の収束がはかれるとも考えられます。

もし、『緊急事態宣言』が発令されたとしても、あわてることなく落ち着いた行動ができるよう、

日頃から心の準備&生活用品などの備蓄をしておくことも大切ですね。

一日も早く新型コロナウイルスが終息しますように。

◇ 「しゅうそく」の漢字の使い方はこちらをご参考に。
収束と終息の違いと使い分け方!新型コロナウイルスに使うのはどっち?

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