太鼓判を押すの意味や由来とは?類語と例文でわかる正しい使い方!

太鼓判を押すの意味や由来とは?類語と例文でわかる正しい使い方!

太鼓判の意味とは?

どんな由来があるの?

太鼓判をおすの使い方は?

おすは「押す」?「捺す」?

類語は?

その疑問、解消します!

太鼓判の語源、

武田信玄との意外な関係、

太鼓判をおす・太鼓判をもらうの例文、

類語の例文も含めて、

わかりやすくお伝えします。

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太鼓判の意味とは?

たまりまくっているテレビの録画番組を整理していたら、

最強医師団が芸能人の日々の生活習慣や「体に良い」と信じてやっている健康法を、『太鼓判』もしくは『ダメ』でジャッジする番組をやってました。

『太鼓判』は「たいこばん」と読みます。

身近な話題を取り上げる医療系のバラエティは多くありますが、

『太鼓判』と『ダメ』の2択で一刀両断するところがおもしろくて、つい見入ってしまいました。

『太鼓判』って、普段の会話でもよく使われますよね。

太鼓判とはどんな意味?

「◯◯さんが太鼓判をおしてるんだから間違いないよ」

この場合の◯◯さんは『信頼のおける人』だったり、

その道の専門家だったり、有名人や芸能人だったりします。

太鼓判とは「保証する」という意味で使われる言葉です。

よく『太鼓判をおす』という言い方をしますが、これは、

人物や品物が絶対に間違いのないもので、良い物であると保証する、

という意味です。

太鼓判を辞書で引くと、以下のようになっています。

① 太鼓のように大きい判。
② 絶対に確実だという保証。

        -三省堂 大辞林 第三版-

信頼できる人が保証することによって、

人物やモノ、商品に

「絶対大丈夫」

という太鼓判がつくわけですが、

実際、太鼓判というものがあるわけではありません

太鼓判の語源の由来には意外なものが関係しているんですよ。

太鼓判の由来は?

太鼓判という字面から、語源はハンコを想像するかもですが、

太鼓判の由来をたどると、印鑑とは全然別物が登場します。

「太鼓判をおす」の慣用句の由来には諸説ありますが、明確なものをご紹介しますね。

太鼓判の元になったのは、戦国武将の有名な武将、武田信玄(1521年~1573年)が考案した『甲州金(こうしゅうきん)』といわれています。

戦国時代、甲斐の国(今の山梨県)では通貨として甲州金が使われていました。

その甲州金の中でも、甲州一分金という硬貨には、硬貨の周囲に太鼓の鋲(びょう)を模した模様が付けられており、

真正面から見ると、太鼓の形に見える小判なので、『太鼓判』と呼ばれていました。

この硬貨の周りにつけられた太鼓のビョウ模様は、硬貨の偽造防止のために施されたものです。

甲州金は純金に近く、金としても価値が高いものでした。

武田信玄は、通貨(金貨)の縁に太鼓の皮をぐるりと止めた鋲の形をデザインすることで、縁が変形した金貨は使えないようにしたのです。

金はやわらかいので、削り取られない工夫が必要だったんですね。

このことから『太鼓判』が後に「信頼出来る」という意味になったと伝えられています。

信玄公の時代、当時の大名たちは総じて、物品交換の仲立ちとなる『貨幣』を作ったのですが、

いずれも一つの貨幣の単位や大きさがバラバラだったりで割といい加減な勘定でした。

ですが、

武田信玄は中国ですでに定着していた貨幣制度を参考にしながら、

四進法や二進法による計数貨幣を考案して甲州金を作ったのです。

甲州金は他とは違って、

貨幣に額面が書かれたもので現代の形に近く、重さも大きさも揃ったものとして、信頼がありました。

戦国のこの時代、武田信玄が考案した甲州金は、いつ起きるか分からない戦いにも運搬が簡単で、どこでも通用することから、絶大な信頼と効果があったとされています。

甲斐の国、戦国時代の山梨で生まれた文化が、

「太鼓判」や「太鼓判をおす」という言葉になって、わたしたちの生活に根付いているというのは、おもしろいですね。

また、江戸時代に入ると品質が確かな物品の証明として、荷物などに大きな判をおすようになるのですが、

この判が太鼓くらい大きいと言われていたことから、

「価値があるものには太鼓のような印判がおされる」

ということで

『太鼓判』は「物事の保証」ということで使われるようになった、ともいわれています。

太鼓判の使い方

『太鼓判』は

「これは絶対、確実だ」

という時に

太鼓判をおす

という言い方で使われる言葉です。

太鼓判は押す?捺す?

「太鼓判をおす」の「おす」はハンコを使う時の「捺す(おす)」でもいいですが、一般的には「押す(おす)」という形で使われることが多い言葉です。

字面的にも「太鼓判を押す」のほうがわかりやすく伝わりやすいですね。

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「太鼓判を押す」の例文

「彼の有能さは俺が太鼓判を押す」

「三ツ星レストランのシェフが太鼓判を押した北海道チーズを食べたよ」

「彼女の人柄は長年の上司が太鼓判を押している」

「祖父はお医者さんから太鼓判を押されるほど元気だ」

どれも、人物や物事を保証するという意味で使われていますね。

職場であれば、上司や上長が部下を保証する時などに使われます。

食べ物なら、その道のプロや権威のある人のおすすめとして使われます。

「太鼓判をもらう」の例文

『太鼓判』は「保証してもらう」側になると「太鼓判をもらう(押してもらう)」という言い方でも使われます。

「弟は担任から東大合格まちがいなしの太鼓判をもらった」

「プレゼン内容については、上司から太鼓判をもらうほどの出来だった」

「わたしの漫画は必ず賞をとれると編集者から太鼓判をもらった」

太鼓判の類語は?

「絶対に間違いない」

と強く請け合う時に使われる『太鼓判』には、

  • お墨付き
  • 折り紙付き
  • 請け合い

といった類語があります。

お墨付き

お墨付き』は、

権力や権限の有る人から承諾や保証を与えられている、という意味です。

「太鼓判」と違って、誰でも勝手に出すことができるものではありません。

『お墨付き』の語源は、室町幕府や江戸幕府の将軍や大名が家臣(部下)に与えた証書のことです。

領地や配当を分配するときに、口約束ではなく、家臣に与えた領地を保証・確認する為に発行した公式文書のこと。

その公式文書には、今の実印の役割をしていた「花押(かおう)」が墨の直筆で書かれていました。

大名・将軍の自署、サインみたいなものですね。

墨で書かれていたので、「御墨付き」。

そこから『お墨付き』になったというわけです。

花押入りの書面は確実な保証となることから、『お墨付き』は保証するという意味で使われるようになりました。

「彼はスピルバーグ監督のお墨付きの俳優だ」

「この短編は文科省のお墨付きだ」

「この映画のキャスティングは原作者のお墨付きだよ」

「匠の技術に国がお墨付きを与えるグッドスキルマークというものがある」

折り紙付き

折り紙付き』とは、

人物や物に対して一定の評価がついていて、信頼出来るものであるという意味です。

『折り紙付き』の「折り紙」は、鶴を折ったりする折り紙あそびの折り紙ではありません。

掛け軸や刀などに付けられていた専門家による鑑定保証書のことです。

高級な奉書紙(ほうしょし、ほうしょがみ:和紙の一種)や、

檀紙(だんし:高級な和紙)に保証内容が書かれており、

それを半分に折って掛け軸や刀などの美術品につけられたことから、「折り紙」となりました。

鑑定保証の折り紙が付いている=保証書付き

という意味ですね。

前述のように、元々は物品の価値を保証する意味でしたが、今では人に対しても使われています。

「彼の性格は折り紙付きだ」

「ハーバード出身という経歴から頭脳も折り紙つきだ」

「彼女の勝負強さは師匠の折り紙付きだ」

といったように、良い評判があることに使われます。

請け合い

請け合い』とは字のごとく、請け負うことや引き受けることです。

間違いないと保証できるという意味で

「~すること請け合いだ」という形で使われます。

「映画を観終わったら、すぐにもう一回観たくなること請け合います」

「あと10kgやせたら、もっとモテること請け合うよ」

「命令を無視すれば明日から無職になること請け合いだ」

太鼓判を押すの意味や由来とは?類語と例文でわかる正しい使い方!まとめ

太鼓判とは「保証する」という意味で使われる言葉で

『太鼓判をおす』は

人物や品物が絶対に間違いのないもので、良い物であると保証することです。

太鼓判の由来は、武田信玄が考案した『甲州金(こうしゅうきん)』といわれています。

甲州金の甲州一分金という硬貨には、太鼓の皮を止める鋲の形が周囲にデザインされていました。

その形状から太鼓判と呼ばれ、なおかつ、甲州金は信頼にたるものとして流通していたことから、

『太鼓判』は

「これは絶対、確実だ」

という時に

「太鼓判をおす」

という使い方をします。

太鼓判の類語には、

  • お墨付き
  • 折り紙付き
  • 請け合い

といった言葉があります。

『太鼓判』は社会的な地位のある人やその道のプロ、信頼している人が「押す」ことで、グンと価値が上がるもの。

目には見えないハンコですが、

太鼓判が押されていると思うと確かに信用度がアップしますね^^

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