小正月とは?
正月と小正月の意味の違いは?
小正月は何する?
小正月の行事は?
なぜ小豆粥を食べるの?
その疑問、解消します!
小正月の由来、
小正月が女正月と呼ばれる理由、
小正月の伝統行事やどんど焼きが行われる理由も含めて、わかりやすくお伝えします。
小正月とは何する?
お正月の三が日が過ぎたあとに、また「正月」とつく「小正月(こしょうがつ)」が訪れます。
小さい正月と書いて小正月、何か可愛らしい感じもしますよね。
小正月とは?
小正月とは、旧暦の正月のことを指します。
今の新暦が使われるようになる前、「月」を暦の基準にしていた大昔の日本では、月の満ち欠けで1ヶ月を決めていました。
「満月から次の満月まで」が1ヶ月。
1ヶ月は満月の日から次の満月の前日まで、1年は「立春の日」から始まると考えられていたのです。
「月」を暦の基準にすることを「旧暦(太陰太陽暦)」といいます。
旧暦の考え方でいくと、新年の1日は、立春後の満月の日ということになります。
一年で最初に満月が見える日が元日というわけです。
昔の人は満月をめでたいものの象徴としていたようで、一年で初めての満月の日を「正月」にしていました。
つまり、現在の小正月は旧暦の正月にあたるということです。
◇ 旧暦の話題 こちらもどうぞ
・日本の旧暦の月名「和風月名」もう忘れない別名の覚え方オリジナル5選
小正月はいつ?
小正月は正月15日に行われる伝統行事です。
明治5年に新暦が採用されて、現在の1月1日が正月となりました。
この時をきっかけに
元日から松の内までを「大正月(おおしょうがつ)」
15日を「小正月(こしょうがつ)」
と呼ぶようになったと言われています。
小正月の期間は地域によっても異なり、1月の14~16日の3日間のことを指したりすることもあります。
ちなみに松の内は、現在では1月6日(ないし7日)の地域が多くなっています。
このことから、1月1日~6日(7日)までを大正月、1月15日を小正月というのが一般的です。
小正月を以って正月は終わりと考えられています。
正月と小正月の意味わけとは?
旧暦の正月を現代の暦に直すと、1月15日(14~16日)となるわけですが、新暦と旧暦の正月を区分するために、1月15日を小正月と呼ぶようになったと言われています。
新暦から旧暦になっても、庶民の間では旧暦の風習がなくなることはありませんでした。
満月を「望月」と呼んだことから、旧暦1月15日を、望(もち)の正月として祝っていたのです。
このようなことからも、元旦を「大正月」、15日を「小正月」と呼ぶようになったとも言われます。
大正月・小正月のそれぞれに行う行事も、
- 大正月:歳神さまを迎えるもの
- 小正月:豊作祈願や家庭的なもの
と、分かれていき、現在に至っています。
小正月は女正月?
新暦の導入によって元日が正月として定着すると、小正月は豊作を占ったり、鬼追いをしたりと、大正月とは違う行事が中心になりました。
また小正月は、「女正月(おんなしょうがつ)」とも呼ばれています。
昔はこの小正月にお嫁さんが里帰りしたものでした。
小正月が女正月と呼ばれる理由には、年の瀬から大正月にかけて忙しく働いた女性たちも、小正月の時期には体を休めたり、実家に帰省してゆっくりと過ごすように、といった意味合いがあるようです。
小正月の代表的な行事とは?
小正月に行われる行事は、農耕に結びついて各地にいろいろなものが残っています。
代表的なものは以下の4つに分類できます。
- 豊作祈願
- 吉凶占い
- 悪霊払い(どんど焼き:お焚き上げ)
- 小豆粥を食べる
豊作祈願
小正月の行事は、一年間の農作業が順調に進み、秋には豊作となるよう祈るためのものです。
大正月には門松を飾りますが、小正月には「餅花(もちばな)」をなどを飾ります。
餅花というのは、餅や団子を小さく丸めて柳などの木の枝につけたもの。
繭玉(繭玉)とも呼ばれています。
これは、豊作をあらかじめ祝う大切な行事でした。
そのため「花正月」ともいいます。
他にも小正月を迎える前のお祝い事として、「削り花」や「粟穂(あわほ)」などを神棚などに飾り、豊作を祈願します。
吉凶占い
粥を炊いたり、豆を焼いて、一年間の天候や作柄を占うところもあります。
粥占いは、地方により「筒粥(つつがゆ)」「管粥(くだがゆ)」とも呼ばれ、神社で、大釜で粥を炊いて行われることも多くあります。
後述する小正月に小豆粥を食べる習慣もここから来ています。
悪霊払い(どんど焼き:お焚き上げ)
今でも全国的に行われているものに「どんど焼き」があります。
どんど焼きは神社などに門松や注連飾り、書き初めなどを持ち寄ってお焚き上げをする行事です。
どんど焼きは無病息災を願う行事とも言われています。
どんど焼きの煙に乗って山へ帰る歳神さまにあやかって、どんど焼きの炎にあたると若返るとか、焼いた餅を食べると病気にならないと言われています。
他にも、どんど焼きの燃えさしの木切れを家の周りに刺しておくと虫除けになるとか、天井に燃えさしをつるしておくと火事にならない、などと各地にいろいろな言い伝えが残っています。
なお、どんど焼きを15日に行わず松の内が明けた8日に行うところもあります。
どんど焼きは15日に行うところが多いのですが、昔は大正月の始まりを大晦日の日没としていたのと同様に、十四日の日没から火をたき始めました。
元々は悪霊払いだった「どんと焼き」。
それが、やがて正月にやって来た歳神さまを天に送り返す火と見るようになっていき、お正月(大正月・小正月)の終わりと位置づける見方も生まれてきたようです。
小豆粥を食べる
大正月のお雑煮、七日正月の七草粥とおなじように、小正月には小豆粥を食べる風習があります。
小豆の朱色には、昔から邪気を祓う力があると言われ、一年の家族の健康を願う意味を込めて小豆粥を食べたのです。
うるち米に小豆を混ぜて炊いた粥に、多くの場合、粥柱と言って餅を入れて食べます。
小豆粥には特別な力があって、これを食べると、一年間、病気や災難から守られるという信仰がありました。
また、上述のように小豆粥の炊きあがり方によって吉凶を占う神事もありました。
その年の農作物の作柄を小豆粥によって占っていたことも、小正月に小豆粥を食べるようになった理由のようですね。
◇ 小豆粥についてはこちらをどうぞ
・小正月の小豆粥の基本の作り方と炊飯器レシピ超簡単に作る裏技とは?
小正月とは何する日?正月との意味の違いと行事食が小豆粥の由来 まとめ
小正月とは、旧暦の正月のことを指します。
元日を大正月というのに対して呼んだ名で、松の内に忙しく働いた主婦をねぎらう意味で「女正月」とも呼ばれています。
大正月には門松を飾りますが、小正月には餅花などを飾ります。
小正月に行われる行事は、農耕に結びついて各地にいろいろなものが残っています。
全国的なものには、神社で門松や注連飾り、書き初め他を持ち寄ってお焚き上げする行事のどんど焼きがあります。
お正月からの食べ物でいえば、お正月にはおせち。
そしてお正月のお飾りを外すのは一般的には7日で、お正月料理からの胃休めということで、いわゆる七草がゆをいただきます。
11日は鏡割りでお餅をいただきますよね。
15日の小正月には、家族の健康を祈り、無病息災と五穀豊穣を願って小豆粥を炊いていただく風習があります。
歳神さまを迎える行事を行う大正月に対して、小正月は家庭的な行事を行うお正月で、お盆と同様に大切な節目だったと言います。
今年の小正月は餅玉などを飾り、家族の健康を祈って小豆粥をいただいてみませんか?
◇ 記事中でご紹介した関連記事
・日本の旧暦の月名「和風月名」もう忘れない別名の覚え方オリジナル5選
・小正月の小豆粥の基本の作り方と炊飯器レシピ超簡単に作る裏技とは?