風邪に卵酒って効果があるの?
風邪に効き目のある卵酒の作り方は?
卵酒は子供に飲ませてもいいの?
その疑問、解消します!
風邪の時に卵酒を飲む理由、
材料の日本酒と卵から期待できる効能、
卵酒の作り方のポイントと注意点を含め、
わかりやすくお伝えします。
風邪に卵酒って効果があるの?
寒さが一段と厳しい時期ですね。
こう毎日寒いと、用心していても風邪をひいちゃうこともあります。
「風邪かな?」
「まずい、風邪ひいちゃった」
そんなとき、我が家では卵酒が定番です。
子供の頃は風邪をひくと母がすぐに卵酒を作って飲ませてくれました。
食欲がなくても卵酒は美味しくて、「もっともっと」とおかわりのおねだりをして叱られた記憶があります。
なので、学生のときも大人になった今も、『風邪をひいたら卵酒』。
実際に飲んでみるとわかりますが、卵酒を飲むと体がポカポカ温まってきます。
風邪をひいてしまったときは、暖かくして体を休めるのが一番です。
いきなり風邪薬を飲むよりは、昔からの民間療法で治ってしまえばそれに越したことはありませんね。
心も体もほっこり温まる卵酒は、日本だけではなく、いろんな国で親しまれています。
お酒に卵を入れて飲むという風習は、韓国やヨーロッパの国々にも見られます。
女性に人気のカクテル『エッグノッグ』も、いわば卵酒です。
エッグノッグは、卵に牛乳とブランデー(ラム酒やウイスキー、シェリー酒でも)を混ぜて飲むカクテルで、世界的にも有名なカクテルのひとつ。
美味しい上に発汗を促す効果もあるので、とても人気があるカクテルです。
卵酒はいつから飲まれていたの?
卵酒は江戸時代初期には、既に作られていたようです。
寛永年間(1624~1644)の代表的な料理本、『料理物語』には
「玉子をあけ、冷酒(ひや)を少しずつ入れ、よくときて塩を少し入れ、燗(かん)をし出し候也。玉子一つに酒をりべ(織部坏)に三盃入るよし」
と記述されています。
卵酒は練酒(ねりざけ)とも呼ばれたようで、同じ『料理物語』の中に
「ねりざけ、玉子に白砂糖を入れ、冷酒にてよくよく練り合わせ、燗を致し出し候なり」
とあります。
風邪の時に卵酒を飲むのはなぜ?
卵酒は即効性のある風邪薬というわけではありませんが、とても理にかなったものです。
よく、
「風邪を治す薬が発明されるとノーベル賞ものだ」
なんて言われますが、今のところ風邪を治すには、わたしたちが体に持っている『免疫力』で撃退するしかありません。
免疫力というのは、体内に入ったウイルスや細菌、異物などから自分自身の体を守る力のことです。
免疫力が低下すると、体の中で細菌感染やウイルス感染が起こりやすくなります。
普段なら寄せ付けない細菌やウイルスも、体の免疫力が低下していると風邪やインフルエンザにかかりやすくなり、感染後も長引いたり重症化しやすくなるのです。
免疫力は体温が上がると上昇して、体温が下がると低下します。
体温が1℃上がると、免疫力が5~6倍は上がるとも言われます。
なので、体を温めるということは、免疫力アップにつながるんですね。
風邪の時は温かくして休養をとることが回復への近道。
体の外側は衣類などでしっかり温め、体の内側は温かい食事や温かい飲み物が有効なんですね。
体を内側から温めてくれる卵酒は、免疫力を上げるにはピッタリです。
卵酒の効果は?
元禄時代の食物全般について書かれた『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』に、卵酒は、
「精を益し、気を壮にし、脾胃を調ふ」
と、すでにその効能が謳われています。
卵酒は主に卵と日本酒、砂糖で作られています。
これらがどのように風邪に効くのかというと、
「日本酒が体を温めて、栄養バランスに優れた卵が体に効く」
ということが言われています。
■ 卵の効果
鶏卵自体がとても栄養価の高い食品です。
卵には、人間の体に必要な8種類の必須アミノ酸が、すべてバランス良く含まれています。
卵に含まれている『シスチン』というアミノ酸は、自然免疫力を高める手伝いをするとされています。
また、卵白の中にはリゾチームという酵素がたくさん含まれており、これが風邪ウィルスの細胞壁を分解して、弱体化・撃退する効果があるのです。
細菌は攻撃を受けると、鼻水・痰となって体外へ排出されます。
排出をすることで鼻づまりが軽減され呼吸が楽になる、というわけです。
体に必要なアミノ酸をバランス良く含み、リゾチームの成分も有する卵は、風邪で免疫力が低下している時には理想的な食材ですね。
■ 日本酒の効果は?
卵酒のベースとなっている日本酒にも、風邪のときにぴったりな成分がたくさん含まれています。
日本酒にはアミノ酸が多く含まれているのはよく知られているところです。
アミノ酸はタンパク質の構成物質で、わたしたちの体を作り、生きるための活動を続けるために重要な働きをしています。
アミノ酸は、臓器、皮膚、筋肉、髪、爪そして血液などの材料となります。
日本酒に含まれているアミノ酸の量はワインの10~20倍と言われています。
米と米麹を発酵させて造る日本酒はとても栄養成分の多いアルコール。
アミノ酸をはじめ、ビタミンや肝臓に良いペプチドといった新陳代謝を高めるものの他、ミネラルも豊富に含まれています。
また、熱燗で卵酒を作ると、温かい酒ほど胃や腸でのアルコールの吸収が早くなります。
そうすると、血管も広がり、体の隅々までカロリーの高いアルコールが行き渡るので、すぐ温まるのです。
血行がよくなると発汗作用が促され、汗と共に細菌が体外へ排出される効果も期待できます。
- 水分補給
- 身体を温めて血行促進
- ウィルスと闘うための糖分・アミノ酸の摂取
卵酒の風邪によく効く作り方
卵酒の作り方はシンプルですが、ポイントを押さえて作らないと折角の栄養素が無駄になることになります。
卵酒は風邪の引き始めの時に、熱いまま飲むのがいちばん効果的な飲み方とされています。
卵酒の作り方
卵酒の作り方はとても簡単です。
温かい1杯をいただくと、その優しい甘さと温かさにほっとひと息、心身ともに癒される感じがしますよ。
卵酒の基本のレシピをお伝えしますね。
■ 用意するもの
- 日本酒:1合(180cc)
- 卵:1個
- 砂糖:大さじ1
■ 作り方
1.卵と砂糖をボウルに入れて泡だて器でよく混ぜ合わせ、こしておく。
2.日本酒を鍋に入れて中火にかける。
3.日本酒が軽く沸騰したら、1にゆっくりと注ぎ、卵液を酒でのばすように混ぜる。
お酒のほうに卵液を注ぐと分離する場合があるので注意です。
卵液に日本酒をゆっくり注ぎ、よく混ぜることで分離せず、なめらかな卵酒になります。
卵の凝固する温度は60℃からなので、かき混ぜながら日本酒を少量ずついれることがポイントです。
日本酒は安価なものでOK。
辛口よりも、まろやかな味のほうが飲みやすくなります。
砂糖の量はお好みで加減しても問題ありませんが、甘さがあったほうがおいしくいただけます。
仕上げの最後、お好みで体を温める効果があるしょうが(すりおろしたもの)を入れると、風邪のときにぴったりな卵酒になります。
卵酒と風邪薬を併用してもいいの?
卵酒は、加熱しているとはいってもアルコールが含まれています。
そこに薬が加わると過敏症を引き起こす可能性も少なからずあるため、薬とアルコールの併用はNG。
どうしても薬を服用したい場合は、最低でも4時間は空けてから服用するようにしましょう。
風邪の時の卵酒は子供に飲ませてもいい?
卵酒はお酒です。
なので、子供が飲んでもいいものかどうかっていう疑問がわくかもですが、結論から言うと大丈夫です。
作り方をみてもらってもわかりますが、日本酒を使うといっても加熱するのでアルコール分はほとんど飛んでいってしまいます。
なにより卵酒は何杯も飲むものではありません。
気になる場合は、就寝前に飲ませるのがいいですね。
それでもアルコールが気になるなら、しっかりアルコールを飛ばしたレシピで作れば安心です。
子供向けの卵酒の作り方
子供や妊婦さん、お酒が苦手な人向けの卵酒はアルコールを飛ばして作ります。
日本酒を鍋に入れて、沸騰するまで火をかけます。
沸騰することでアルコールが飛ぶので、その日本酒を使って前述の工程で作ります。
砂糖の代わりに蜂蜜を使うと、まろやかな味になりますよ。
やさしい甘さで、大人が飲んでもほっと癒される味わいです。
風邪に卵酒は驚きの効果!よく効く作り方と子供に飲ませる時の注意点 まとめ
卵酒は即効性のある風邪薬というわけではありませんが、とても理にかなったものです。
卵酒の効果としては、水分補給・身体を温めて血行促進・ウィルスと闘うための糖分やアミノ酸の摂取などがあります。
卵酒を作るときは、卵液に日本酒を注ぎます。
アルコールを飲めない子供などに卵酒を作る時は、日本酒を一度沸騰させて、しっかりアルコールを飛ばしてから作ります。
風邪をひいてしまったときは、暖かくして体を休めるのが一番です。
おいしい卵酒を飲んで、ゆっくり休養できるといいですね。
卵酒は風邪の時だけではなく、疲れたときや、なかなか眠れないときなどにもおすすめですよ。
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