お雛様のぼんぼりの意味は?
雛人形のぼんぼりの灯りの役割は?
ぼんぼりの電球はいつ点ける?
つけっぱなし?
その疑問、解消します!
ひな祭りにぼんぼりが欠かせない理由、
名前の由来、
ぼんぼりの電球を点ける時期のケース例も含め、
わかりやすくお伝えします。
お雛様に飾るぼんぼりの意味とは?
3月3日、桃の節句のひな祭りの歌といえば、
「♪あかりをつけましょぼんぼりに ~」
で始まる、童謡の『うれしいひなまつり』が有名ですね。
◇ 『うれしいひなまつり』の全歌詞はこちらをどうぞ。
・ひな祭りのお酒は子供に飲ませるのか白酒を飲む意味と甘酒との違い
『うれしいひなまつり』の歌にもあるように、実はお雛さまにとって、「ぼんぼり」はなくてはならないもの。
「ぼんぼり」にあかり(灯り)をつけるということから、「ぼんぼり」は何かしらの照明器具だということがわかります。
ですが、この「ぼんぼり」という言葉って、普段の会話で出てくることはほとんどなくて、ひな祭りシーズン以外では聞きなれない言葉ですよね。
ぼんぼりとは何のこと?
「ぼんぼり」は灯具の一種です。
灯具というのは灯りをつける道具、いわば照明です。
まだ電気のなかった時代に、照明器具として用いられていました。
ロウソクの台座を長い柄で支え、灯された明かりを紙や絹などで覆ったものが「ぼんぼり」と呼ばれる照明です。
つまり、コンパクトサイズの行灯(あんどん)をスタンドで固定した照明ですね。
基本的に、ぼんぼりは雛飾りのお内裏様とお雛様の両脇に飾られます。
ぼんぼりの名前の由来は?
ぼんぼりは漢字で『雪洞』と書きます。
雪洞は、「せっとう」とも読みます。
ぼんぼりは、江戸時代には主に
「ぼんやりとしてはっきりしないさま」
「ものが薄く透いてぼんやりと見えるさま」
といった意味で使われていました。
ぼんぼり名前の由来は 「 ほんのり 」 という言葉が転化したという説があります。
ほんのりというのは、「 ほのかに 」 という意味です。
ぼんぼりは紙や絹などで覆われた火袋を通しての間接的な灯りです。
直接的な明るさではなく、一枚隔てたやわらかいほのかな状態の明るさを表しているんですね。
ぼんぼりの雪洞という漢字は、茶道から来ています。
「雪洞(せっとう)」と呼ばれる茶道具の雪洞は、木や竹に薄い紙を張った蓋付きの道具のこと。
雪洞の紙と竹を使った様子が似ていることから、ぼんぼりに雪洞の漢字をあてるようになったと言われています。
雛人形のぼんぼりの灯りの役割は?
雛飾りのお内裏様とお雛様の両脇に飾られるぼんぼりは、照明道具です。
なぜ、雛人形のお飾りの中にぼんぼりがあるのかについては、江戸時代と深い関係があります。
ぼんぼりがひな人形と一緒に飾られるようになった時期は、江戸時代だと考えられています。
現存する江戸時代の雛人形にもぼんぼりがついていることや、徳川家のひな祭りを描いた豊原国周の浮世絵にもぼんぼりが描かれているからです。
雛人形の雛飾りは、お内裏様とお雛様の結婚式の様子を表したものです。
江戸時代は、月日や時刻を十二支の数詞で呼んでいました。
当時、結婚式は亥 (猪) の刻 (夜9時から夜11時の間) に行われていました。
夜の9時から11時と言えば真っ暗ですよね。
現代のように電気がない時代、表にも灯りは全くありませんから、室内で行なう結婚式は灯りをともさないと見ることができません。
何も見えない暗闇の中、ぼんぼりは必須アイテムです。
結婚式の「婚」の字のつくり 「昏」 は、黄昏 (たそがれ) という言葉に使われているように、日が落ちて暗い様子を表しています。
今では豪華にライトアップされた結婚式ですが、昔はロウソクや油を使った行灯の灯りで行っていたんですね。
ちなみに、ぼんぼりに電気がつけられたのは昭和20年代。
最近は、コードレスの電池式ぼんぼんもかなり増えています。
お雛様のぼんぼりの電球はいつ点ける?つけっぱなし?
夜の暗闇の中で行われている結婚式に欠かせないぼんぼりですが、今どきのお家でお雛様を飾ったら、灯りはどうするのが良いでしょう。
ひな祭りの雛人形と飾るぼんぼりに、灯りをつけておかなければならないという決まりごとはありません。
雛人形を飾ったらずっとつけているという人もいれば、電気といえども、つけっぱなしにするのは不用心と考える人や、エコ的に電気代を考える人もいます。
女の子がいる周りの友人・知人に、ぼんぼりの電球をどうしているか聞いてみました。
「一日中消している」
「飾った日からひな祭りが終わるまで一日中つけっぱなし」
「電気代がもったいないので飾った時とひな祭りの3月3日のみ」
「暗い部屋でぼんぼりがついていると灯りを子どもが怖がるので、つけるのはお雛様の日のみ」
「飾った時に一度、ひな祭り当日は終日つけっぱなし」
「晩御飯など、家族が揃う一家団らんの時だけつける」
「火が出る可能性もなきにしもあらず。そばにいる時だけつける」
「日中も家にいる時はつけているが、外出時と寝る前は消す」
いつ、雛飾りのぼんぼりの灯りをつけるかについて答えてもらった女性たちは、仕事をしている人が多かったので、外出している時は皆、消していました。
ぼんぼりは電気を使うものなので、暖房器具やエアコンのスイッチオン・スイッチオフのような感覚で、工夫しているようです。
わたしが子供の頃、実家では、宵の節句の3月2日と雛祭り本番の3月3日の夜の二晩は、夜通しつけていました。
二晩くらい灯りをつけておいてあげると、明るい様子にお雛様も喜ぶんじゃないかと思っています。
お雛様ぼんぼりの意味と雛人形に灯りが必要な理由電球はいつ点ける?まとめ
お雛さまにとって、ぼんぼりはなくてはならないもの。
ぼんぼりは、ロウソクの台座を長い柄で支え、灯された明かりを紙や絹などで覆った灯具の一種です。
つまり、コンパクトサイズの行灯(あんどん)をスタンドで固定した照明です。
お雛様は、お内裏様とお雛様の結婚式の様子を表したもの。
江戸時代、結婚式は亥 (猪) の刻 (夜9時から夜11時の間) に行われていました。
そのため、照明器具として、ぼんぼりが必要だったのです。
ひな祭りの雛人形と飾るぼんぼりに、灯りをつけておかなければならないという決まりごとはありません。
電気を使うものなので、暖房器具やエアコンのスイッチオン・スイッチオフのような感覚で、各家庭で工夫しているようです。
1年に一度、桃の節句に女の子の幸せと健康を祈って飾る大切な雛人形。
ぼんぼりの灯りでほんのり照らされるお雛様を眺めながら、結婚式に思いを馳せるのも楽しいものです。
素敵なひな祭りが過ごせますように。
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