5月3日の憲法記念日とはどんな日?
祝日になった由来は?
どんな歴史があるの?
最も重要な祝日の理由は?
その疑問、解消します!
海上自衛隊の満艦飾、
国民主権になった憲法の意味と歴史、
日本国憲法の3つの柱、
文化の日との関係も含め、わかりやすくお伝えします。
憲法記念日とは?
5月3日は憲法記念日(けんぽうきねんび)。
国民の祝日になっていますね。
憲法記念日は、1948年(昭和23年)に制定された『国民の祝日に関する法律』 で定められた祝日のうちのひとつで、憲法の制定(公布、施行など)を記念する日です。
趣旨は、
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」
というもの。
そもそも、憲法記念日の “憲法” とはなんなのでしょう。
憲法とは?
憲法を簡単に言うと、
「国の基本となる決まり」
です。
ちょっと難しく言うと、
「国の統治の基本原理」
もうちょっとわかりやすく言うと、
「国の統治のあり方を定める基本的なルール」
です。
憲法は『最高法規』と呼ばれ、法律よりも強い効力を持ちます。
つまり、いかなる法律も、基本は憲法違反ではないということが前提になるわけです。
国会で法改正が行われても、基本は憲法違反じゃないことが前提なんですね。
憲法は、国家の権力を制限し、個人の権利を保障するものです。
憲法には国家が権力を振り回し、国民の自由を侵さないよう歯止めをかける機能があります。
憲法は『最高法規』、その国の基礎となるものです。
5月3日憲法記念日の満艦飾
この憲法記念日はゴールデンウイークを構成する祝日の一つ。
なので、憲法記念日と聞くと、
「日本国憲法が出来た日、かな?」
くらいの感覚かもですが、海上自衛隊の艦艇では満艦飾(まんかんしょく:full dress ship)が行われます。
5月3日は憲法記念日のために、停泊中の艦は満艦飾となります。
満艦飾というのは、軍艦が祝祭日・記念日・式典等に際して祝意を表すために、艦首からマストを通して、艦尾までの旗線に信号旗などの旗を連ねて掲揚して飾ること。
海上自衛隊の満艦飾は、建国記念の日(2/11)・憲法記念日(5/3)・海の日(7/20)・文化の日(11/3)・天皇誕生日(12/23)の祝日と自衛隊記念日(11/1)の合計年6日、および観艦式実施日の、朝8時から日没まで行われています。
ですが、祝日と日曜が重ならない限り一般公開はありません。
なので、5月3日の憲法記念日に、近くで見ることができる満艦飾はとても限られたものとなります。
憲法記念日をお祝いして、風にたなびく色とりどりの信号旗はとても綺麗です。
満艦飾を見ると、港の華やいだ雰囲気も相まって、憲法記念日をお祝いする気持がより高まります。
時間が作れたら、是非、軍港めぐりをしてみてはいかがですか?
憲法記念日の由来を正しく知ろう!
5月3日の憲法記念日は、ゴールデンウイークの中盤。
旅行や遊びに出掛けることも多い時期ですが、毎年全国各地で日本国憲法についての講義や集会が行われています。
憲法改正がいろいろ議論されていますが、日本国憲法って、誕生以来ただの一度も、一字一句何ら変わることなく、今の今まで来ているのです。
これって、すごいですよね。
「出来たときからパーフェクトなの?」
「ひとつのバグもないっておかしくない?」
と、現在まで一度も改正されたことのない日本国憲法には、さまざまな意見があります。
今まで日本国憲法の不備とされるところは、『解釈』によって乗り切ってきたところが大きいのも事実。
この先、改正が行われるかどうかはわかりませんが、わたしたちにとって大切な日本国憲法の成り立ちを知っておくと、日本国憲法がより身近なものになると思います。
憲法記念日の由来とは?
「日本国憲法」の制定前は、「大日本帝国憲法」がありました。
日本国憲法が制定されたのは1947年5月3日、それ以前の1947年5月2日までは大日本帝国憲法が57年間続いていました。
日本国憲法が制定されたきっかけは、1945年の敗戦です。
日本は第二次世界大戦で敗戦し、それまでの富国強兵路線から、西側諸国の民主主義を取り入れた国づくりの道を歩むことになります。
戦前・戦中の「大日本帝国憲法」は、国政全ての決定権が天皇にあり、国民の全てが天皇の支配下にありました。
民主主義の道を歩み出すことになった日本は、3つの基本理念を盛り込んだ日本国憲法を制定します。
- 国民主権:国の政治は国民で行う権利があること
- 平和主義:戦争はもうしないと決められた
- 基本的人権の尊重:人間らしく生きる権利を国民はもつこと
上記の3つの基本理念を盛り込んだ日本国憲法によって、日本は国民主権国家となったのです。
憲法記念日が最も重要な祝日の理由とは?
憲法14条の「法の下の平等」にはこうあります。
日本国憲法が公布された時、当時の日本人にとっては、相当な衝撃でした。
なぜなら、それまでの日本人にとっては天皇がすべて、天皇のためだけの人生だったからです。
国民主権というのは、個人の自由が許されるということでもあります。
大日本帝国憲法から日本国憲法に変わったのは、一日にして社会の常識が180度変わったようなものですね。
敗戦国の日本で、戦後、日本人の価値観は国(天皇)主体から個人主体へと変化します。
新しい憲法で、戦後の混乱がおさまり、安定した生活ができるという期待感。
新しい憲法の日本国憲法は、人々が期待する自由と希望に満ちたものになっていきます。
その結果、日本は世界でも類と見ないほど、飛躍的な戦後復興を遂げるのです。
敗戦国から先進国にまでなった日本の土台は、日本国憲法にあるのです。
こういった歴史的な背景を知ると、憲法記念日は日本で最も重要で意味のある祝日だとも言えます。
憲法記念日は、公布された11月3日にするか、執行された5月3日にするか、国会で少々もめましたが、最終的には、5月3日に決まりました。
11月3日といえば、文化の日ですね。
憲法記念日と文化の日のつながりとは?
法律は施行(しこう)される前に、公布(こうふ)されます。
公布とは、法令等を国民全般が知り得るように官報で公表すること。
施行とは、法令の効力を発生させることです。
日本国憲法も、施行される半年前に公布されました。
公布されたのは11月3日、今の文化の日です。
- 憲法記念日は、憲法が施行された日を記念した祝日
- 文化の日は、憲法が公布された日を記念した祝日
という違いがあります。
憲法が公布された日を記念して文化の日になった由来には紆余曲折あるのですが、最終的には、
『日本国憲法が、平和と文化の発展に重点を置いている』
ことから、5月3日を憲法記念日に制定したと言われています。
憲法記念日とは?5月3日が最も重要な祝日である理由と歴史的な意味 まとめ
5月3日の憲法記念日は、日本国憲法が1947年5月3日に施行された日です。
日本国憲法は、国の基本となる決まり。
国づくりのベースになる重要なルールです。
憲法は『最高法規』と呼ばれ、法律よりも強い効力を持ちます。
戦前・戦中の「大日本帝国憲法」は、国政全ての決定権が天皇にありましたが、戦後の日本国憲法で、日本は国民主権国家となります。
この日本国憲法があったからこそ、日本は劇的な復興を遂げ、先進国までになったともいえます。
時代と共に、法律や憲法も変わってきました。
ゴールデンウイーク中の憲法記念日は、家族で、日本の憲法の歴史や意味合いについて話題にするのもいいですね。